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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年5月17日土曜日

2014年5月17日土曜日23:30
石野葉穂香です。

「雄勝花物語」のPart2です。

(Part1はこちらです → http://kokoropress.blogspot.jp/2014/04/part1.html

2013年10月13日、雄勝町味噌作地区にある「雄勝花物語 ローズガーデンファクトリー」で、コンサートを中心としたミニイベントが開催されました。

よく晴れ渡った秋の一日でした


「ローズガーデンファクトリー」は、雄勝町に在住の徳水利枝さんが、津波に流されてしまったお母様のご自宅の跡地で花を育て始めたことからスタートした「雄勝花物語実行委員会」の活動の中心となる場所。

まだまだ土色が支配する雄勝の町に、希望の灯を点す「花園」です。
この花園ができあがった経緯についてはPart1をぜひお読みください。


季節は巡り、4度目の春。今年も花は、ただそこに、でも懸命に咲いています




さて、200人近くの方が集ったこの日、北海道や関東、関西から駆けつけてきた方も少なくありませんでした。
お茶会やミニコンサートも開催。中学生のロックバンドや、人気男性デュオ「イケメンズ」のミニライブも行われました。

昼食には「とんかつ和幸」さんが、おいしいカツサンド400個を無料で提供。
よく晴れ渡った秋空の下、花の光に囲まれた会場には、笑顔もたくさん咲きました。


イケメンズのお二人のミニライブ


「とんかつ和幸」の皆さん。おいしいひれかつサンド、ごちそうさまでした!

「雄勝花物語」は、ガーデニング誌「BISES」、「コメリ緑基金」、「セブンイレブン記念財団緑化植花助成」、「全日本社会貢献機構ajosc.org/」・・・といった、「雄勝花物語実行委員会」の活動に賛同・参加・支援される多くの個人、団体の皆さんの協力で、事業が行われています。

この日は、多くの関係者の方が、全国から大集合。

また、2011年夏から雄勝の支援を続けてくださっている千葉大学園芸学部の秋田典子先生と学部の学生の皆さんも、千葉からやってこられました。

記者は、千葉大学の皆さんの活動を伺いました。

雄勝での活動を継続している千葉大学の皆さん

東日本大震災から4か月後の7月から、千葉大学園芸学部の秋田先生と学生さんたちは、雄勝森林公園仮設住宅でコミュニティを再生するためのコミュニティガーデンづくりに取り組んでいました。

現地に何度か足を運ぶうちに、仮設住宅にお住まいの方から、仮設住宅だけでなく、自分たちの町があった場所でも花を咲かせたいという言葉を聞きました。

その言葉を受けて、ガーデンをつくるのに一番良い場所を探していたところ、偶然敷地で利枝さんに出会います。
利枝さんもこの場所に花を咲かせたいと考えていました。


花咲くところに笑顔あり、です

「被災地には心の傷が癒えないままの人たちがたくさんいらっしゃいました。お部屋に籠もりがちになっていた方も。でも、花を育てることが共通の話題になり、管理することでコミュニケーションが生まれたら、共有の場ができる。もちろん花の色にも癒されてほしいです」。

復興の方針がなかなか決まらない浸水エリアは、ほとんど見捨てられた状況にありました。

「こうした場所を花でいっぱいにしてみんなで見守ることで、雄勝全体の元気に繋がるのでは・・・」

秋田先生と千葉大学園芸学部の学生さんたちは、園芸学部の専門性を活かした被災地の支援として、利枝さんや雄勝花物語の鎌田さんと力を合わせて、花壇づくりを開始したのです。


花々が散らす明るい光の中で、多くの方がコンサートを楽しみました


翌年の2012年3月には、花と緑の力によって被災地の復興支援に貢献し、被災地域とそこに暮らす人々が「花と緑のある生活を取り戻すことができるように」との活動を行っている「3.11花と緑の力で3.11プロジェクト みやぎ委員会」も支援に参加。

「〝このままじゃ風景が死んでしまう〟。はじめて雄勝に来たとき、そう思いました」と語るのは「みやぎ委員会」の委員長・鎌田秀夫さん。
2012年3月から、海水を被った大地にダンプカー150台分もの土を入れ、ならして花畑の造成がはじまりました。

説明を追加応援メッセージが記されているのは、もちろん雄勝産のスレートです


さらに2013年3月、ガーデンには赤煉瓦の建物が2つ、建てられることになったのですが、その建設工事を毎日、お仕事への道を行き来しながら見ている方がいました。
スレート職人の佐々木信幸さんです。

「スレート」とは、震災前、全国シェア97%を誇っていた「雄勝硯」の原材料である玄昌石から加工される屋根材のこと。雄勝産のスレートは、2012年、建設当時の姿に復元されたJR東京駅の屋根材として使われたことでも知られています。
そして佐々木さんは、実際、その東京駅での工事に携わった職人なのでした。

「毎日、朝と夕方、ここを通りがかっていて、屋根はどうするんだろうと気になっていました(笑)」
 そして3月の末、どちらからともなく声を掛けあい、5月中旬から、屋根葺き工事が始まって、約1カ月後、赤煉瓦にスレート葺きという、まるで〝ミニ東京駅〟のような建物が完成しました。

  
スレート職人の佐々木信平さん。
後ろは佐々木さんが葺いたスレートが載った「マヨイガハウス」


「スレートは、色あせないし風化もしません。100年は持ちます。雄勝の歴史と記憶が乗っかった屋根です」

建物は「マヨイガ――幸せハウス」と名付けられました。
『遠野物語』に登場する〝訪れた人に幸せをもたらす〟という幻の家のことです。

中央のお二人が徳水博志さん、利枝さんご夫妻。
その両隣に「イケメンズ」のお二人、
そして町内外、全国からやってきてくださった皆さんです




「花は無心に咲いています。それが人の心を励ますのです。そこに色がある。命がある。将来もまだ分からない被災地ですが、花のチカラが多くの人に希望を与えてくれると信じています」(秋田先生)

スレートに書かれた文字は・・・

「色が無くなった被災地をみて、なんて寂しい空間だろうって思いました。でも色が一つあるだけでも違う」(千葉大学園芸学部3年/廣部亘亮さん)

「被災地からの情報は少なくなりましたけれど、人の思いが忘れられていくのは嫌です。継続し、伝えていくことが大切だと思っています」(同/杉本将海さん)


千葉大学園芸学部の皆さん。前列左から二人目が秋田先生です。
花の明るさも、もちろんそうですが、たくさんの応援の方々の笑顔はやっぱり
うれしくて力強くて、とても励まされます

たくさんの人たちの手、そしてやさしい思いと、笑顔に支え、守られながら、花は咲きます。
今年も。そしてこれからも、ずっと――。

もうすぐ初夏。
花色あふれる雄勝へ、海辺へ。ぜひお出かけください。

(取材日 平成25年10月13日)