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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年12月19日木曜日

2013年12月19日木曜日13:06
こんにちはエムです。


こころをひとつに』の思いをカタチに
メンバーの1人1人が希望とガッツを込めて描いたイラストを
ひとつの形にデサインしたシンボルマ-ク
(平成23年制作 デザイン/ナコさん)

仙台・東北を中心に活躍しているプロのイラストレーターで構成される団体
「東北イラストレーターズクラブ」〈Tohoku Illustrator's Club〉 (以下TIC「ティ・アイ・シー」)による東日本大震災復興応援活動
「だいすきとうほくTICプロジェクト」
が生まれたのは東日本大震災直後の平成23年4月下旬。
多くの人が何かしなければと活動を始めていたさなかに発足しました。

TICは会費制の団体ですが、活動は基本的にメンバーのボランティアにより運営されています。「だいすきとうほくTICプロジェクト」もメンバーの中の数名が主体となって無償で行っている活動です。
その中心となっている佐藤勝則さん、ナコさん、KIKUCHIちゅん吉さんにお話をお聞きしました。

左からナコさん、佐藤勝則さん、KIKUCHIちゅん吉さん

震災後、多くの地域では1カ月以上にわたりガスや水道は止まったまま。食料の確保も難しい状況の中、生きることに精一杯の日々を過ごした私たちですが、イラストを描いて生活しているイラストレーターはさらに厳しい現実に身を置いていました。
イラストレーションとは主に広告などの媒体で使われる絵の総称ですが、震災後は仕事量が激減するのが予想されました。
イラストレーターはそんな不安な気持ちと、(被災したメンバーもあり)震災のショックで、イラストを描く意味を無くしたような無力感を抱いていました。

そんな気持ちにさいなまれながらも、自分たちより深刻な沿岸部の被災地復興のため何かしなければと思ったメンバーの呼び掛けで「自分たちだからこそできることがあるはず」と、イラストレーターならではの復興応援プロジェクトを立ち上げることを決めました。
そして生まれたのが、「だいすきとうほくTICプロジェクト」(以下「だいすきとうほく」)です。


平成24年制作のクローバーのシンボルマーク
「幸せの四葉のクローバー」をモチーフに、野に広がっていくイメージを表現
(デザイン/阿部拓也さん)

「その頃、ちまたには『がんばろう』とか『支援』とか『ボランティア』とかがあふれていて、そんな言葉に少し疲弊を感じていたんです。タイトルの『だいすきとうほく』はそんなメンバーの気持ちを反映し、当時メンバーだった木村良さんが名付けてくれました」とナコさんは当時を振り返り言いました。

24人(当時)のメンバーそれぞれが描いたイラストを集めたシンボルマークは使用権フリーにし、復興支援のツールとして積極的に使っていただけるようにネット上で発信。
シンボルマークを使ったTシャツや缶バッジ、エコバッグなどのオリジナルグッズに展開し、ネット通販ショップで販売を開始しました。その売り上げは全額が募金されています。

他にも、使っていない画材を集める窓口となり、避難所の子どもたちに届ける活動をしました。届ける傍ら、似顔絵を描いて喜ばれたこともあったそうです。
メンバーが手作りした募金箱を持ち、仙台駅前や一番町商店街などの街頭で募金活動をしたこともありました。
「その頃はみんな何かやってないとたまらない気持ちだったと思う。このシンボルマークもそんな当時の気持ちを反映して、何か訴えるような力強さもあるし、目を引くかわいらしさも兼ね備えた良いものだと思う」
とナコさんが言うように、確かにハートを形どったシンボルマークが入ったグッズは思わず手に取ってみたくなりますね。しかも震災関連とは思えないかわいさ。
実はわたくしエムもTシャツを持っているのですが、それを着ていると「それかわいいわね。どこで買えるの」と声を掛けられたことが何度もありました。

「エコバッグ、Tシャツ」などTICが展開しているネット通販でのオリジナルグッズの他、
美容関連のノベルティグッズ(ロレアル株式会社)、書籍「明日へ」ブックカバー(NHK出版)、
東北幸福パンの缶詰プロジェクト(高島屋オンラインストア)、カレンダーなどに使用され
商品化されたシンボルマーク(撮影/ナコさん)

