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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年5月1日木曜日

2014年5月1日木曜日23:30
こんにちはエムです。


今回は亘理町にある仮設住宅の1つ、「公共ゾーン仮設住宅」を取材しました。

東日本大震災から3年が経過し、修理が済んだ自宅に戻ったり、民営のアパートや新しく建てた家に移り住むなどして、「仮設住宅」や「みなし仮設住宅」などに住んでいた人は少しづつ移転し減少しています。
各市町村でも「復興アパート」や「復興住宅」の建設に力を注いでいます。
一見、復興は進んでいるように見え、良い事として捉えていましたが、現状はどうなのでしょうか。

亘理の仮設住宅で自主自治組織を立ち上げ、住民同志のコミュニケーション作りを真剣に考え、イベントなどの催しを実践してきた「ふれあいの会」を代表して、運営委員長の木村一行さん、副運営委員長の大條(おおえだ)文子さんにお話しをお聞きしました。


「公共ゾーン仮設住宅」は平成23年6月の入居時点で約550世帯ありましたが、この4月現在では約410世帯、約1,200人が暮らしています。
世帯数は減ったとはいえ、宮城県内では2番目に大きな仮設住宅地です。

ここには亘理町の荒浜地区、吉田浜地区、長瀞(ながとろ)浜地区、他に女川地区、福島県の相馬市などさまざまな地域の方々が集まっています。

長年住み慣れた地域を離れることを余儀なくされ、心細い思いをしている方は多いと思います。
それでも、近所に同じ地域の馴染みのある人が集まっていたら心強いと思いますが、多くの仮設住宅で同じような問題点が指摘されているように、亘理町の仮設住宅でも、それが実践されていませんでした。

隣は知らない人ばかり。
仕事が無い。
ここにいつまで住めるのかも分からないという不安。
ただただ流れる時間。
そんな環境はどれだけ人の心を追いつめるでしょうか。

木村さんは、住民同士のコミュニケーションの充実と生活環境の改善が大事だと考え、自主自治組織「ふれあいの会」を平成23年8月にいち早く立ち上げました。

そして同年10月には、早くも住民の手づくりによる「秋祭り」を行ったそうです。
続く平成24年は「新年・花火大会」、震災1年目の「慰霊祭」、平成24・25年の夏には「盆踊り」など、他にもたくさんのイベントを企画し、取り組んできました。

大條文子さんと木村一行さん
「木村さんの発想力は目からウロコ。いつも思いがけないのよね」

平成25年の盆踊りは河北新報社主催の企画「やりましょう盆踊り」の協力を得て行われ、ココロプレスでも紹介しています。
(平成25年8月20日付「やりましょう盆踊り」 in 「亘理町公共ゾーン仮設住宅」)
http://kokoropress.blogspot.jp/2013/08/in.html

誰かに協力していただきたい。
プロジェクトのようなものが必要です
しかし、立ち上げた当初30名はいた中心メンバーは移転などにより、現在10名ほどに減りました。
「機動力が無くなっている」と木村さんは憂いています。
さらに木村さんは、仮設住宅の抱える現状とこれからの状況を、問題点も含めて5つに分けて考えられると警鐘します。

1_町が建設している「復興アパート」「復興住宅」が完成すればたくさんの方がそこに移転するだろう。
おそらくここ(公共ゾーン仮設住宅)の住民の75%位がいなくなると思う。
それは、たとえ2、3年の間でも、培ってきたコミュニティーが崩壊すること。ここでの新たなコミュニティーづくりが必要になる。

2_移転先では、新しい場所で、まったく新たな人たちが集まるわけだが、そこでも今までのコミュニティーの崩壊と、新たなコミュニティー作りは誰がいつやるのかという問題が起きる。

3_また、新たにここに入って来る人もいるだろう。
現在「みなし仮設住宅」に住んでいる亘理町民は約500世帯の方がいる。
国からの補助金が無くなる平成27年3月以降、ここに何世帯かは移住して来るのではないかと考えている。
すると更にまた、新たなコミュニティーづくりが必要になる。

