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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年5月9日金曜日

2014年5月9日金曜日20:00
石野葉穂香です。

日本有数の港町・塩釜には、3つの「日本一」があります。
「生マグロの水揚げ量」「練りもの工場の数」そして「人口比に対する寿司店の数」です。
「マグロ」と「練り物」については、ときどき順位に変動があるみたいですが、いずれも日本でトップクラスであることは間違いなし。

奥州一宮、そして商売と交易の神様である”鹽竈神社”に見守られ、街は水産都市として繁栄してきました。

漁港のそばに「市民の台所」と呼ばれる、大きな市場があります。
約5000㎡の大きな屋体に、4団体141店舗が入居する「協同組合連合会塩釜水産物仲卸市場」、通称「仲卸市場」です。


塩釜仲卸市場。規模的にも全国有数の大きさを誇ります


開設は昭和41年。
この施設の特徴は、魚店、寿司店、割烹といったプロの業者はもちろん、観光客や一般消費者まで、誰もが卸売価格で鮮魚や加工品を購入することができること。
「仲卸市場」としては全国的にも珍しい施設です。

親潮(寒流)と黒潮(暖流)が出合い、「世界四大漁場」のひとつと呼ばれている三陸沖。
宮城県の目の前の海は、多種多様な魚族が集まる「宝の海」なのです。

マグロ解体中。マグロが各店に並ぶのは7時過ぎごろです



でも、2011年3月11日、東日本大震災の津波は、港町を直撃しました。
遊覧船乗り場「マリンゲート塩釜」付近や本塩釜駅周辺、北浜地区などは、打ち上げられた船や、流されてきた自動車やガレキに埋まってしまいます。

幸い、「仲卸市場」は津波が襲来した時刻にはもう営業を終了していました。
入口の頑丈な鉄扉は、押し寄せてきたガレキ類をブロックし、場内はわずかな浸水被害で済みました。
しかし、漁港と魚市場はダメージを受け、水揚げはストップすることに――。
市内のインフラも傷つき、停電、特に断水が長引いたため、市場の再開は遅れてしまいます。

鮮魚も加工品も・・・。まるで三陸の海産物の博覧会のようです


場内の加工食品組合だけは、震災から3日後、市場前にテントを張って販売を再開しました。そして「仲卸市場に行けばきっと何かあるはず」と市民も大勢やってきました。
商品は2日~3日でなくなります。
その後も市場内の各お店には、お客さんから「いつ再開するの?」という電話がたくさんかかって来ました。
市場内には、全国からの注文を受け付けていた鮮魚店も少なくありません。


「全国から〝早く再開してけろ〟って電話がきたサー。
再開できたときはうれしかったなー。」
(三浦商店の三浦三喜男さん)

早く再開し、全国に三陸の鮮魚を届けたい、元気な塩釜の姿を見せてあげたい。
仲卸市場の復活は、港町・塩釜の復興のシンボルにもなるはず――。
水産業者は心をひとつに、「さかなのまち」の復活に力を合わせていきます。

震災から11日目の3月22日、タンクローリーで20トンの水を運び、仲卸市場は仮オープン。
地下貯水槽は地盤沈下で壊れていたため、こちらも大急ぎで復旧工事が開始されました。

そしてGW直前の4月下旬、ついに仲卸市場は本格再オープンしました。

「全国の商工会や観光業者の皆さんからは
折り鶴などで励ましていただきました。
ボランティアの方も、朝食をここで食べてくださったり・・・。
多くの人の応援があってこその市場です」
(大江玲司さん)
「場内141店舗のうち、約3分の1はマグロを扱っています。再開後は全国から注文が殺到したと聞いています。応援の気持ちも含め、買っていただけるのは本当にうれしかったですね」と、仲卸市場の広報宣伝普及活動メンバーの大江玲司さん。
「鹽竈神社は商売と交易の神様です。街がいち早く元気になってくれるようにと見守ってくれているのかなって思いました」

漁港の復旧も比較的早く、震災から2カ月後の5月17日には水揚げがありました。
塩釜漁港は、県内の他の漁港よりは、それでも被害は小さかったのです。

市内のお寿司屋さんをはじめ、仙台や近郊の料理店さん、魚屋さんたちも市場に戻ってきました。
そして全国からの観光客の皆さんもバスで市場へ横付けし、大きな市場内をさまよい歩くようにして買い物を楽しんでいます。


「市場が再開したときは『あっ またお店が開ける』って安心しましたねー。
やっぱり市場の再開が塩釜の元気だもんね」
(丸健渡辺水産の青野美香さん)
「仲卸市場の元気こそが塩釜の元気だサぁ」
市場の皆さんも、そして市民の皆さんも、誰もがそう口を揃えます。

「仲卸市場」は。今日も早朝3時開場。
「いらっしゃーい」「いいのが入ったよー」「初物だよぉ」
早朝から、元気な声が場内にあふれています。

どれもこれも新鮮。
交渉次第でちょっとオマケしてくれるお店も



 6時前後は、プロの目利きが多く、落ち着いて買い物をしたい一般の人は、8時ごろがおすすめだそうです。
誰もが分け隔てなく、獲れたてピチピチの鮮魚を安く買うことができる「仲卸市場」へ、ぜひ一度、お出掛けください。

今日も仲卸市場は元気です!

(取材日 平成26年2月8日)