header

宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

ヘッダー写真説明文

写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年1月17日金曜日

2014年1月17日金曜日19:37
こんにちはエムです

午年の2014年がスタートしました。
さて、午年の「うま」の字は、なぜ午前とか午後に使われる “午” なのか?
一説に “午” には、字画が真ん中で交わる形から、「前半と後半を分ける」という意味かあるそうです。
午年はちょうど十二支の真ん中に位置していることから、この字が当てられたと言われています。
それはさて置き、きょうは本来の “馬” の話題を取り上げてみたいと思います。

冬の八丸牧場(画像提供/八丸牧場)

石巻湾の海岸線を東隣の石巻市と二分する東松島市。
平地の面積が広いため、東日本大震災では広範囲にわたり甚大な津波被害を受けました。
市の西端にある野蒜(のびる)・東名(とうな)地区でも甚大な被害がありましたが、この地区には幸いにも裏山がありました。海抜50~80mほどの高さの山が、海岸から1kmほど内陸から始まり、広さは東西1400m×南北800m。
震災当時は、多くの方がここに登って津波から逃れました。

東松島市ではこの裏山を「復興の森」と名付け、「環境未来都市構想」を掲げました。そしてこの森を整地して住宅地を作り、野蒜・東名地区の住民を移転させる計画を立てたのです。
しかしそれは、ただ宅地用に土地を整備して復興公営住宅や住宅地にするだけの計画ではありません。
市が打ち立てたのは、今までとは違う、全く新しい “まちづくり” 構想です。

構想の中の一つに馬を活用した「美馬森(みまもり)プロジェクト」というものがあると聞き、早速取材させていただきました。

平成25年8月4日 東松島市 縄文村歴史資料館前広場
「夏休み美馬森キッズ ホースマンクラブ」(画像提供/八丸牧場)

「美馬森プロジェクト」を企画したのは、「一般社団法人『美馬森Japan』
代表を務める八丸(はちまる)由紀子さんが東松島市の「環境未来都市構想」に共感し、市に事業提案しました。
「美馬森プロジェクト」とは、馬の力を活用して地域の課題や社会課題を解決していこうというもので、森の中に馬の牧場を設けて、「人と馬が歩く散策道や広場があり、住民だけではなく多くの人が訪れ、馬と触れ合える場所にする」というすばらしい計画です。

まず、そのための林道の整備や間伐材の搬出などは、自然環境に負荷が掛からない馬の力を借りて行います。
それにより、馬と人が同時に働ける場を提供するのです。
馬の力で森林を整備した後も、それで終わるのではなく、人と馬が共に働き触れ合い、また、馬から学びながら生活できる新しく画期的な里山づくりに結びつけようとするものなのです。

「馬には『人を集める』魅力があり、心の問題を抱える人に有効な『ホースセラピー』は海外では保険も認められるほど人を癒す力を持っています。私たちが以前から、解決したいと考えていたテーマと、東松島市の掲げる『環境未来都市構想』がぴったり当てはまりました」

平成25年5月22日 八丸牧場「盛岡市内の老人福祉施設の企画 ミニ遠足」
(画像提供/八丸牧場)

八丸さんが解決したいテーマは4つ。

〈馬と共に働く機会・働く馬の活躍の場の減少〉
〈森林など自然環境の整備の遅れ〉
〈不登校や休職者の急増にみられるような、心の問題〉 
〈超高齢者時代に適応した各種整備の遅れ〉

八丸さんは馬と人が共に働き暮らす “恊働” 生活により、これらの問題を解決できるのではと考えています。
それは20代から馬に関わり、岩手県盛岡市で夫の健さんと共に「八丸牧場」を10年の営んでいる八丸さんだからこそ分かったこと。
馬の育成や牧場体験サービスなどを行っている「八丸牧場」では現在、3人のスタッフと15頭の馬とが共に暮らしていますが、以前から森に隣接した場所、それもできれば海にも近い場所に牧場を移転したいと考えていました。

そんな中、東日本大震災が起こったのです。

八丸さんは被災地の子どもの支援活動を行うため、平成23年4月に任意団体「馬(ま)っすぐに岩馬手(がんばって)必ず馬(うま)くいくから」を立ち上げました。その活動を通して東松島市に出会い、このプロジェクトを提案するに至りました。
東松島市のこの地区を「美馬森ヴィレッジ」と名付け、今まで考えてきた社会課題や、震災による新たな問題の解決に引き続き望んでいくという構想です。


平成25年5月22日 八丸牧場「盛岡市内の老人福祉施設の企画 ミニ遠足」
(画像提供/八丸牧場)

