header

宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

ヘッダー写真説明文

写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年11月25日火曜日

2014年11月25日火曜日15:34
こんにちはエムです。

名取市にオープンしたボランティアのための宿泊施設
NPO法人ボランティアサポートセンターまごころ(以下:「まごころ」)。


「次世代の笑顔の為に」と副題の付いた、この施設が誕生した経緯については先日お伝えした通りです。

===================
11月22日土曜日
ボランティア宿泊施設オープン(名取市、香川県)
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/11/blog-post_81.html
===================

「まごころ」ではこの夏、延べ人数にして約200人を受け入れました。
一般のボランティアも含みますが、そのほとんどは東京都にある学校法人武蔵野大学の学生たちです。

私が伺った日は、武蔵野大学と「まごころ」に関わった関係者が集まり報告会をするという、ちょうどその日。タイミング良く取材させていただくことができました。

武蔵野大学からは就職・キャリア開発課課長の中塩義幸さんと、同じ課の小山皓之(あきゆき)さん、一般社団法人名取復興支援協会の川崎正男さん・太田幸男さん、「まごころ」の菅一男さんの合計5名の方が集まりました。

武蔵野大学:中塩義幸さん(右)、小山皓之さん

武蔵野大学では、1年生の必須授業として「武蔵野BASIS・キャリアデザイン」があり、名取市に学生がボランティアに来たのは、その授業のプログラムの一環としてでした。

「武蔵野BASIS・キャリアデザイン」の授業とは、武蔵野大学の全ての1年生が対象の、ボランティアで社会貢献をさせることを目的とした授業のこと。
東日本大震災後に始まった取り組みで、10年間の継続を考え行っています。各学年2,000人規模の大学で、組織的に実行している学校は珍しく、日本では武蔵野大学のみなのだそうです。

ボランティア先は被災地を中心に長野県、徳島県、東京都の八丈島、秋田県などの他、海外にも複数あり、学生が自分で選択するということですが、名取市閖上地区は人気があり、この夏休みは10班に分かれ、4泊5日のボランティアに計約150名が参加しました。

宮城県内では4年目となる今年までに、石巻市、七ヶ浜、亘理、そして名取市閖上地区に、延べ人数にして約700名の学生が訪れているそうです。

「来年はどうしますか?」太田幸男さん(右)の問いに、
「10年続けるつもりですので、よろしくお願いします」
と答える中塩さん
キャリアデザインの授業を中心になって進めている中塩義幸さんは、これは自分の生き方を考える授業なのだと言います。

「今の子どもたちは自分で選択できない子が多いのです。ですので、自分で決めること、その精神を大事にしています。

さらに、何かやったら報酬があるとか褒められるのが当たり前ではなく、無償で、犠牲になって奉仕する、社会貢献させるということを経験させたいのです。

この経験のおかげで、コミュニケーション能力が1年後には強くなっています。
2年生には先輩として指導や引率をさせていますが、縦関係が苦手な若者にはそうやって学ばせています」

武蔵野大学が名取市を訪れたのは、昨年(平成25年)に続き2回目。きっかけは、名取復興支援協会の川崎さんと出会いでした。

菅さんはこの秋、武蔵野大学の学園祭に行き
学生の皆さんと再開しました。来年は出店も考えているとか
昨年までは仙台市青葉区にある幼稚園の宿舎を宿泊所として利用していましたが、今年からは使えなくなったために川崎さんに相談したことで、コウワ工業との接点ができたのだそうです。
そしてコウワ工業では、武蔵野大学の取り組みに賛同して「まごころ」を提供するに至りました。

「我々武蔵野大学と名取復興支援協会、そしてコウワ工業さんがつながり、コウワさんと学生、コウワさんと教職員のつながりに発展しました。
素晴らしい出会いを生んだのは、全部人と人とのつながり、人脈です」

ボランティアをする中で、多くの名取市の人と触れ合うプロセスを体験した子どもたちは、大きく成長して帰って来たと、武蔵野大学の中塩さんは言いました。

「やり終えるまでは心配で今日のこの(5人で集まった)姿は想像できない中でのスタートでした」
と語る中塩さん。被災地で生まれた出会いですね

「菅さんがいなかったら、今回は難しかった」
ここでも関係者の口からは何度もこの言葉が聞かれました。

「まごころ」の運営を一任され、学生たちのボランティアのサポートもしてきた菅さんですが、外見と(少し)ギャップのある温かく熱い人柄に触れた武蔵野大学の学生からは、絶大な人気と信頼を得ていた様子です。

四国の香川県から単身赴任中の関西弁の菅さん。
兄貴肌の温かな人柄は話せば伝わってきます
「学生たちにとっては、したこと無い事ばっかりだったみたいね。
釘打ちとか壁の塗装とか、敷地に残っているケヤキの木の下に一緒に花壇作りもしたし、洗車もやらせたり。
『これやってみる?』って頼むと全部喜んでやってくれた。自分も楽しかった」

