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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年1月8日水曜日

2014年1月8日水曜日17:13
こんにちは。kaiiです。

RSウィルスに感染している人が全国で4000人を超えたとのニュースが流れています。特効薬のないノロウィルスなどに罹患しやすい時期です。手洗い・うがいの励行に努めましょう。

少しずつ目に見える「復興」はどこの町でも進んでいますが、私は「人の心の復興」は停滞しているように感じています。
東日本大震災で地域の高齢化は急速に加速し、「おたがいさま」が支えていた地域の中の人間関係や生活が大きく変化しました。この変化が「人の心の復興」、特に高齢者の「心の復興」に影響していると自分の生活の中で感じています。


今回は社団法人宮城県精神保健福祉協会「心のケアセンター」から宮城県石巻保健所に派遣されている精神科認定看護師の内田朋子さんにお話を伺いました。

内田朋子さんは老年期精神、障がい分野を専門とする精神科の認定看護師です。
震災後、勤務していた精神科の病院が津波の被害で閉院したため、震災以前からの希望もあり地域の中で心の問題で困っている人たちのために仕事をしています。

内田さんは、病院を離れ地域の中で仕事をしていると、地域の中に潜在的に心の問題で困っている人が多いことに気がついたといいます。
心の問題を抱えて「生きにくさ」に悩んでいる人が多いと話します。
「生きにくさ」とはどんなことなのでしょうか?

内田さんは「生きにくさ」とは人々のネガティブな気持ちだと話します。
ネガティブな気持ちとは「否定的な」「消極的な」「後ろ向きな」「負の」「暗い」心の問題を示します。
「どうせダメだから・・・」「どうせできないんだから」「うまくいきっこない」などの気持ちです。こんな気持ちを抱えていると周りの人たちとのコミュニケーションがうまく図れず孤立したり、体や心に変調をきたし、就労が困難になるなどの問題にも直面することがあります。
こんな悩みを抱える人たちをケアできる環境が不足していると内田さんは考えています。地域の中に「自分を活かせる場所=生きがい」を見つけると、内側に向いた暗い気持ちから脱するチャンスを得られます。私たちは「生きにくさ」を抱えている人たちの価値観を理解して受け容れていく環境を考えていく必要性があるとも言います。
どうしても私たちは他人を自分の型に入れて物事を考えがちですが、自分がゆっくりその人に合わせて物事を考えることが個人を活かす環境につながると内田さんは話します。

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内田さんは将来、「生きにくさ」を感じている人たちの「居場所」を作り自分を活かせる環境を提供したいと考えています。一人ひとりの思いを大切にし、自分らしく人生を歩んで行ける環境が心に傷を持つ人や精神的な病の人が社会に参加していくためには必要。そのための就労の環境の整備やくつろげる「居場所」を運営したいそうです。

今地域の中に不足している事を内田さんに聞くと以下のようなことが不足していると話しました。

1.地域の中の障がいを持っている人への理解の不足
2.地域の中のマンパワーの不足
3.被災地で職務に当たる保健師の不足
4.障がいをもっている人たちの「居場所」の不足
5.コーディネーター機能の不足(困っている人をどこに繋ぐか)

問題をひとつずつ解決する努力をしながら「始めないと進まない」からがんばりますと内田さんは言います。
地域の中に「生きやすい環境」をつくりたいたいという内田さんの挑戦は始まったばかりです。

思いを大切に 自分らしく歩んで行ける 地域づくり
内田朋子

内田さんは東日本大震災の経験について、「その時の出来事はどれだけ時間が経っても自分の中からも歴史としても何も変わることがない。その体験を思い出すと辛さしかないので思い出さないようにしている」と言います。

内田さんのようにあえて思い出さない人もいると思いますが、現在就労している人の中にも、外面的には普通に見えるものの、震災後、「集中できない」「海の近くは怖い」「ぼっとすることが多くなった」「物忘れがひどい」などの話をする人は少なくありません。もうすぐ3年になるこの時期になって、心に不調を感じる人も少くないようです。
これからさまざまな環境の変化で「生きにくさ」を抱えてしまう人が増えると思います。その「生きにくさ」を社会が共有できる環境の構築を願います。


社団法人宮城県精神保健福祉協会
「心のケアセンター」
http://miyagi-kokoro.org/


(取材日 平成25年11月27日)