八丸さんが思い描く「美馬森ヴィレッジ」とは、森から馬が搬出した木を使い、高齢者や介護世帯者が暮らせる「多世代型集合住宅」を造ったり、地元の子どもたちにホースマンとしての学習や、遊びの機会を提供したり、馬のいる森を観光に結びつけたり、さらには高齢者の働ける場も提供するというものです。
このように、このプロジェクトは数年で終わるような話ではなく、何世代にもわたって引き継いでいく、壮大なプロジェクトだったのです。

人も馬も働く場所があり、お互いの存在を尊重しながら生活できる「美馬森ヴィレッジ」。実現すればそれはきっと人にとっても馬にとっても幸せな “ふるさと” となるのではないでしょうか。

「馬搬」(ばはん)と呼ばれる馬による運搬のようす(画像提供/八丸牧場)

八丸さんは現在、盛岡から東松島市に通ってプロジェクトを進めていますが、森に隣接する約2ヘクタールの土地に、牧場を3年以内に移転することを計画中です。

まちの中を馬が自然に歩いている。木漏れ日の森の中を馬と散歩。馬と一緒に野山や田畑で働く……。わたくし(エム)の頭の中は心躍る妄想でいっぱいで、今すぐにでもそこに行きたい衝動に駆られました。

しかし慌ててはいけません。計画はまだまだこれから。
東松島市に出向いても馬はいません。
「美馬森ヴィレッジ」ができるのが待ち遠しいですが、本当にそんな夢のような計画が実際に進行しているのは、宮城県民として誇りさえ感じます。


平成25年7月27日 東松島市 縄文村歴史資料館前広場「夏休み日馬森キッズ ホースマンクラブ」
(画像提供/八丸牧場)

しかし、そんな八丸さんが最も憂いているのは、現代の子どもたちの育つ環境です。

「『自然欠乏症候群』というのをご存じですか」
「現在、多くの子どもたちは幼い頃からテレビやパソコンに馴染み、自然の物に触れないまま大きくなるケースは珍しくありません。しかし自然の中を走り回り、土や植物、昆虫や動物などに触れ五感は磨かれます。自然に触れないで育つということは、五感が磨かれないまま大きくなるということなのです。
現代の子どもたちは昔に比べて、現実に視野が狭くなっているという報告があります。また大人も例外ではありません。日本ではまだまだ認知度は高くはありませんが、馬の力を借りて、そのような問題を解決するお手伝いができたらと考えています」


そんな八丸さんが惚れ込んだ馬たち。
お話を聞けば聞くほど、馬の魅力に圧倒されます。
もしかしたら「馬」は森と人、人と人、失なったものと残ったもの、それらの真ん中にいて2つを分けるのではなく、1つに結び付けてくれる存在なのではないでしょうか。「馬」はやはり「午」で良かったのです。八丸さんのお話を聞いただけでまだ馬には会ったことがない私ですが、そんな考えにとらわれました。
早く午に触ってみたいです。


八丸由紀子さんと健さん(画像提供/八丸牧場)

「美馬森プロジェクトは企業や個人の方々の想いをつなげ、馬たちの持つさまざまな力を活かして、現存する各種社会問題を図り、新しい日本をデザインしていきたいと思っています」

「地域や自然の豊かさを味わい、人々も動植物もお互いを活かしあい、笑顔あふれるそんな“あたたかい社会づくり”を実現していくために美馬森プロジェクトを応援していただけるとうれしいです」

八丸さんは被災地の子どもの支援活動を行うため発足した、「馬っすぐに 岩馬手 必ず馬くいくから」を平成25年3月に法人化し、「一般社団法人『美馬森Japan』としました

八丸さんの真直ぐな視線は東松島市だけではなく、多くの地域の人や子どもたちの将来を見つめています。


☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆

「美馬森プロジェクト」はまだまだ多くの資金を必要としています。
このプロジェクトに共感し、応援してくださる「共感サポーター」を募集しています。

<共感サポーターの種類>

正会員 ~ 個人会員年会費 1万円
      中小企業年会費 3万円
      一般法人・企業年会費 6万円

準会員 ~ 個人会員年会費 5千円
      中小企業年会費 1万5千円
      一般法人・企業年会費 3万円

オフィシャルスポンサー 1口 100万円

事業別オフィシャルスポンサー 1口 50万円

詳しくは一般社団法人『美馬森Japan』のホームページを参照のうえ、メールにてお問い合わせください。

☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆


宮城移転準備事務所」/
岩手県盛岡市玉山区下田字生出817-1
電 話 019-688-8166
FAX  019-688-0301
メール sporthorse80coach@ybb.ne.jp
ホームページURL http://mimamorijapan.com/

(取材日 平成26年1月9日)