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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年3月31日月曜日

2014年3月31日月曜日23:51
こんにちはエムです。

2月25日に紹介させていただきました「月刊杜の伝言板ゆるる」創刊200号記念イベント

 2014年2月25日火曜日
「月刊杜の伝言板ゆるる」200号突破(仙台市宮城野区)
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/02/200.html

「みやぎNPOプラザ」(宮城野区)で行われたこのイベントの目玉である
パネルトーク
「市民メディアとしてのこだわり」の模様を報告します。


〈市民メディアとしての在り方を探る〉企画として行われたパネルトークには、デジタル媒体、電波媒体、紙媒体を代表する3人のパネリストと、コーディネーターとして「月刊杜の伝言板ゆるる」の編集長・大久保朝江さんが参加し、約2時間にわたって熱いトークが繰り広げられました。

〈パネリスト紹介〉
佐藤 和文さん
河北新報社デジタル戦略委員会シニアアドバイザー。
河北新報社のニュースサイト「コルネット」、地域SNS「ふらっと」モバイルやスマホサービス開発と運営に携わっている。地域のメディアと市民が協業するネットワークづくりに力を入れてきた。
高橋 厚さん
山元町臨時災害FM放送局「りんごラジオ」局長。
東北放送でラジオ・テレビのアナウンサーとして報道にtいた。携わって退職後、平成14年より山元町へ転居。「りんごラジオ」以外にも各所で話し方教室や講演を行っている。


荒川 陽子さん
地域生活支援 オレンジねっと代表。
仙台市泉区南光台で、地域に密着した内容の地域福祉情報誌「ときめき通信」を隔月で発行している。
住民主体で支え合う地域づくりの実現に向けて活動している。

大久保 朝江さん
特定非営利活動法人 杜の伝言板ゆるる代表理事。
仙台市市民活動支援策検討委員会をはじめ、仙台市、宮城県のNPO・市民活動の委員会に関わってきた。




東日本大震災が発生した時、私たち市民は今まであたりまえに身近にあったラジオやテレビ、新聞や情報誌などの媒体についていろいろなことを感じ、あらためて考えてみた人は多いと思います。
まずは、情報を発信する側から見た、震災時の媒体の在り方についてと、今後について語られました。

佐藤
河北新報はマスメディア(大手新聞社やテレビ局など不特定多数の人に情報を発信する媒体の総称)です。
しかし震災の時は地域に根ざした新聞なのだなとあらためて思いました。
若い記者が震災直後から毎日泥だらけになって取材し、現在もずっと継続しているのを見ていて、市民メディアではありませんが、市民のためのメディアであると痛切に感じたのです。

同時に、市民の方々の思いや、NPO(非営利活動団体)などの市民活動の情報が求められていることも分かりましたが、それは大きな教訓でした。
震災前から既にあったNPOなどの市民メディアの情報は、洗練されてはいないが市民の思いが語られている、しかも専門色の強いものだと思います。

我々、地域に根ざしたマスメディアが、そのような市民メディアの皆さんと連携しながら、我々の持っている編集技術のスキルや問題の処理の仕方を提供するなど、それぞれの情報を提供し合い役割分担をすることで、全体としてメディアが豊かになるのではないかと考えています。

高橋
震災後5日間、どのテレビ、ラジオ、新聞からも山元町の被災状況はいっさい告げられませんでした。あの時は水や食料と同じ位、情報が大事でした。
これではいけないと思い、臨時災害局を立ち上げたのです。

「りんごラジオ」は100%山元町の情報であり、100%「りんごラジオ」が制作している番組ですが、臨時災害局は何のために・何を・どんなふうに伝えるか。そういった存在意味を考えて発信しなければならないと思ってやっています。

どんな場合にも継続するということに意味がありますが、震災後に生まれた多くの臨時災害局では現在、放送の中身は変わってきています。
「りんごラジオ」としても、当初は取り上げなかったお店の情報なども伝えるようにはなってきました。それは町を少しでも良くするような情報を発信していきたいからなのですが、ポリシーは守っていかないと、臨時災害局として意味がないと考えます。

今後、2年後までには最後の1人が仮設住宅を移れるということですので、そこまでは臨災局としての役割を果たしていきたいですね。そこまでやると「りんごラジオ」は80%役割を果たしたと言えると思います。
残りの20%は心のケアの問題で、そちらは相当大変で、時間もかかると思います。

熱いトークにたくさんの方が聞き入っていました
荒川
地震前から地域で助けを求めている高齢者や障がい者、障がいのある子どもを持つお母さん方を住民が主体となって手助けする生活支援活動を、25名ほどの仲間でやっていました。

平成18「オレンジねっと発足と同時に、地域情報を住民に発信しようと「ときめき通信」を発行しました。
平成22年には「ときめきカフェ」を作り、栄養バランスの良いランチの提供や、誰でもが自由にふれあえる場を設けました。このカフェがあることで、困っている人と助けたい人とが自然とつながることが増えました。
震災直後は、カフェに残っていたごはんでおにぎりを作って利用者のお宅を回り、安否確認をしました。翌日からは避難所に泊まり、介護が必要なお年寄りの方々の介助などをし、日中はお年寄りを我が家にお連れして休んで頂くなどの活動をしていました。

