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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年2月20日木曜日

2014年2月20日木曜日21:34


こんにちはエムです。

みなさんは「絆」とは何だと思いますか?
「家族の絆」「友人との絆」「職場の絆」「地域の絆」など、形も「絆」に対する考え方もさまざまあると思いますが、1つ挙げるとすると
〈年間を通して日常を共有していること〉だと思います。
言い換えると〈一緒に生活している〉ですが、日々共に生きることは「絆」を深める重要な要素だと言えるのではないでしょうか。

中でも「地域の絆」を深めてきたものは、日本で古来より行われてきた「お祭り」「初詣」「節分」など、季節毎に催される年間の行事でした。行事を通して人と人はより深い結びつきを感じてきたはずです。

初詣でにぎわう大崎八幡宮(撮影:平成26年1月1日)

そしてその中心となってきたのが「神社」です。
「神社」は神のお社であり地域を守ってくださる存在ですが、そこに住む地域の人々によって大事にされ、行事を引き継ぐ人がいることで、神社はまた、人によって守られてもきました。
また年間を通した「行事」や、祭事の「神楽」など、何世代にもわたり文化を継承する役割も担ってきたのです。

東日本大震災により、宮城県では沿岸部を中心に680以上の神社が被災しました。そのうち倒壊、または津波で流出した神社は52社にも上ります。そして未だ復興、復旧の兆しも見えない神社がたくさんあるのです。
なかなか神社の復興が進まないのには、大きく2つの理由が挙げられます。

1つは、今まで住んでいた地域の人が転居し、人々が少なくなってしまったこと。
もう1つは、神社仏閣など宗教に対する行政の援助が見込めないことです。

「神社の復興無くして地域の復興はなされない。地域の復興がなされなければ文化も神社も消えてしまう」

そんな危機感を抱いた大崎八幡宮では、震災直後の平成23年3月に宮司 小野目博昭氏を中心として立ち上げた「被災神社への支援活動」を発展させる形で、震災から3年目に当たる平成25年から「沿岸部神社 復旧復興支援活動」を展開しています。

その支援活動について小野目宮司にお話をお聞きしました。
ところが大崎八幡宮の支援活動は、被災神社に対する支援だけではなかったのです。

(「ココロプレス」では昨年(平成25年)12月29日、大崎八幡宮による「沿岸部神社 復旧復興支援活動」を紹介させていただき、支援金のご協力をお願いしていました)

2013年12月29日日曜日
沿岸部神社 復旧復興支援金のお願いー大崎八幡宮ー(仙台市青葉区)
http://kokoropress.blogspot.jp/2013/12/blog-post_29.html



国宝の御社殿。現存する最古の安土桃山時代の遺構

仙台市青葉区八幡に鎮座する仙台の総鎮守、国宝「大崎八幡宮」

御神殿は、仙台藩祖・伊達政宗公の命により慶長9年(1604年)から12年(1607年)にかけ、当時豊臣家に仕えていた当代随一の工匠が招集され建立されました。
外観や内部に至るまで意匠が凝らされた御社殿は全体的に美しい調和をなし、安土桃山時代の文化を今に伝える遺構として、現存する日本最古の権現造りの建物です。
明治36年に特別保護建造物に指定され、その後昭和27年には国宝に指定されました。

東日本大震災では大崎八幡宮でも、社務所の壁が崩れたり、灯籠が倒壊するなどの被害がありましたが、平成12年~16年にかけて社殿解体修理が行われていた本殿の被害は最小限にとどまりました。

被災した社務所
社務所は国の登録文化財に
指定されています
(画像提供/大崎八幡宮)
二之鳥居前の灯籠(画像提供/大崎八幡宮)

八幡宮内では水が出ていたことから、近隣の避難所に届けたりしていた中、被災地支援のきっかけになる出来事がありました。
震災の翌日、福島県の会津から大工さんが駆けつけ、倒壊した潔斎所(宮司宿舎のお風呂)を仮修復してくれたのです。
「八幡宮は皆さんに守っていただいている。自分にも何かできることがあるのでは」
小野目宮司はその時に思ったそうです。

そして震災後3日目からバイクで沿岸部の被災地を見て回り、5日後には知人の安否確認のため、県北沿岸部へ向かいました。その時、被災地の被害の大きさ・惨状を目の当たりにし、「何かしなければ。やれる事は何でもしよう」と強く思ったそうです。

そして大崎八幡宮の被災地支援活動は始まりました。
「義損金募金活動」を早急にご社頭で立ち上げ、広く協力を仰ぐと同時に「被災神社への支援活動」を計画しました。

そして小野目宮司をはじめとする八幡宮職員は、宮城県と岩手県の被災神社の安否を確認し、支援物資を運ぶために現地におもむきました。
その傍ら被災地での情報収集に努め、「神社本庁」のホームページに開設された、神道青年全国協議会の「災害掲示板」に必要な物資を書き込むことにしたのだそうです。

すると全国各地の神社関係者から八幡宮にたくさんの物資が届くようになりました。支援物資はその後、神社関係者にとどまらず全国各地の企業や個人の方からも続々と届けられたのです。

