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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年10月24日金曜日

2014年10月24日金曜日16:00
kaii です。

震災前から気仙沼市の人口は少しずつ減少していました。
東日本大震災の発生以降、人口の流出に拍車が掛かり、特に働く世代の人口の減少は顕著で多くの職種で人手不足が切実な問題になっています。
もともと人手不足が深刻だった医療、福祉の分野は、若い世代の人材の流出に危機感を感じています。

宮城県の高齢化率の平均は23.3%。気仙沼市の高齢化率は宮城県内35市町村の中で7番目に高い31.9%です。
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東日本大震災前から、気仙沼市で医療、福祉に携わる人たちは、地域の中にネットワークをもって情報交換や交流をしながら地域の中で活動していました。

日本の福祉を考える気仙沼若手の会の事務局長熊谷望さん(左)
副会長遠藤眞さん(中央)熊谷光二会長(右)

「日本の福祉を考える気仙沼若手の会(JFK)」(以下JFK)は、離職率の高い業種だった医療、福祉分野で働く若い世代の人材の流出が、震災後進んでいることに危機感を感じた医療福祉に携わる3人が立ち上げ、認知症専門医である精神科病院の医師に会の顧問をお願いしました。

JFKの活動は、認知症への理解不足から生じる不安や偏見を減らし、地域の人が認知症に対して理解を深め、認知症の患者、家族のサポートができる人を育てる講座の開催、介護や看護に携わる人のスキルアップ、自治会などが企画した勉強会への講師の派遣などが中心です。

人口の動向と認知症について話す
熊谷望さん
JFK事務局長の熊谷望さんは「気仙沼市は、人口動態からみて、東日本大震災後から著しい高齢化が進んでいることが分かります。今後、認知症の発症者数は予備軍も含めると増加していくと考えられ、認知症の問題については一刻の猶予もない状況です。私たちは行政の対応を待つばかりではなく、私たちが気仙沼に何ができるかを考えようと立ち上がりました」とJFKの活動を始めた志を話します。
現在、JFKは会員44人の任意団体として活動しています。

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私たちは、東日本大震災以降、「認知症を発症する人が増えている」との報道を多く耳にします。
しかし、私たちは「認知症」についてどれだけ理解しているでしょうか。
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介護や医療の現場で働いている、JFKの会長熊谷光二さん、副会長の遠藤眞さん、事務局長の熊谷望さんに伺いました。

認知症サポーター養成講座の様子
(平成26年9月24日撮影)
(質問)東日本大震災後「認知症」発症する方は増えていますか。介護の現状はどうですか。
 
(回答)認知症を発症する方は増えています。施設入所を待つ待機者の数も跳ね上がっているのが現状です。介護施設では介護職員が不足しています。そのため、入所を希望する方を受け容れられず、家族が在宅介護をしているケースも少なくありません。
介護の現場は厳しいです。離職する人のその理由を聞くと、人間関係の問題、理想と現実のギャップ、労働は厳しいのに賃金が他の業種と比べて安いなどと話します。しかし、介護の仕事には人の命に寄り添うことができるという魅力があります。

(質問)震災後、気仙沼だけに限らず顕著になった問題を教えてください。

(回答)沿岸部を中心にコミュニティーが崩壊したことで人のつながりが稀薄になり、地域の問題解決能力が低下しました。孤独死や孤立死の問題も出てきています。

(質問)認知症について理解を進める講座を開催する理由を教えてください。

(回答)認知症に対しての偏見をなくしたいです。認知症はだれもが発症する可能性はある病気の一つです。
講座に参加してことをきっかけに「気づき」や「話すきっかけ」になればいいと思います。
私たち(JFK)が地域の中に入って話すことは啓発、啓蒙活動です。
認知症への理解を深め地域の中で認知症の患者を支えていけるといいと思います。

(質問)市民の認知症患者への理解について思うことを教えてください。

(回答)次世代への教育が必要だと感じています。介護には介護の仕事の魅力があります。若い世代に介護の本質を伝えていきたいです。

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JFKの会長熊谷光二さんは「認知症サポーター養成講座」について、開催依頼が確実に増えていると話します。

認知症の人との関わり方について話す
熊谷光二さん
「気仙沼地域では、JFKの活動によって、地域に約1100人の「認知症サポーター」が誕生しました。
しかし、サポーターの人数を増やすことだけでなくサポーターの『質』にこだわる必要があると認識しています」と話します。

認知症ケアについて話す遠藤眞さん
副会長の遠藤眞さんも、「気仙沼の基幹産業(水産業)の復興も大切。しかし、高齢化が深刻になっている現状から『福祉』の目線も大切です。みんなが安心して暮らせる住み好い気仙沼になっていくことを、復興のまち気仙沼に期待します」と話します。

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私たちは「認知症の患者が増えている」という報道を耳にすると「自分が発症したら家族に迷惑がかかる」とか「何も分からなくなったらどうしよう」などと漠然とした不安を抱えます。

認知症の人たちの感覚を説明する様子
「認知症とはどんな病気だと思いますか」と聞かれて「徘徊や物忘れ」などの症状について話せても認知症がどんな病気であるかを説明できる人は多くないと思います。

平成26年9月24日に気仙沼市立松岩公民館で開かれたJFKのメンバーが講師を務めた「認知症サポーター養成講座」に参加しました。

寸劇で認知症の人と関わり方について説明するJFKメンバー
「認知症」は誰もが発症する可能性のある病気。病気を発症した人への偏見や差別、家族の心情を理解し、寄り添うことができる地域になることは、地域で暮らすみんなが生きやすくなることだと講座を受講して感じました。

(取材日 平成26年9月24日)