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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年10月27日月曜日

2014年10月27日月曜日12:48
石野葉穂香です。

今年の9月の宮城県は、晴れて穏やかな日が多い1カ月でした。
8月半ばの雨や日照不足から、お米の出来への影響が心配された事もありましたが、宮城県の作況指数は「やや良」に落ち着いて、早いところでは9月中旬から稲刈りが行われました。

蒼空の光の下に、きらきらと輝き渡る黄金色は、宮城の大地に生きる私たちの顔を、やっぱり自然にほころばせてくれる佳景です。

10月4日、岩沼市玉浦地区で、NPO法人「がんばッと!! 玉浦」さんが主催する収穫祭『農業復興 玉浦 The shuUkaku』におじゃましました。

宮城はもちろん、東北、関東、関西からもたくさんの方が玉浦へやって来ました!
10月なのに夏日(日中の最高気温が25度以上の日)の暑さとなったこの日は、台風16号が接近していた影響からか、やや雲は多めでしたが、日射しをほどよく遮ってくれ、爽風の中、格好の〝稲刈り日和〟となりました。

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「がんばッと!! 玉浦」は、震災直後の避難所生活の中で、現代表の谷地沼富勝さんをはじめ、周りの人たちのために「何かをしよう」と動き始めた人たちが創設した団体です。

震災から数日後のある日、ガレキ撤去作業を終えて避難所に帰ってきた谷地沼さんが「・・・ガレキ、とんでもねぇよ」とつぶやきました。
すると別の方が「ガレキでねぇっ、みんなの財産だ!」と言いました。
そこへまた、別の方がこう言いました。「・・・んだったら、おめ、持っていったらいいべ」。
顔を見合わせて笑ったとき、皆さんは、この「笑う」ということの不思議なチカラに気づかされたのだそうです。
「下を向いででもしゃぁねぇ。みんなのごど、笑わせっぺ!」
皆さんは話し合いました。

「がんばッと!! 玉浦」代表の谷地沼富勝さん

谷地沼さんは、支援物資として届けられた服の中から、あえて女性のものを試着して皆を笑わせました。
別の方は、上棟式などで行われる「餅まき」を真似て、避難所で物資を配りました。

また、一方で、届けられた沢山の支援や物資を前にして「自分たちは、他所でこういう事があったときに何もしてなかったよね――」と気づき、恥ずかしく感じられたのだそうです。
「何かすっぺ」「んだな、まず、玉浦のためになるごど、すっぺ」。

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そして、人が集うこと、繋がることの大切さを大事にしながら、例えば桜の苗木の植樹、田植え、稲刈り、餅つき大会の開催、「岩沼みんなの家」との連携、地域の歴史、子育てなど・・・さまざまな分野、角度から、震災後の〝まちづくり〟への取り組みをスタートさせたのです。



その活動のひとつに『農業アミューズメント・玉浦』があります。
「農業を見捨てない。楽しむ農業を実現」していくこと。玉浦という地域そのものをブランド化していく事が目標です。

がんばろう! 稔りの大地に生きる〝玉浦っ子〟
そうして迎えた10月4日の「収穫祭」。
2012年春の「田植え」、同年秋の「稲刈り」とカウントして、今回は〝楽しむ農業〟第6回目のイベントです。

参加者は、まず玉浦公民館に集合し、「オラほのラジオ体操」で身体をほぐします。
そして860m離れた田んぼへ歩いて移動。
地元のお母さんたちから、稲の刈り方、束ね方、ハセがけの仕方などを教わりました。


※「オラほのラジオ体操」って?