境内に設置された支援物資保管用のテント
(画像提供/大崎八幡宮)
物資は職員総出で仕分け作業を行いました(画像提供/大崎八幡宮)

八幡宮では職員総出で物資を管理し、被災地域へ届ける作業を行いました。
「書き込むと物資が届く。それを届けると必要な物が分かる。また書き込む。そして届ける。そんな活動でした」

また、世界各国へ義援金を募りその資金で海外からコンテナハウスを輸入し被災地へ送ろうという趣旨で、東京のNPO法人「難民を助ける会」が主体となって立ち上げた「被災地にコンテナハウスを送るプロジェクト」の支援も行ってきました。

石巻市渡浜にて行われたイタリア製コンテナハウスの搬入、設置(画像提供/大崎八幡宮)

コンテナハウスは平成23年~24年にかけて、各地の避難所、個人住宅、商店街、消防署など、合計60数棟を設置してきました。設置に当たっては小野目宮司や八幡宮職員が常に立ち会い、八幡宮出入業者の協力のもと行われてきたのです。

この他、被災地の要望を受けて行ってきた支援活動は数えきれません。

被災神社の瓦礫や木材などの撤去。(八幡宮所有の重機を現地に持って行きました)
被災した漁船の運搬・修理。漁船支援の要望があった漁業関係者への搬入。
使わなくなった原付バイクを修理し、被災地に届けたこともありました。
また、奥松島月浜の海苔生産グループ「月光」への支援では、八幡宮職員によるボランティア参加も行われました。

被災神社への支援ではコンテナハウス設置の他、流出した鳥居や扁額(鳥居に取り付けてある神社の名前の入った額)の設置や傾いた建物の応急修復や仮社殿の設置などの作業の他、震災後再開された「お祭り」や「奉納神楽」の応援にも駆けつけました。

雄勝町桑野浜「白銀神社」春の例祭(画像提供/大崎八幡宮)

このように大崎八幡宮が展開した支援活動は多岐にわたります。
驚いたのは、この支援活動は大崎八幡宮単独で行ってきたという事実です。
今まで大崎八幡宮の修理などで関係を培ってきた業者の協力も大きく、その時々で助けてもらっていたそうですが、小野目宮司をはじめ八幡宮の職員は作業着に身を包み、自ら現地におもむき、土木関係者に間違われながらも現場には必ず立ち会っていたそうです。

そうした支援活動を行ってきたからこそ被災地の現状が手に取るように分かり、なかなか進まない被災神社の復旧・復興の必要性を感じた小野目宮司は、「沿岸部神社 復旧復興支援活動」を立ち上げるに至りました。

五十鈴神社の鳥居設置(画像提供/大崎八幡宮)

「震災で地元を離れる人がいるのは仕方がないことですが、神社があれば、例えばお祭りの時だけでも手伝いに参加してもらうことで、ふるさとへの気持ちは離れないはず。ところがこのまま神社の復興が進まず、5年10年と経ってしまうと、もう人は戻って来ないでしょう。
地域の人がいなくなるということは、代々引き継がれてきた文化も消えてしまいます。地域は死んでしまうのです」

「神社の復興は文化の復興につながり、ひいては地域の復興に結びつく大事なことです。そしてまた神社は地域によって守られるのです」
「『民俗芸能』『伝統芸能』というものはそもそも神社の神様の前で行ってきたものです。神様の前だからこそ意味があるのであって、そこには魂が込められます。大きなホールや舞台などで行うのは単なる演劇でしかなく、このままでは本来の意味を失ってしまうのです」

平成25年に始まった大崎八幡宮による「沿岸部神社 復旧復興支援活動」は、現在3つの神社の再建へと向けられており、現在も進行中です。
〈石巻市雄勝町「葉山神社」拝殿・本殿・社務所等、境内建物の新築移転〉
〈亘理郡山元町「八重垣神社」の拝殿・本殿等、境内の建物の新築〉
〈女川町「熊野神社」都市計画に伴う解体・移転〉

被災神社新築のための青森ヒバの原木
小野目宮司が直接出向き、買い付け、この木を製材して使います
(画像提供/大崎八幡宮)

この他にも多くの相談が小野目宮司の元に寄せられており、お忙しい毎日を送られています。

「人のために何かやるのは楽しいね」
小野目宮司の広いお心を感じる一言でした

(画像提供/大崎八幡宮)



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大崎八幡宮で行っている「沿岸部神社 復旧復興支援活動」では引き続き「被災神社再建支援金」を募集しています。

沿岸部被災神社の再建のため、皆様の暖かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

「被災神社再建支援金」は郵便振込または直接「大崎八幡宮」までお願いいたします。

〈郵便振込〉
加入者名 大崎八幡宮(震災支援金)
口座記号 02250-0
口座番号 49188


大崎八幡宮
〒980-0871 宮城県仙台市青葉区八幡4丁目6-1
電話 022-234-3606
FAX 022-273-1788
Email oosaki@okos.co.jp
http://www.oosaki-hachiman.or.jp

☆ 支援の詳細はホームページ内「美咲の部屋」
 「バックナンバー〈平成23年・24年・25年〉」を参照ください。

(取材日 平成26年1月23日)