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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年3月8日土曜日

2014年3月8日土曜日23:51
YUUです。

ココロプレス1月29日の記事で紹介した株式会社たかぎ呉服店は、東日本大震災により、長年営業を続けてきた亘理町荒浜築港(ちっこう)通りの店舗を失いました。

2014年1月29日水曜日
震災後三度の移転を乗り越えて~たかぎ呉服店(亘理町)
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/01/blog-post_8937.html

代表取締役の高城勝晃さんは、避難所生活を約1カ月続けた後、亘理町内の仮店舗、岩沼市のマンションでの移動販売と、営業拠点を移しながら、祖父の代から続く衣料品販売の営業継続を模索してきました。
そうした中、大きな転機、事業再生のきっかけとなったのが、亘理ふるさと復興商店街の仮設店舗への入居です。

「たかぎ呉服店」の看板は高城さん自身の手作りだそうです

亘理ふるさと商店街にある「たかぎ呉服店」の仮設店舗
震災後、高城さんはこの仮設店舗に入居するまでに
2度販売拠点を移しています

亘理ふるさと復興商店街は、独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下・中小機構)の仮設整備事業の一環として建設が進められたものです。

入居者は施設のある各市町村と賃借契約を締結しますが、賃料は原則無料です。

仮設施設へ入居することによって、高城さんのように被災した事業者は、当面の事業の立て直しや、今後の展望を図ることが可能となります。






「将来の道筋を考えていくうえでも非常にありがたいお話でした」

高城さんは、亘理ふるさと商店街の仮設店舗への入居について、このように話しています。

中小機構が被災3県(岩手、宮城。福島)の各自治体と連携して行ってきたこうした仮設整備事業は、東日本大震災に関する復興支援策の大きな柱の1つです。

ココロプレス2013年7月22日、30日に紹介した佐々木酒造店の仮設店舗が入居する名取市美田園の「閖上さいかい市場」、仮設工場のある名取市余田の「名取復興工業団地」なども、同じく仮設整備事業の一環として建設されたものです。

2013年7月22日月曜日
揺るがぬ酒造りへの思い 佐々木酒造店・前編(名取市閖上)
http://kokoropress.blogspot.jp/2013/07/blog-post_1160.html

「名取復興工業団地」内にある佐々木酒造店の仮設工場


「閖上さいかい市場」内にある佐々木酒造店の店内


震災後に宮城県内の各市町村から中小機構に要望が提出され、事業計画が進められた仮設施設は、現在建設中の施設も含めると、
実に140カ所を数えます(平成26年2月17日現在)。


地域別にみると、やはり沿岸部の自治体ほど
仮設施設が建設された事例は多く、最大は気仙沼市で、さまざまな事業者が市内それぞれの仮設施設へ入居しています。





「中小機構では、被災地域の中小企業者や関係機関の1日も早い復興に向けて、被災地域の各市町村の要請に基づいて、仮設店舗、仮設工場等の施設を市町村と共同して整備してきました」

このように話してくれたのは、中小機構東北本部の佐藤正則復興支援センター統括部長です。

仮設整備事業は、冒頭紹介したように、被災事業者がそれぞれ入居する仮設商店街や仮設工場が一画に建ち並ぶ仮設工業団地のほか、既存施設が喪失してしまった各種団体が入居する仮設施設の建設なども含まれます。

ココロプレス2012年6月8日に紹介した「仮設閖上魚市場」は、宮城県漁業協同組合と名取市が中小機構に魚市場再建のための支援を要請し、平成24年5月11日に完成したものです。

2012年6月8日金曜日
復活、魚市場。(名取市閖上)
http://kokoropress.blogspot.jp/2012/06/blog-post_08.html

津波被害が甚大だった名取市閖上地区は、震災以前にあった建物はほとんど流されてしまいました。災害危険区域に指定された地域も広範囲に及び、現在も閖上は平野が一面に広がったままです。しかし、閖上名産のコダマガイ、アカガイの漁など、漁の一部は一部再開されていて、仮設の魚市場が建設されるまで、地元の漁業者の皆さんは、冬場の吹きさらしのなかで競りや作業を続けてきました。

閖上魚市場の再建は、漁業の町・閖上の復興の歩みには欠かせないものです。現在は、施設内に地元特産の赤貝を自動判別する機械なども新設され、漁業者の皆さんは、日々、施設内で作業や競りを行っています。