「ときめき通信」は町内会には回覧して読んでいただき、小・中学校や幼稚園には実家庭数を配布しています。子どもたちの手から親に手渡されるので、子育てに役立つ内容になればと試行錯誤を繰り返しています。
「この地域で生きている私たちがこの社会をどうしていきたいのか。どんな生き方をしたいのか」一人一人の考え方が社会環境を作っているからこそ、そうした声をポイントに発信していきたいと思っています。

大久保
地域の中での詳しい情報を持っていたのは、震災などの時に役に立つ重要なことで、地域密着型の情報誌の利点であると思います。

私たちの「月刊杜の伝言板ゆるる」は震災後に発行された号でも、被災地支援に特化した編集ではありませんでした。被災地支援の情報ももちろんあり、復興支援活動に取り組む「復興への道」のページでの団体紹介にもこだわっていましたが、地元でこれまでの活動をしっかりと継続しているNPO、どちらも大事だと考えていました。
そして、地元にしっかり根付いて活動をしている宮城県内のNPOや市民活動団体の紹介に徹しました。
これは市民目線で発行しているからこそできると思っています。



このパネルトーク前半では各媒体の取り組みや、どんなところにポイントを置いて活動しているかなどを知ることができました。

パネリストの皆さんは「情報を選択」し「伝える側」。では「伝えられる側」の私たち市民はどのように各媒体を捉え、考えていけばいいのか、最後にそのヒントになるようなディスカッションがなされました。

高橋
伝える側と伝えられる側、ラジオで言うと伝える側と聞く側には、いつの時代にもそれなりの溝があると思います。その溝や距離をいかに縮めるかを考えなければならない。
気をつけなければならないのは、伝えたから良いというわけどぇはなく、しっかりと伝えきらないと、伝える意味がないのではないかと感じます。

地域の住民の方々は情報を受信する歴史は長いが、発信する側には立ったことがなかった。山元町では震災になって初めて受信者であり、発信者になったわけですが、1人1人が発信者であるという意識をもっと持ってくれれば、「りんごラジオ」としてももっと伝えられたと思います。そして受け取る側としてももっと成長してもらいたい。

私たちの伝える情報は、「伝える努力」「知る努力」が一体となって初めて情報が情報として生きて伝わったことになるのです。

荒川
どう伝えたらその人に届くのか、その人が動くのか、そこまで考えて発信していかないと思っています。
特に地域力が衰弱している昨今、この情報誌を手にしたことで地域を理解し、地域作りに参加するなどの行動に結びつき、地域に愛着を持って暮らしてもらえるような情報誌を作っていけたらと思います。


佐藤
市民目線という言葉がありますが、勝手にバラバラに発信するのではなく、何かルールを作ることで多様に満ちたメディアになり、必要な人に必要な情報が届くようになることを目指しています。
そのためには自分たちのことは自分たちでという高橋さんのような理念、哲学、実務上のスキルがあることで市民メディアが成り立つのです。

各地域にいろいろなNPOができていますが、地域やテーマにきっちり入り込んだ専門性が高い団体があると思います。その1つ1つがメディアになる可能性があり、強力なメディアになることで、市民メディアにもっと厚みができてくると考えます。
ですのでNPOがマスメディアと連携するなどして、情報発信力を高めていくことが、1つの市民メディアとして豊かさを形作っていくと思うのです。

大久保
そうですね。NPOは地域を良く見ていますし、地域にぴったり入り込んでいます。
テーマをしっかり持っていること、NPOはそれが重要な点です。
そういったNPOの活動を、市民のみなさんに伝えることが「月刊杜の伝言板ゆるる」の役割と感じます。こうしたこだわりをつなげて200号となったのは自分でも褒めてあげたいことです。

今後もNPOの情報をいただきながら、市民との仲介役として(これからも)発行していきたいと思っています。


こうして約2時間にわたるパネルトークが終了しました。
私自身も、情報を伝える側として、身を引き締めて取り組まなければ……とあらためて考えさせられた、あっという間の2時間でした。
貴重な体験をさせていただきました。ありがとうございました。

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◆ 高橋和文さんは、非営利分野から新しいメディアを創造するという方針で、河北新報社の新しいオンラインシステムを導入、3月1日より始動させました。
河北新報オンラインコミュニティー https://kacco.kahoku.co.jp/

◆ 「りんごラジオ」は2年後の平成28年3月までの延長を目指しています。
詳しい情報や今後については、ココロプレスでも平成25年10月31日に紹介させていただいています。
URL 
りんごラジオ ブログ     http://ringo-radio.cocolog-nifty.com/
りんごラジオ フェイスブック facebook.com/pages/りんごラジオ/166532586841358

◆ 荒川さんの地域支援活動はオレンジねっとのホームページをご覧ください。
地域生活支援オレンジねっと http://chiiki-orangenet.org/

◆ 「月刊杜の伝言板ゆるる」お問い合わせ先
「特定非営利活動法人 杜の伝言板ゆるる」
宮城県仙台市宮城野区榴岡3-11-6  コーポラス島田B6
TEL 022-791-9323 FAX 022-791-9327
E-mail  npo@yururu.com
ホームページ http://www.yururu.com/
フェイスブック http://www.facebook.com/npomorinodengonbanyururu

(取材日 平成26年2月1日)