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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年3月1日土曜日

2014年3月1日土曜日23:42
平成26年3月21日から阪神甲子園球場で開かれる第86回選抜高校野球大会に、気仙沼市から学校法人畠山学園東陵高等学校の出場が決まりました。
東陵高校の甲子園出場は昭和63年以来、26年ぶり2回目です。



平成26年1月24日に毎日新聞社大阪本社で開かれた選考委員会では、選抜大会の2つの東北出場枠に、昨秋の東北大会で優勝した八戸学院光星と準優勝の東陵高校が選ばれました。
東陵高校は決勝戦で大敗をしたことから、選考委員会からの電話が入るまで出場できるかどうかわかりませんでした。
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東陵高校の校舎のある鹿折(ししおり)地区は津波と津波火災で大きな被害を受け、今も沿岸地域に住んでいた住民の多くが仮設住宅などでの生活を続けています。




高台にある東陵高校の校舎は
一時被災者の避難所になりました。

高台にあり校舎に大きな被害のなかった東陵高校は、震災当時、被災した人や地域の住民などが避難し、一時避難所として使われました。




地元に勇気を与えたいと話す伊藤匠哉選手

鹿折中学校出身の伊藤匠哉選手(2年)は鹿折の海岸近くにあった自宅が津波で全壊し、家族6人でみなし仮設住宅で暮らしています。
伊藤選手は、被災した「故郷・気仙沼」の人たちへの思いを
「生まれ育った場所の高校で甲子園に出場できることになりました。地元出身の自分が頑張って甲子園も地元も盛り上げたいです」
と話します。




選手たちを送迎するスクールバス


選手たちが練習をする「東陵高校野球場」は校舎がある鹿折地区から約10km離れた松岩地区の中山間地域にあります。


気仙沼市西部の中山間地域にある東陵高校野球場は
積雪が20cmほど残っていました
(平成26年2月20日撮影)

取材に訪れた日も、2週続けて降った大雪の残雪がグラウンドを覆っていました。


グラウンドは一面雪に覆われていました。
(平成26年2月19日撮影)

選手たちは5班に分かれ、交代でスコップを使いグラウンドの除雪作業、ランニング、室内練習場でバッティング練習をしていました。



マウンド付近の除雪作業
グラウンドからベンチそばまでは一輪車で雪運びをします
雪上でランニングする山﨑誠悟主将
除雪作業をしていた伊藤匠哉選手(気仙沼市出身)にバットを振ってもらいました。



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グラウンドで除雪作業をしていた登米市出身の伊藤拓人選手(2年)は、除雪作業について、「今しかできないことなので楽しんでいます」と作業に汗を流していました。
伊藤選手は甲子園出場について、「甲子園に出場できるのは嬉しいです。自分たちががんばることで被災地の皆さんに勇気を与えたいです」と力強く話します。

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千葉亮輔監督は気仙沼出身。東陵高校卒業後、仙台の大学に進学し、現在東陵高校で保健体育の教諭をしています。


昭和63年の70回大会に初出場した時の記念プレート


平成23年4月から母校、東陵高校で野球部の監督を務めています。千葉監督は、昭和63年に東陵高校が甲子園に初出場した時の選手です。
監督就任後、野球がしたくて入部してきた生徒全員に同じ練習と経験をさせるようにしています。
夏季は選手中心になりますが、冬季には全員に同じ練習と経験をさせるようにするため、マネージャーは置いていません。
千葉監督は入部して退部するまでの2年半、挫折して辞める生徒がいないよう指導をしています。


東陵高校野球部屋内練習場

「高校で野球を『辞める』という挫折を経験すると、その人の人生に挫折は一生つきまといます。辛くてもわずか2年半。」


東陵高校野球場のバックネット裏には
歴代の野球部員の名札がかけられています
「辛いと嘆いても仕方ありません。なんとか自力でがんばることで野球だけではなく勉強にもいい影響があります」と千葉監督は話します。

東陵高校野球部の千葉亮輔監督は甲子園出場について、「高校3年間で甲子園に出場できるチャンスは生涯に最大で5回しかありません。震災前から生徒たちは甲子園に出場するために練習に励んでいます。選抜大会に出場できることはとてもうれしいです。選んでいただいたことに感謝しています」


東陵高校野球部を率いて全国制覇を目指す
千葉亮輔監督


「私たちは復興に直接関わることはなかなかできませんが、甲子園で活躍することで気仙沼の人たちだけでなく被災地の人たちに喜んでいただきたいです」
と甲子園での活躍を誓っています。




野球ができる環境に感謝していると話す主将の山﨑誠悟選手。
チーム一番の努力家です

仙台市出身で主将を務める山﨑誠悟選手(2年)は甲子園出場を支えてくれた家族や応援してくれる人たちに
「甲子園出場はうれしいです。地元仙台を離れて学生寮での生活をしている自分を、家族や友たちが電話やメールで励ましてくれます。家族には金銭面でも支えてもらい野球ができる環境を与えてもらっていることに感謝しています」
と周りの多くの人に感謝の言葉と甲子園での活躍を話します。



地元期待の5割バッター
梅木雅也選手

気仙沼市松岩中学校出身の梅木雅也選手(1年)は、打率5割を誇る地元期待の強打者です。
梅木選手は中学1年の時に震災に遭いました。大きな被害を受けた気仙沼の状況に
「一度は野球を辞めようと思いました。多くの人の支えで今も好きな野球ができることに感謝しています。甲子園では活躍できるようにします。多くの皆さんに応援してほしいです」
と話します。

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東陵高校野球部の部員65人のうちベンチに入れるのは18人。
ベンチに入れない部員たちも、選手たちと一緒に戦いを進めます。


東陵高校野球場には全国制覇という大きな目標が掲げられています
(平成26年2月20日撮影)
選抜大会の組み合わせ抽選会は平成26年3月14日に行われます。

甲子園のベンチに入れるのは選手18人、記録係1人の19人
しかし東陵高校野球部員65人は一丸となって戦いに挑みます

東陵高校の地元、気仙沼でも東陵高校の甲子園出場を盛り上げようと地元の経済団体などが中心となり、遠征費や滞在費などを応援しようと「激励する会」を発足させています。


東日本大震災の苦しみを乗り越えてきた選手たちの甲子園出場は、復興に向かう被災地の「勇気」と「希望」になっています。
気仙沼市では東陵高校の甲子園での活躍を後押しする「激励する会」も立ち上がり、地元一丸で東陵高校の甲子園出場を盛り上げようという動きが拡大しています。

滞在や遠征など選手たちの活躍のための支援も呼びかけられています。選手たちのためのご支援をお願いします。

(東陵高校甲子園出場を「激励する会」からのお知らせリンク先)
http://toryo.h-gakuen.ed.jp/jouf6js3w-15/#_15


(取材日 平成26年2月19日)