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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年7月13日日曜日

2014年7月13日日曜日11:54
kaiiです。

気仙沼市大島は「太平洋の緑の真珠」と呼ばれる人口3000人ほどの離島です。自然豊かな大島までは気仙沼観光桟橋から定期船で片道約25分です。


今回は大島で活動する学生団体「ACTION  students' project for 3.11」をご紹介します。

「ACTION  students' project for 3.11」は、平成23年5月、関西地区の学生を中心に被災地の支援をしようと、学生9人が中心となり立ち上がりました。
関西から何かできることはないかと考えるなかで、報道される情報は限られたごく一部でしかなく、全体像がみえない。「どの場所で何が必要とされているのか」を知りたいと思い、大阪大学の9人の学生が宮城県から岩手県までの沿岸被災地をできる限り自分たちの目で見て、支援できる場所を決めることにしました。

気仙沼に入った時、離島大島が孤立していたことを知り、一度見て考えようと大島へ入りました。
その時の大島はまだ、手が十分届いていない状態でした。
被災された島民の方からさまざまな話を聞くうちにここで支援活動をさせてもらいたいという強い思いが生まれました。そのため一度大阪に戻り、学生100人を集めてボランティアバスで気仙沼に入り、大島で活動を開始しました。
そのメンバーの一人が神田大樹(ひろき)さんです。

大島で子どもたちの支援活動をする
神田大樹さん


学生ボランティアたちは、泥カキや浜の清掃などを入れ替わりながら1年ほど続けました。
活動を続けている間に親しくなった大島の大人たちから「子どもたちの表情がくもるときがあるんです」と心配そうに話されたことがきっかけで、子どもたちの支援活動を始めました。
子どもたちに年齢の近い自分たちにしかできないことがあると考えて、まず「遊ぶ」ことから活動を始めました。

ACTION  students' project for 3.11の大島での活動報告
(平成26年3月神戸市で撮影)

神田さんたち学生に少しずつ打ち解けた子どもたちの中から、震災後の話が聞かれるようになりました。子どもたちにおもいっきり楽しんでもらえる企画を考え、学生ボランティアたちが力を合わせて、震災の翌年、平成24年3月に「運動会」を企画しました。
運動会では、震災後、元気がなかった子どもたちが走りまわることで元気な笑顔を見せました。

子どもたちと大きな絵を描く企画をした時、絵を描いた布の端に「ありがとう」と小さく書いてあったのを見つけ、神田さんたちは自分達が取り組んでいることに実感を得ました。

神田さんたち学生団体のメンバーは運動会の後、「大島の子どもたちと触れ合う中で、自分たち年齢の近い者が子どもたちと『遊ぶ』だけではなく、将来、島の子どもたちが島を今以上に好きになって島の力になってほしい」と考え始めました。


ACTION  students' project for 3.11と大島の子どもたちが創刊した
「しまだより」
(平成26年3月 神戸市で撮影)

自分たちが大島で活動をしていても知らないことがたくさんある。
「もっとたくさんの大島の魅力と大島の魅力ある人のことを伝えたい」と神田さんたちは考えて、大島の子どもたちといっしょに「しまだより」を創刊しました。

「しまだより」は、大島の子どもたちが中心となり自分たちのふるさと「大島」を伝える新聞です。
内容を考え、記事を書き、写真を撮り、インタビューをするのもされるのも大島の子どもと大人たちです。
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「しまだより」の編集は、毎月1度週末に集まり、ワークショップを開きます。
自分たちが知らなかった大島のことや顔は知っているけれどよく知らなかった近所の人の話などを知ることを子どもたちは楽しめるようになりました。
「大島の魅力を探し続けていきたい」と子どもたちが言うようになりました。

ACTION  students' project for 3.11で神田さんたちと活動する西口諒さん
(平成26年3月神戸市で撮影)

「しまだより」のワークショップを重ねる間に、震災後、大人に遠慮して気持ちを言えなかった子どもたちが少しずつ気持ちを話せるようになりました。
大島の子どもたちの活動を大島の地図の落とし込み、大島の子どもたちオススメのポイントがわかるマップを作っていきたいと神田さんたちは考えています。

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神田さん自身も、大島での活動の経験から教育に興味をもち、今、教師を目指しています。

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神田さんは大島での活動について「大島の活動は交通費の負担も大きいですが、自然の美しさと食べ物のおいしさ人の温かさが魅力です。今は教育実習中です。できるだけ気仙沼や南三陸で子どもたちの教育に関わる仕事がしたいです」と話していました。

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中にいると見えない「魅力」が外の人には「魅力」に感じられる。日ごろ「当たりまえ」と感じていることが「当たり前でない」ことを震災後、私たちは強く知らされました。
「しまだより」は私たちのそうした感覚を若い世代と子どもたちが新聞として私たちに伝えるものだと感じました。

(取材日 平成26年6月14日)