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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年2月18日火曜日

2014年2月18日火曜日14:38
こんにちは、Chocoです。
最近は、しばれる寒さが続きます。
石巻市内も珍しく大雪が積もったり、水道が凍結してしまう所もあり、
まさに真冬です。

大雪の石巻ですが、今回の舞台は、雄勝町船越です。

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これは、切株です。



ごく普通の森の杉の木の切株です。

「木を伐採する」
普通の光景に見えるけれど、この切株は、当たり前のモノではありません。

「高台移転先用地の造成工事が来月の頭に着工するんだ」
その話を聞いて、2年の月日がたちました。
工事が延期されていた雄勝町船越で、ようやく2月5日に造成のための伐採が開始されました。

この切株は、その最初の1本なのです。


「良かった」
ずっと待ち続けていた地元の人は、そう言います。

約250世帯350人程が住んでいた小さな集落にも、約17mもの津波が押し寄せてきました。
浸水高20mと観測された所もあります。
船越の避難所とされていたお寺は流され、3階建ての船越小学校も3階の床まで水に浸かりました。


想像よりはるかに大きかった津波により、9人の方が亡くなりました。
住宅は、ほとんどが流され、漁具や船も流されました。

昨年の夏には、船越小学校や海辺にあった漁業組合の建物等も解体作業が行われ、現在は更地となっています。
昨年の4月半ばから約2カ月かけて、解体作業が行われました

2014年1月

そして、高台造成が今月初めから開始されました。


平成27年度には、公営住宅の受け入れが始まる予定です。


木の伐採を見ていたのは、私が以前紹介した船越の漁師中里孝一さんです。

震災後は、船越の漁師が集まり共同漁業(船越オドゴスターズ)として活動を開始しました。
その活動は2012年末まで続き、その後はそれぞれが 自立の道を歩みました。
現在では、震災前のように独立して漁をしています。
昨年の春の「孝丸」進水式の様子

ここにいる漁師さんは、漁がある度に現在住んでいる場所から車で来ます。
遠い所だと、登米から来る人もいます。

時がたつにつれて、地元に戻るのを断念する人、いま住んでいる場所も不自由なく生活できるからという理由で永住する人も増えます。
着工が先延ばしにされることで、故郷へ戻るという「希望」が薄れてしまうのが現実です。

高台移転の土地が決まったかと思うと、問題が生じて白紙に戻ったり、
着工日程が決まっても、何らかの事情で延期になってしまったり、
何度も何度も「これで帰ることができる」という想いが出てきては消え、出てきてはまた消え・・・その繰り返しでした。
石巻の街中を離れれば離れる程、このような現実が、地元の人たちに降り掛かります。

「伐採が始まった」
写真に収めた切株は、新たな第一歩の証なのです。



今日も船越から船が出ます。
今日も頬に当たる風はピリピリと痛む冷たさです。
「休むかぁー」
と思う事があっても、なにこれと寒さに負けずに自分に喝を入れます。

中里さんの今年の目標は・・・
「怪我・事故のない1年にしたい
大漁は後からついてくる」
孝一
2014年、震災から3回目の年越しを終えて、中里さんは毎日海を見つめます。
今年からは、船越での高台造成の進行様子も見ることができます。

現在は、約27世帯の方々が戻ることが確定しています。
伐採、造成が予定通りに行われるよう、私も今後の様子を一緒に見守っていこうと思います。


(取材日 平成26年2月5日)