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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年8月9日土曜日

2014年8月9日土曜日23:49

kaiiです。霧に煙る海はどこか悲しげだと感じます。

地福寺から望む岩井崎
霧に煙っています
(撮影日 平成26年7月7日)

その表情は私たちに何か大切なものを語りかけているように見えたりもします。

岩井崎入り口付近

気仙沼市階上(はしかみ)地区は、潮吹き岩で有名な景勝地「岩井崎」や海水浴場「お伊勢浜」など観光地としてにぎわいがありました。漁業が盛んな地域で海の近くには多くの民宿が軒を並べ、獲れたたての魚介類の料理と海の美しさが観光客に人気でした。

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東日本大震災の巨大津波は、階上地区の指定避難所の一つ「杉の下避難所」に避難していた人をのみ込み、多くの犠牲者を出しました。

階上地区にある臨済宗のお寺地福寺は海から500mほど離れた小高い場所に建っています。

地福寺には「あなたを忘れない」という石碑が建立されています

明治29年の三陸大津波の時には、地福寺は避難所として日本赤十字社の救護所になりました。
この地域の人たちは「何かあったらお寺へ(避難)」と言い伝えてきました。
しかし、東日本大震災の大津波はお寺にも大きな被害を与えました。



東日本大震災当時の地福寺の様子
(資料提供:地福寺片山秀光住職)


境内には「いのりの広場」があり、震災で犠牲者になった方々の冥福を海に向かって祈る場所になっています。

「いのりの広場」には地蔵菩薩像が建立されています。
多くの人が震災犠牲者への祈りを捧げに来ます
(撮影日 平成26年7月7日)
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地福寺の片山秀光住職は、震災直後から地域の人たちの心のよりどころになってきました。

「あの日 あの時を忘れないで下さい」と説く
臨済宗地福寺住職 片山秀光さん

未来へ震災の記憶を残す活動にも積極的に取り組んでいます。

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片山住職にこの「震災」の教訓について伺いました。

住職は震災について、「大切なのは『忘れない』ことです」と 話されました。


東日本大震災で大きな被害を受けた地福寺。
本堂の2.5mの場所まで津波は押し寄せました
記録写真:地福寺 片山住職提供
片山住職の話す「忘れない」の言葉には深い意味が込められています。

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「忘れない」

・東日本大震災が起こったことを「忘れない」
・大津波が町を襲い大切な命を失くされた人がいることを「忘れない」
・震災前の自分の町を「忘れない」
・震災後「いたわりあい」「かばいあった心」を「忘れない」
・心のこもったご支援をいただいたことを「忘れない」
・今も私たちの心に寄り添っていてくださる人がいることを「忘れない」
・私たちは「ひとり」でないことを「忘れない」
・「感謝の心」を「忘れない」
・避難先での不自由な生活を「忘れない」
・人を思いやるこころを「忘れない」
・海は私たちと共にいつもあることを「忘れない」


お寺の近くには宮城県向洋高等学校がありましたが
津波で校舎は全壊しました
「忘れない」
忘れていけないことはたくさんのおかげさまのおかげで「生きている」ということ。

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東日本大震災で私たちは大切なものをたくさん失いました。
しかし私たちはそれ以上にたくさんの物をいただきました。

私たちは、避難生活の中で自分たちが便利さを追求してきたことに気がつき、立ち止まりました。
経済に追われてきたことに気がつきました。
自然を大切に暮らすことの大切さにも気がつきました。
何より誰かを思いやり、なごやかに暮らすことのすばらしさを感じたはずです。
その全てのことを「忘れない」ということです。
「人の道はこころにあり こころは人の道にあり」です。

「私たちには人を思いやる心が備わっています。
分かち合うことを喜びに変える心が備わっています。
こころは行いに現れます」
片山住職は、そう話されました。
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住職が伝える「忘れない」という言葉には、多くの思いが込められています。

「忘れない」。

「鎮魂の森」は地福寺の正面にあります

鎮魂の森に植樹された木々

住職たちが中心となり震災の記憶を語り継ぐ活動として続けている「鎮魂の森」への植樹は、地域の人や全国からの協力によって続けられています。
植樹の活動も未来に「東日本大震災の記憶」と「命を守ること」を伝える活動です。

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私たちは日々さまざまな体験をしてさまざまな思考の中で生きています。
片山住職の「忘れない」という言葉はいつも辛い記憶を忘れずにいようということではありません。片山住職の「忘れない」の言葉には「生きるため」に必要な学びがたくさん込められていました。


(取材日 平成26年7月7日)