header

宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

ヘッダー写真説明文

写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年3月30日日曜日

2014年3月30日日曜日18:09
YUUです。

現在は仮設校舎で授業を行っている閖上中学校
「助けてあげられなくてごめん」、「元気ですか」、「みんな忘れないよ」
思い思いのメッセージを書いたハト型の風船を一斉に空に飛ばしました

3月11日、名取市閖上(ゆりあげ)中学校を訪ねました。

この日、閖上中学校遺族会主催の「追悼の集い」が行われていました。

14時46分。大きなサイレンが鳴り響くなか、閖上中学校に訪れていた大勢の人々は黙とうを捧げました。

15時。閖上中学校遺族会が主催した「風船飛ばし」が行われました。

ハト型の風船にメッセージを書き、空にいる家族に思いを伝えようというものです。
 
閖上中学校慰霊碑の前には、震災の犠牲になった生徒の遺族6組を含む約300人が参列しました

遺族会の方々が建立した閖上中学校慰霊碑の前を囲むように集まった人々。

2011年3月11日、名取市の指定避難場所だった閖上中学校に移動中だった多数の人が、津波に飲み込まれました。

卒業式当日だった中学校の生徒14名も津波の犠牲になりました。

風は強く、冷たかったものの、この日のために晴れ渡ったような空に、それぞれの思いを乗せた紙風船が飛んでいきました。

閖上の空に一斉に放たれたハト型の風船
風船が飛び去っても空を見上げ続けている方が幾人もいました
昨年の3月11日にも行われた追悼の集いと風船飛ばし。

「風化させずに伝えていきたい」という強い気持ちを、思い思いの風船を飛ばす大勢の人を見て感じました。

慰霊碑の脇に設けられた献花台の上には、たくさんの花が手向けられていました
風船飛ばしが終わり、一般献花が行われました。

「冷たい石ではなく、人の手にたくさん触れ、いつも温かい石にしていたい」、という遺族の思いが込められた慰霊碑の前では、この日訪れたたくさんの人々が手を合わせ、花を手向けていました。


絵灯篭を設置するボランティアスタッフ

追悼の集いの閉会後、「3.11閖上追悼イベント2014」の絵灯篭を飾る準備が始まりました。

絵灯篭を飾る追悼イベントは、2012年の3月より3月と8月に開催され、今回が5回目になります。

2013年3月11日の追悼イベントの様子はココロプレスでも紹介しました。

2013年3月25日月曜日
閖上でつながった光の道(名取市)
http://kokoropress.blogspot.jp/2013/03/blog-post_7741.html

閖上中学校校舎前に設置された絵灯篭。思いを込めた絵柄や言葉が並んでいました。
名取市民、宮城県民だけではなく、全国の方々が絵を描き、メッセージを書きました
今回の追悼イベントは3月9日には閖上小学校、3月11日には閖上中学校と2回行われました。

主催したのは名取復興プロジェクト「3.11閖上追悼イベント実行委員会」です。

共催は閖上ルネッサンス2021(閖上中学校卒業生有志ほか)。協賛が一般社団法人 名取市観光物産協会。

そして、多くの企業、団体、個人がこのイベントの実施に協力しました。

校舎前にたくさんの絵灯篭を飾ったほか、昨年は暴風のために設置できなかった「光の道」を
今年は、新型絵灯篭を設置することで実現しました。

閖上中学校から旧閖上公民館へと続く路上に「新型絵灯篭」が並べられました。
多くの人が協力し、市民と企業が一体となって開発されたものです
新型絵灯篭は風速20mでも倒れないそうです。

「名取市にあるパナソニック仙台工場さんの全面協力により、従来は紙で作っていた絵灯篭を改良し、風にも雨にも強い絵灯篭を完成させました。太陽光パネルが付いていて、昼間は蓄電し、暗くなると光センサーにより自動点灯します」

こう話してくれたのは、名取復興プロジェクト「3.11閖上追悼イベント実行委員会」の実行委員長、佐々木悠輔さんです。

2月初旬から、パナソニック仙台工場へ実行委員会のメンバーやボランティアスタッフが連日足を運び、新型絵灯篭の製作を行ったそうです。

「パナソニックのたくさんの社員の方にも仕事の終了後、絵灯篭の制作を手伝っていただきました」

市民と企業が一体となって開発を進めた新型絵灯篭は、東北大流体科学研究所の協力で強度実験を行ったうえで完成したといいます。


津波到達時間の15時55分、みんなが点灯した絵灯篭を前に黙とうしました
閖上中学校校舎前の絵灯篭の配置と点灯が終わり、津波到達時間の15時55分、作業をしていた全員が黙とうを捧げました。

東日本大震災から3年を経て閖上中学校で行われた「風船飛ばし」、「絵灯篭の点灯」。
いずれの催しも多くの人々の思いと協力により、昨年度から継続して行われた追悼イベントです。

佐々木さんは、次のように言います。

「閖上沿岸地域で小・中学校への避難途中で亡くなられた方の霊を慰めるために始めた絵灯篭飾り。回を重ねるごとに、より多くの人の思いが結集されて、今回、無事5回目を実施することができました。これからも、『閖上の復興』、『震災を風化させない』という思いをつなげていくためにも継続していきたいですね」

========================================
震災より3年。

この歳月は遺族の方や、閖上地区で被災した人々にとって節目とは到底言えず、地域の復興、個々の再生には通過点といえる時間の経過かもしれません。

それでも、3月11日という日に結集されたそれぞれの思いは、この日、閖上中学校に訪れた人々にとって決して忘れられない記憶として残り、これからの歩みの糧の1つとなるだろうと思いました。

(取材日 平成26年3月11日)