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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年8月21日木曜日

2014年8月21日木曜日11:36
こんにちはエムです。

50〜60センチに伸びたケナフ

東日本大震災で甚大な被害があった名取市閖上で、昨年「閖上ケナフの会」が結成されました。
津波の被害があった畑にケナフを植え、畑の再生と地元閖上のコミュニティの再生という2つの希望を持って結成された「閖上ケナフの会」では、昨年に引き続き今年もケナフを育てています。

今までの記事
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平成25年9月20日 金曜日
大きく育て心の復興。「閖上ケナフプロジェクト」(名取市閖上)
http://kokoropress.blogspot.jp/2013/09/blog-post_5081.html

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平成25年10月29日 火曜日
閖上に真の復興を〜閖上ケナフの会〜(名取市閖上)
http://kokoropress.blogspot.jp/2013/10/blog-post_29.html

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今年は閖上生まれの種を植えたので、「閖上生まれ、閖上育ち」のケナフです。 

種は6月5日と11日2回に分けて蒔かれました。
芽が出たばかりのケナフ(平成26年6月19日)

この会の中心になってケナフを育てているのは、長年閖上で農業を営んできた橋浦祺卓(はしうら よしたか)さんと、橋浦司さんのご兄弟。
ケナフを育てるのは初めてという橋浦さんですが、昨年は見事なケナフを育て上げました。

そして群馬高専や足利工業大などの協力の元に製作された炭窯で、試行錯誤の末に出来上がった「ケナフの炭」は製品化もされました。また、ケナフの皮から取った繊維では有志による「紙すき」も行われ、ケナフの紙も近い将来、手にすることができるかもしれません。

震災で被災しても、研究心と挑戦する心を無くさず持ち続けている橋浦さん。
ケナフという新しい作物に希望を見出し、少しでも閖上の人たちが元気になるようにと願って作っているのです。

こちらは5月初旬に実験的に蒔いたケナフ。
「うまく育ったので移植しようと思っている苗です」(平成26年6月19日)

こちらも実験的に蒔いた大豆。左奥に大根が成長中(平成26年6月19日)

橋浦さんは、ケナフにどれだけの肥培効果があるのかを調べるため、昨年ケナフを植えた場所に他の作物を実験的に作っていました。
ケナフを植えるために、今年から再開した畑もあり、ケナフの作付け面積は昨年より広いとのことでした。

1カ月もたつとこんなに大きくなるんですね。
手前には大きく育った大豆。奥に見える苗がケナフです

作物を育てるのは天候に大きく左右されます。種を蒔こうと思った時に雨が降り続いたり、やっと蒔いた後にカラカラ天気が続くこともあります。今年もケナフはさまざまな困難に会いながらも、橋浦さんを中心とする皆さんの丹精込めたお世話で、順調に育っていました。

しかし、ケナフの畑も含めこの地域は「閖上地区復興土地区画整備事業」のかさ上げする区域に含まれています。そのため、ここでケナフが作れるのも今年いっぱいなのです。


今年7月まであった作業小屋
(撮影:平成25年9月8日)

作業小屋の入り口付近に設置されていた炭窯
(平成25年9月8日)
作業小屋は撤去を余儀なくされ無くなっていましたが、炭釜だけは
残っていました。今後移動するそうです

でも大丈夫です。来年からケナフを作るための畑は、橋浦さんにより確保されているとのことです。
橋浦さん自身も、かさ上げ工事が始まると閖上を離れることになるそうですが「それまではやれることをやる」。その姿勢は変わりませんでした。


「使えるうちは使おうと思って手入れをしてきました」
閖上小学校の教室を借りてケナフの材料を保管しています

橋浦さんはまた、自宅のそばにある閖上小学校の手入れもし続けてきました。
閖上小学校は津波被害が最小限にとどまり、校舎はまだ使える状態で残っていますが、やはり心情的にこの校舎を使うのには抵抗があり、新しい校舎が建設予定になっています。

しかし町内会、サッカーや野球教室の子どもたち、グランドゴルフで校庭を利用している方や閖上に足を運んでくれるボランティアなどと協力しながら、橋浦さんはここでも中心となり、校舎や校庭を使えるまでに整備しました。

「ケナフの炭」になる皮をむいた芯の部位

ケナフの皮。繊維は紙や他の材料に使えます。
どんなものに生まれ変わるか楽しみです

現在製品化された「ケナフの炭」は、無くなったら補充するという体制で作られ、橋浦さんの奥様をはじめとする、町内の「婦人会」有志の手で包装され、販売されています。

まだまだ認知度は低い「ケナフの炭」ですが、消臭作用や、水の浄化作用お米や焼酎などのお酒をおいしくするなど、たくさんの効能があります。
さらに、炭を作る行程で採取できる「木酢液」を害虫防除に使ってみたいという話もあるようです。
また、この閖上のケナフは無農薬で育てられています。天然素材の安心なケナフは、これから注目を集める貴重なものになるかもしれません。

「本当はインターネットを使って通信販売とかやってみたいけど、なかなか自分1人では難しい……」
空き教室を借りて保管してあるケナフを見ながら、橋浦さんがつぶやきました。

製品化された貴重なケナフの炭、「閖上育ち希望のケナフ」
短いタイプ500円・長いタイプ1000円

「閖上に真の復興を」。橋浦さんはその言葉通りの思いを持って活動をしています。
「『真の復興』とは『心の復興』です。『心の復興』とは住民が『自立』すること。私はこのケナフの活動は『復興自立支援』だと思ってやっています」と橋浦さんは言います。

「閖上生まれ閖上育ちのケナフ」が「心の復興」につながる1つになってほしい。
そんな気持ちの詰まった「ケナフの炭」です。
閖上に行った時は是非、手に取ってみてください。

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東北復興支援販売所
ケナフの炭は下記にて販売しています

東北復興支援販売所 名取市閖上5丁目2ー4
増田調剤薬局 名取市増田2丁目6ー15
閖上朝市メープル館 名取市閖上5丁目23




(取材日 平成26年6月19日、7月26日)