強面の菅さんなので、初対面では驚いていた学生たちも、1班、2班とメンバーが変わり引き継ぎをする中で、3班頃からは到着してすぐに、ずっと前から知り合いのような親密な感じだったらしく、それには菅さん自身も驚いたようでした。

「前情報が入ってたのか、何も言わないのに朝8時半になると整列して待っていて、自分の作業を手伝ってくれた。勝手に恒例行事になっていたみたいだった」

何気ない出来事のようですが、菅さんと学生の心の触れ合いが感じられる、心温まる話でした。

学生たちは班ごとに感想や感謝のメッセージを残していきました

学生の皆さんが帰る日に残していったメッセージを少し紹介します。

「ボランティアに参加できて本当に良かったです。とても大切な経験となりました。
人のために何かすることは本当に素晴らしいと思いました。ありがとうございました!!」
(女子)

「初めてのボランティア活動、とっても良い思い出、経験ができました。
何か1つのことを一生懸命やり遂げる素晴らしさを学びました」(女子)

「このボランティア活動に参加したおかげで、人の優しさや温かさをあらためて実感することができました。本当にありがとうございました。
がんばろう! 東北!!」(男子)

「現地を訪れたことで、あらためて自分の住んでいる土地より被害が大きいことに気付き、また、未来に一歩づつ近づいていることも分かり良かった」(男子)

「今回初めて閖上に来ました。今までお話を聞かせていただいたり、映像を拝見したりはしていましたが、実際に現場を見ると胸が詰まる思いでした。
いろいろなことを学ばせていただいたので、少しでも何かの支えになれていたらうれしいです」(男子)

「今回のボランティア活動を通して、名取復興のために自分に何ができるかあらためて考えるきっかけになりました。
閖上小学校の屋上から見た景色は一生忘れません。機会があれば、また閖上の復興支援をするためにこちらに足を運びたいと思っています」(女子)

「5日間、大変お世話になりました。今回復興作業に参加させていただいくにあたり、一番不安に思っていたことは、“自己満足” で終わってしまうことです。
私たちのお手伝いが少しでも閖上地区、および東北の皆さんの力になれば幸いです。今後とも一歩づつ共に進みましょう! ありがとうございました」(男子)

「初めてこの土地で、初めて会う人と4泊5日過ごすことに、最初は不安だったけど、やってみるとすごく楽しくて、すぐに打ち解けることができた。
このボランティアを通じてたくさんの人の温かさに気付くことができた。名取に来て良かった!! 」(女子)

「3.11の震災があった時代にいる私たちだからこそできるボランティアをさせていただき、とても良い経験になりました。
私たちの小さな力でも、ありがたいと言っていただけたことが、とても心に残りました。まだまだみんなの力が必要なことを実感しました。ありがとうございました」(女子)

菅さんには個別にこのようなメッセージを残した武蔵野大学の学生たち。
内容はとっても熱く、濃いものだったそうです

他に、「宿舎の環境がとても良く、過ごしやすかった」「居心地が良かった」
「仲間、信頼する人たちと一緒だと楽しい」
「学ぶことが多かった。良かった」などの感想が寄せられています。

今回は閖上小学校の校舎の清掃、グランドのガレキ拾い等の
整備が中心でした。その結果、この秋から子どもたちが
サッカーや野球ができるようになりました

「宮城県の復興のためにボランティア活動して参ります」
学校法人 武蔵野大学

右から:名取復興支援協会  川崎正男さん、武蔵野大学 中塩義幸さん、小山皓之さん
名取復興支援協会 太田幸男さん、コウワ工業(ボランティアサポートセンター まごころ)菅一男さん

中塩さん:「ボランティアでは何が一番大事かというと、こに来ることだと思っています。
被災地の様子はテレビでの報道もどんどん少なくなっているので、我々はどんどん続けてやらないと行けないと思っていますが、人と関わりながら、肩肘張らずにやって行けたらと思っています」

川崎さん:「そう言っていただける方がいるのは、とても助かります」

武蔵野大学の取り組みと名取復興支援協会が結びつき、コウワ工業提供の「まごころ」ができました。
ここはまさに「まごころ」の触れ合いが生まれる場所でした。

菅さんと学生たちが一緒に作った花壇。
土の中にはチューリップが植えられています

☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆

「NPO法人ボランティアサポートセンター まごころ」はボランティアに来る方であれば誰でも利用可能ですが、電話かFAXでの申し込みが必要です。
( ※ 床の張り替え、お風呂のモルタル工事のため平成26年12月中旬まで休館)

★ 料金/施設維持費として2,500円(素泊まり・自炊)
★ チェックインーーーー16:00
  チェックアウトーーー10:00

☆ 持参する物/食材、歯ブラシ・タオルなどのサニタリー用品
☆ 仕様/男女別の相部屋、お風呂・台所は共同

■ 所在地/宮城県名取市堀内字梅188
  電話/022-323-1074
  FAX/022-323-1094

☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆

一般社団法人 名取復興支援協会からの申し込みも可能
http://natorifukkou.com/

学校法人 武蔵野大学
http://www.musashino-u.ac.jp/guide/index.html

(取材日 平成26年10月30日)