2011年12月28日 水曜日
おらほのラジオ体操「復興には笑いと体力が必要!」 (石巻市)
  本間秋彦氏インタビュー
http://kokoropress.blogspot.jp/2011/12/blog-post_28.html

2012年1月20日 金曜日
「この世がすなわち極楽浄土」  (石巻市 渡波)
http://kokoropress.blogspot.jp/2012/01/blog-post_6970.html#uds-search-results

この黄金色・・・! 玉浦の農業はもっと元気になっていきます

さあ、スタート。
「稲刈りは初めて」という方は、ちょっとぎこちなさげ。
でも、1時間もしないうちに、テニスコートほどもある田んぼの稲は、みるみるうちに刈り取られていきました。
横浜から参加のペーターさん。
玉浦の皆さんにもおなじみの〝ドイツっ子〟です

この田んぼも〝あの日〟は海水に浸ってしまったところ。
でも、もう大丈夫。一昨年も、昨年も、おいしいお米が収穫できています。

母の背中で感じた〝秋〟を覚えていてね
続いてイチジク畑の草とりです。
イチジクは、谷地沼さんの先輩で、玉浦で農業を営む八巻文彦さんが、地域の新しいブランド農産品を目指して今年から取り組みを開始したもの。
「6次化・・・などは、まだまだこれからの課題ですが、玉浦の元気な農業のシンボルになって欲しいと願っています」(谷地沼さん)。

また、参加してくださった皆さんに、ダイコンの取り放題のプレゼントもありました。

イチジクの苗木を覆い隠そうとする雑草を
しっかりと抜き取っていきます
ダイコンは、この日のために
谷地沼さんたちが大事に育てたもの
そして・・・お待たせっ!
玉浦地域の皆さんの〝基地〟でもある、岩沼「みんなの家」で、〝お昼ごはん〟です。
岩沼「みんなの家」についてはこちらをご覧ください。

2014年8月7日木曜日
『みんなでつくる「みんなの家」の一周年記念夏まつり』
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/08/blog-post_93.html

谷地沼さんたちが、前日に刈り取り、この日の朝に精米し、お母さんたちが握ってくれた〝とれたて、精米したて、炊きたて、にぎりたて〟のひとめぼれの「おにぎり」。

おにぎりの中身はしゃけ

気仙沼産のサンマを使った「つみれ汁」と一緒にいただきました。

秋空の下でいただく、今年収穫したばかりの新米おにぎり、旬のサンマ。

それが、どれほどおいしかったか・・・は、この記述だけで伝わるものと信じています(笑)。


お米を一番おいしく味わえるのは
あるいは〝おにぎり〟かもしれません













「がんばッと!!玉浦」のメンバーで料理がお得意な小林達夫さんがつくってくださった「サンマのつみれ汁」。
東北の秋の定番「芋煮」もおいしいですが、
旬のサンマをぜいたくに使った「つみれ汁」も、とてもおいしかったです

「1年目は『稲作が復活できたよ』というPR。2年目は『玉浦のよさを発信しよう』でやって来ました。そして3年目の今年は『繋がりを大切にしよう』がテーマです。」と、谷地沼さんが、汗を拭きながらお話しくださいました。

今回はイベントの裏方さんなしで、みんなで参加、みんなでやろうと決めていたそうです。
「用意してお迎えする・・・じゃなく、こういうことするから来ませんか? というふうに、交流ということを大事にしました。玉浦に足を運んでもらえるキッカケになれたら」

また「皆が見ていてくれるから、いつだって頑張ろうという気持ちになれる」とも谷地沼さんは言います。

テレビの取材クルーはおいしい顔を逃しません。
もちろん、おにぎりとつみれ汁のおいしさも実感取材(笑)

「自分たちのまちづくりを皆が応援してくれている。その手応えが自分たちの活力です。僕らがつくった農産物が、いつかブランドになって全国シェアの何パーセントかでも占めるようになれたら、関わってくれた人たちもきっと喜んでくれるはず。もっともっと頑張っていきますよ!」

岩沼「みんなの家」では
ただ今、おいしい新米を販売中です! (1㎏/600円)
海明かりにじむ仙南の広い空の下、農事が彩る〝四季の色〟が、これからもきっと、ますます広がって行きます。

(取材日 平成26年10月4日)