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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年10月25日土曜日

2014年10月25日土曜日18:58
こんにちはエムです。

「環境教育防災林」とはどんな防災林なのか知っていますか。
なにやら堅苦しい名前ですが、その中身は「自然に親しみながら楽しく自然を学び、なおかつ防災にも役立つ森」。と、大体そのような意味の森のことです。

大勢の子どもたちも犠牲になった東日本大震災を教訓に、NPO法人宮城県森林インストラクター協会ではこの「環境教育防災林」の重要性を、宮城県のみならず県外にも呼び掛けた活動を行っています。

子どもたちが取り付けた「樹名板」

NPO法人宮城県森林インストラクター協会(以下:森林インストラクター協会)では、子どもたちの命を守るためには、子どもたち自身が「生き抜く力」を身に付けることが大切であると考えました。
そして「生き抜く力」を育むためには、森を活用した自然体験が有効であり、「環境教育防災林」の活動に学校が取り組むことで身に付くのだと提唱しています。

大きな自然災害があった時、どこに逃げれば安全なのかを考えることができ、その避難先での水のある場所や、食べ物になる植物などの知識を持っていれば、自分の身を守ることができます。
さらに日頃から自然の中で活動することで、助け合いの精神や、協働の意識が生まれるのだと言います。
そんな「環境教育防災林」の見学会があり、同行させていただきました。


台風が去った9月下旬の秋晴れの金曜日、森林インストラクター協会主催の見学会には、県内や首都圏から、行政や企業、教育関係者など約20名が参加しました。

この日は森林インストラクター協会が地域や学校と協力して整備している「柴田町立柴田小学校」「富谷町西成田コミュニティセンター」「七ヶ浜町諏訪神社」の3カ所を見学しました。
それぞれ特色があり、防災を考えるうえのモデルになるのではと感じましたので、3回に分けてご紹介します。


ーーーー 柴田町立柴田小学校 ーーーー


柴田小学校には裏に小山があり、こんもりと茂った森になっていました。

森に足を踏み入れるとまず、プールが目に入りました。季節的に今は使っていませんが、夏になると森の中のプールは気持ち良さそうです。
そしてその先の小山のてっぺんには巨大な滑り台が……。びっくりしましたが、滑り台は安全面から何年も使用が禁止されており、近々解体が決まっているそうです。

それでも子どもたちは森に入って遊んでいましたが、枝が茂って飛び出していたり、土がむき出しになっている部分もあるなどの現状を憂慮した学校は、森林インストラクター協会に相談を持ち掛けました。
それを受け、昨年(平成25年)から小学生の子どもたちと一緒に整備を始めたのだそうです。

森林インストラクター協会理事、高梨眞二さん

「子どもたちと一緒に整備することで、『自主性』『他人を思いやる協調性』などが育ちます。
それは道具を使うことによっても育まれます。
使ったことのない子どもでも、ちゃんと使い方を教えると使えるようになるし、面白くなると積極的になるようになりました。
そして1人ではできないことは皆で協力してやるんだと分かってきます。

このくらいの規模の森でも魅力的で学習に十分役立つ森になります。そしてこの森に防災のための考え方を取り入れると、環境教育防災林になるのです」
森林インストラクター協会の高梨眞二さんが説明しました。

森の中の巨大滑り台。なんと最大傾斜45度、全長100メートル! 
かつては子どもたちに大人気でしたが、安全の問題から現在は使用していません

昨年、全校生徒65名(今年は61名)の子どもたちは、低学年、中学年、高学年それぞれできることを分担して行ってきました。

「樹名板チーム」「生き物を育てるチーム」「剛力チーム」などに分かれた子どもたちの仕事ぶりは、大人顔負けの成果を上げていました。

子どもたちも考え、一緒に作った階段。
道具を使えるようになった子どもは強い!と感じました

カブトムシの幼虫が眠っている甲虫ビオトープ
イノシシ除け(と子どもたちが呼んでいる)の網も設置

子どもたちによる鳥の巣箱樹名板は森のあちこちに見られます

子どもたちは、どんな樹を植えたら良いのかを検討し、植樹もしました

整備中の池のビオトープ。カエルやフナなどが生息しています

柴田小学校のシンボルにもなっているイチョウ。
校章にも使われています

森を案内してくださったのは大川広宣(ひろのり)教頭先生。

「1年目はできることを一生懸命やりました。2年目はこれをカリキュラムに位置づけて、長いスパンで考え、継続してやっていこうと考えています。

幸い先生方も積極的で、この環境を楽しむ職員ばかりです。
この森に教卓やベンチを置いて『青空教室』を行ったり、コースをうまく作ってウォーキング、アスレチックなど、『森での体力づくり』などの構想もあるんです」

大川広宣教頭先生(右)

小学校の敷地内には、生活用水の確保のための「井戸」も建設中でした。
災害があった時に足りなくなるのは飲み水ばかりではありません。生活用水は東日本大震災でも確保が難しく、内陸部でも困った経験があります。
防災を考える時、水の確保はとても重要な要素の1つです。

しかし掘り進めているこの井戸は、当初の予想をはるかに超え、現在は19メートルの深さまで達しているそうです。しかしまだ安定して水が得られる層には達していません。
昨年から掘り始め、2年目を迎えていますが、時間はまだもう少しかかるということでした。

手作りの井戸掘り装置を使い、人力のみで掘っています。筒の先端に歯があり、中に
弁の付いた管を落とし入れます。それを引き上げると泥状の中身が出てくる仕組み。
通常は5〜10メートルで完成しますが、ここは深い井戸になりそうです

見学会参加者もやってみました。
10回落とし、11回目に管がすっかり地表に出るまで遠くへ走ります
「それーっ!」

管の中からは泥水と、時々貝殻などが出てくるそうです

「環境教育防災林の見学会」はこうして午前中が終わりました。
柴田町は仙台市から南に位置しますが、次の見学地は北にある富谷町です。
次回は「富谷町 西成田コミュニティセンター」の様子を報告します。


この続きは・・・
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2014年10月29日 水曜日
森が教えてくれるもの~「環境教育防災林」(利府町、富谷町)
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/10/blog-post_92.html
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校庭側からの森の眺め。
こんな裏山があってうらやましい(オヤジギャグ!?)

☆ お問い合わせ・詳細はホームページを参照ください。

◆ 柴田町立柴田小学校
http://shibata-es.shibata-town.ed.jp/

◆ 宮城県森林インストラクター協会
http://mifi.main.jp/

(取材日 平成26年9月26日)