4_「復興アパート」「復興住宅」などの移転先では地区ごとに新しい地域ができる。
当然、住民のケアや、住むための環境づくりが必要なのだが、町(行政)からのビジョンはまだ示されていない
住宅や宅地を造るのは何度も説明会が開かれて周知されているが、その後の見学会や他の環境整備などの説明会などは行われていないのが現状。

5_経済的問題で、ここ(公共ゾーン仮設住宅)に残る人は少なからずいるだろう。
すると、人数が少なくなった仮設住宅地での見回り高齢者のケアなどは誰がやるのかという問題が起こる。

「公共ゾーン仮設住宅」にある3つの集会所は誰でも使えるようになっています
この日も有志の皆さんがストレッチをしていました。

「以上がこれから発生し、想定される課題だと考えています。
では、いったい誰がいつどのような方法でやるのか。それは早急に対策を取らなければならない問題なのです」
木村さんは淡々と話してくださいました。

「残念なことに『ふれあいの会』は助成金も無く、その都度みんなで知恵を出し合って何とかやってきました。
しかし私も含めてここを離れるメンバーが増え、会そのものの存続も難しくなっています」
と話す大條さんは、木村さんのアイディアを具体化させてきた心強いメンバーの1人です。

集会所に集まる方はだいたい同じメンバーだそうですが
他の皆さんはどうして過ごしておられるのでしょうか

さらに木村さんは言います。

「このような問題は専門家の知識と知恵が必要です。
さらに資金の問題もありますので、我々だけでは限界を越えているのです」

「このような危機的状況を打開するため、一緒に考え、サポートしてくれる専門家、もしくは企業などの力で助けていただきたいのです」

「ふれあいの会」事務局のある第3集会所

木村さんには移転先がありながら、半々の割合でここに住んでいるそうです。そして大條さんはすでに仮設住宅を離れ、地元に帰っていますが、お2人とも「ふれあいの会」の活動は続けています。

「『ふれあいの会』は少なくとももう1年は続け、私個人として、住民の皆さんの移転先で、たとえ “出前のコミュニケーション作り” であっても出掛けていきたいと考えています。
おせっかいと思われるかもしれないけどがんばります。それに、やってみる価値はあると思うのです」

これは大條さんも同様の考えだと大きくうなずきました。

人がいないのでたくさんの役を任されてしまうという木村さん。お忙しい日常を送っているそうですが、本当にすごい人というのは、そう感じさせないものなのだと思いました。

現在各地の仮設住宅では「公共ゾーン仮設住宅」と同じような問題を抱えている所はあります。

一方、元々同じ地域に住んでいた方々が同じ仮設住宅に入ることができ、新しい移転先も同じという手厚い対策の所もあり、各市町村によりさまざまです。

また別な問題として、仮設住宅に住んでる方の7~8割は60歳以上であり、新しい環境になじめず、ずっと引きこもっている人も多いと聞きます。

自主自治組織「ふれあいの会」代表の木村さんのように、「コミュニティーづくり」が、人が人として生きるためにどんなに大切か本気で考え、対策に頭を悩ます方がいるのは心強いことです。
ですが今、協力して一緒に考えてくれるサポートが緊急に必要です

力になってくださる方は「ふれあいの会」までご連絡ください。
どうかご支援、よろしくお願いいたします。


「近い未来のふるさと、遠い未来のふるさとづくりに向かって
前へ前へ進もう! 元気であればいつかは希望は開く!」
木村さん

「吉田野地地区に、高齢者サロンを作りたい♡」大條さん


「ふれあいの会」
事務局:〒989-2531 亘理郡亘理町字悠里1 公共ゾーン仮設住宅 第3集会所
    電話:090-9425-4551(木村 一行さん携帯)
    odf-1175-3@ezweb.ne.jp

(取材日 平成26年4月9日)