header

宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

ヘッダー写真説明文

写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年2月3日月曜日

2014年2月3日月曜日17:30
こんにちは。kaiiです。

「気仙沼と言えばフカヒレ」と言われるほど世界的にも有名な、気仙沼産「フカヒレ」。
その歴史は古く、江戸時代末ごろには製造が始まっています。

気仙沼魚市場は「生鮮カツオの水揚げ日本一」だけでなく、「サメ類の水揚げでも日本一」です。

気仙沼フカヒレは、中華料理の本場中国や香港などにも輸出されています。

気仙沼魚市場風景
(平成25年9月撮影)

全国のサメの水揚げ量のうち約70%が、気仙沼魚市場に水揚げされています。
フカヒレは主にヨシキリザメとネズミザメ(モウカザメ)の背ビレ、尾ビレ、胸ビレなどを乾燥、加工したものです。フカヒレは一匹のサメから9枚しかとれないとても貴重なものなのです。
市場に水揚げされたサメのヒレはすぐに切り落とされ、加工場へと運ばれて乾燥されます。
フカヒレの天日干しは寒風にさらすのが良いとされ、天日干しの風景は気仙沼の冬の風物詩にもなっています。
長い歴史の中で培われてきた「気仙沼のフカヒレ」。生産量はもちろん生産技術と加工技術でも全国一です。

気仙沼ほてい株式会社本社工場
(平成26年1月撮影)

気仙沼で創業して61年。分社化されて31年の気仙沼ほてい株式会社は、昭和62年から、気仙沼産のフカヒレ原料にこだわった人気の「ふかひれ濃縮スープ」などを製造販売しています。
東日本大震災の前、同社は気仙沼産フカヒレを使用した加工品の販売実績で全国シェアの約40%を占めていました。
気仙沼ほてい株式会社(以下気仙沼ほてい)の取締役総務部長、小野寺悦幸さんにお話を伺いました。

気仙沼ほていの「ふかひれ濃縮スープ」は、1袋のスープに400mlの水を加えて沸騰させ、仕上げに溶き卵を加えるだけ。手軽に料理店のようなおいしさを味わえることから、人気があります。

気仙沼ほていの人気商品
ふかひれ濃縮スープ

気仙沼ほていは、気仙沼湾北側の鹿折地区に本社工場と加工工場がありました。
工場の全てが津波の被害を受け、社用車や原料を保管していたコンテナも津波に押し流されました。


津波に襲われ二階部分も床上1mまで浸水した
気仙沼ほてい株式会社魚浜工場
(気仙沼ほてい提供)

工場だけでなく原料を失ってしまい、製造再開は望めない状況でしたが、震災から数日後、本社工場の近くで津波に流された原料を保管していたコンテナが発見されました。

震災直後の魚浜工場
(現在の本社工場)
(気仙沼ほてい提供)

コンテナの中には約半年分ほどのフカヒレ原料が完全な状態で保管されていて、流失した商品のレシピも瓦礫の中から見つかりました。
原料とレシピの発見で、一時は絶望的だった事業再開と早期の製造再開が可能になりました。

東日本大震災から7カ月後の平成23年10月、気仙沼市魚浜町の魚浜工場の修繕工事が始まり、同年11月下旬から「ふかひれ濃縮スープ」類の製造を再開しました。


現在の気仙沼ほてい(株)本社工場(海側)
(平成26年1月撮影)


製造再開には工場を再建しなければなりません。そのために、宮城県の「中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業(いわゆるグループ補助金)」を申請しました。
また、震災を機に、二酸化炭素排出量の削減を図り環境に配慮した「省エネルギー生産」への転換を決断し「省エネルギー・コスト削減実践支援事業補助金」を活用、気仙沼ほていの事業の要となっている蒸気ボイラーを導入しました。
事前に、設備の導入によって削減可能な燃料使用料を割り出してみると、二酸化炭素排出量の削減効果が数十トンになることが分かりました。

この補助事業の申請に必要な毎月の燃料使用量を記載していた書類は津波で流失していたため、新設備導入による正確な削減量の提出ができませんでした。しかし幸い、燃料使用量の証拠書類に代えて製造量や工場の稼働状況を示す書類を提出することが特例的に認められ、申請がかなったのです。

補助金で高効率の蒸気ボイラーを導入し実際に稼動すると、予測数値の正しさが証明されました。今では環境にやさしい高効率の蒸気ボイラーが順調に稼動しています。

気仙沼ほてい株式会社製氷工場
(平成26年1月撮影)

工場再開から2年。
気仙沼ほていの現状を小野寺さんに伺うと「リピーターの多い人気の商品『ふかひれ濃縮スープ』には多くの引き合いがありますが、原料を『気仙沼産』にこだわるため、サメの漁獲量の減少と気仙沼魚市場の水揚げ能力がまだ震災前まで回復していないことから、原料のフカヒレの確保が難しい状況が続いています。また、工場の設備能力も震災前の40%程度の回復で、引き合いがあってもなかなか注文に応じらきれないのも現状です」と話されました。

気仙沼ほていも、震災後はご多分に漏れず販路縮小の問題を抱えています。地元気仙沼の観光客の減少や市内での販売の落ち込みは顕著だといいます。
首都圏を中心として新しい販路の開拓や通信販売での地方発送などで、減少した販路の回復にも挑み続けています。


部長さんいちおし!
金色パッケージの
「気仙沼名産ふかひれ濃縮スープ」

小野寺さん「いちおし」の金色パッケージの「気仙沼特産ふかひれ」濃縮スープは大型量販店などでの扱いがなく、東北自動車道のサービスエリアなどで土産品として販売されています。
鶏、豚ガラスープがベースでしょうゆ味のとろみのある人気商品です。

金色パッケージのふかひれ濃縮スープ3袋入贈答箱

1袋315円と幾分高めの価格ですが、簡単においしく本格的なとろみのあるフカヒレスープを家庭で味わえると大人気です。
社内で開かれた「ふかひれ濃縮スープ」アイデアコンテストでは、ギョウザやおこわなどにアレンジしたレシピもあったそうです。



気仙沼ほていは気仙沼産原料にこだわった製品造りを続けると話す
気仙沼ほてい株式会社取締役総務部長小野寺悦幸さん
小野寺さんは「感謝の心を大切にし、気仙沼産原料にこだわった製品造りをしていきたい」と今後の抱負を話しました。


気仙沼ほてい株式会社
http://www.kesennumahotei.co.jp/


(取材日 平成26年1月27日)