さまざまな専門家を派遣し、中小企業の復興をサポート
中小機構が取り組んできた東日本大震災に関する中小企業支援策は、仮設整備事業だけではありません。
支援策のもう一方の柱といえるのが、震災復興支援アドバイザー制度です。

この制度は、会社やまちの復興をサポートするため、東日本大震災で被災された中小企業へ経営に関するアドバイザーを派遣し支援を行うものです。

派遣されるアドバイザーは中小企業診断士、弁護士、公認会計士などの有資格者や、製造部門のエンジニア、営業管理経験者など、それぞれ高いスキルを持つ専門家たちです。

「中小企業が抱えるさまざま経営課題の解決に向けて、経営相談を受け付け、専門家を派遣する制度は、震災以前より中小機構の経営支援の取り組みの1つとして行ってきたものです。そうした実績を生かして、被災地域、事業者の復興にお役に立てるよう、震災復興支援アドバイザー制度
を震災直後より開始しました」

このアドバイザー制度は国(中小機構)が復興支援策の1つとして運営している制度のため、安心かつ無料(岩手・宮城・福島の被災3県は全域)で利用できます。通常、経営コンサルタントなどを活用する場合は、限られた時間の相談だけでも相当な対価が生じます。

各アドバイザーは、財務、マーケティング、技術革新など、個々の企業や店のレベルアップや再建計画に向けた相談、実務的なアドバイスから、まちづくりなど俯瞰的な視点での復興に向けた助言
を行うそうです。

「震災直後は、具体的な販路開拓や技術指導の相談というよりも、補助金の制度や申請についての問い合わせなどを数多くいただきました。無理からぬことで、震災の被害があまりに大きく広域だったため、建物などハード面の再建のめどが立たないと、経営に関する実務的なアドバイスを受ける段階ではないという立場の方が多数いらっしゃったのだと思います」

震災に関する補助金の制度は複数の種類があります。

被災したそれぞれ事業者にとって、どの制度が活用できるのか、どのような手順で申請すればよいのかなど、中小機構では、アドバイザー制度とともに各地の自治体、商工会、金融機関などと連携して、勉強会、説明会を開催してきたそうです。

中小機構東北では、アドバイザー派遣
だけではなく窓口での専門家による相談
(無料)も受け付けています

中小機構では、平成26年度も震災復興支援アドバイザー制度を継続して行っていくそうです。

「復興の道筋をきちんと進めていくためにも、今後はより具体的な個別支援を行っていきたいと考えています。被災企業、事業者の再建のためには、地元金融機関や商工会議所、商工会の取り組みや支援は欠かせません。中小機構ではそうした関係機関と連携していくとともに、幅広い分野でアドバイスを送れる人材を揃えた特徴を生かし、復興への歩みをサポートしていきます」

中小機構の従来の専門家派遣制度を生かした復興支援策として開始したこのアドバイザー制度は、これまでに6000回もの派遣を行ってきました。

気軽にご相談くださいとメッセージを残してくれた
中小機構東北の復興支援センター統括部長・佐藤正則さん(右)と、
同じく復興支援センター統括部副参事・三輪拓也さん(左)。
三輪さんは実際に被災事業者からのさまざまな相談を受け、地元の商工会議所、
商工会、金融機関などと連携して補助金制度の説明会などに携わってきました
独立行政法人、何か敷居が高そう。

中小機構ってどういう機関なの?

実際に取材で被災事業者のもとに訪れていると、そうした疑問やとまどいに遭遇する機会がありました。

しかし、アドバイザー制度による専門家派遣の申し込み、相談は、いつでも気軽に電話で問い合わせることができます。

専門的スキルを持った数多くのアドバイザーを有するのは、長年、中小企業支援に携わってきた中小機構ならでは。専門家個人の指名はできませんが、中小機構では、相談内容をを把握し、適切な専門家を選定します。

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今回の取材は、複数の仮設施設での取材を経験するうちに、こうした整備事業、復興支援を下支えする、縁の下の力持ち的存在ともいえる機関、組織の事業活動、取り組みの一端を紹介したいと思ったのがきっかけでした。

実際に、中小機構東北本部で佐藤復興支援センター統括部長から復興に対する思い、事業内容の話を伺う機会を得て、また機会があれば、他の復興支援への取り組み、被災事業者との関わりなども紹介していきたいと思いました。

独立行政法人 中小企業基盤整備機構 東北本部
www.smrj.go.jp/tohoku/

(取材日 平成26年2月4日)