「『だいすきとうほく』の活動を始めた初年度はたくさんの反響をいただきました」
そう語るTIC事務局代表の佐藤勝則さんは、平成23年と24年の2年間「だいすきとうほく」の代表も務め、自分の仕事の傍らその対応に尽力してきました。

シンボルマークを使いたいとの打診の他、イベントへの協力依頼、企画の参加者募集やTICメンバーへのイラスト依頼など初年度は50件を超える問い合わせがあり、佐藤さんはその都度メンバーにメールを送ったり、担当を決めて窓口になってもらうなどの対応をしてきました。
ややもするとその作業だけで何時間もかかる時もあり、このプロジェクトがスムーズな活動をしてこられたのには佐藤さんの存在は欠かせない、大きなものでした。

一番町での募金活動をするTICのメンバー
(画像提供/佐藤さん)

また、TICでは毎年クラブ展を行っていますが、平成23年のクラブ展では復興への共感をできるだけ広げるため、「だいすきとうほくポスター展」を開催しました。
復興への願いを込めたB2判のポスターはデザイナーやコピーライターと組んだ作品もあり、見応えがありました。
その作品はその後、仙台市の一番町商店街で開催した「クラフト展」に展示されたり、10月には、かねてから親交のあった「北海道イラストレーターズクラブα」の皆さんの協力で、札幌デザイナー学院での巡回展示も行われました。

東北工業大学一番町ロビーギャラリーで開催された
「だいすきとうほくポスター展」(画像提供/佐藤さん)

シンボルマークはその後、平成24年版と、今年25年版が制作され、同じように使用権フリーで展開されています。
「シンボルマークは基本的にハートがメインですが、TICのメンバーに変動があるので結果的に毎年作っています」と今年25年「だいすきとうほく」代表を引き受けているナコさん。


平成25年制作の太陽のシンボルマーク
「笑顔の集まる太陽」がモチーフ
みんながにっこりなれるようにとの思いが込められています
(デザイン/ナコさん)

そんな流れがあったとはいえ、ハート・クローバー・太陽とバリエーションが増えたのは、選ぶ立場からすると楽しい展開です。
それにしても、2人の小さいお子さんを持つママでもあるナコさんは、仕事と育児、さらにTICの活動をサラリとこなしているように見える、すごい方だと感じました。

このような活動を展開している「だいすきとうほく」ですが、確実にアクセス数は減っていると佐藤さんは言います。
「震災から3年目の今年になると急激に問い合わせが減りました。徐々に関心が薄れているのは否めません。それにメンバーの中でも温度差が生まれています」
佐藤さんを中心とした「だいすきとうほく」のメンバーはそんな危機感を持っていました。
しかしそれは、復興支援活動に携わる多くの方々が同じように感じていることではないでしょうか。

震災から3年目の今まで行ってきた活動ですが、来年の3月以降はどう展開してゆくのか、あるいは形を変えて展開するべきなのか。この活動は必要とされているのか、または必要とされていないのか。
目には見えない大きな節目がそこにあり、復興支援活動の真価を問われているように感じる方は少なくないはずです。

オリジナルTシャツを着て募金活動をするメンバー(画像提供/佐藤さん)

「しかし被災地として、そして震災を風化させないためにも発信は必要です。どのような形になるのか、いつまで継続するのか、今の段階では何も言えませんが、この『だいすきとうほく』は続けていきます」と佐藤さんは言いました。
「私たちの体験も、何かの形で記録として残したりするのも必要かもしれません。記録はたくさんあった方が良いと思うのです」
アイディア豊富なKIKUCHIさんにはまだまだやりたいことがあるようでした。

「だいすきとうほく」の活動での義援金は平成25年現在、合計で349,187円。
内訳は、平成24年11月までに日本赤十字協会に寄付した金額313,500円。残りは地元に直接寄付したいとのメンバーからの要望で、石巻市で、被災した子どもたちのための支援活動を行っている「NPO法人にじいろクレヨン」さんに35,687円の義援金を届けています。

「NPO法人にじいろクレヨン」さんはメンバーのKIKUCHIさんが縁あって平成23年にボランティアとして通った場所です。TICではこれからもいろいろな形で支援協力を続けていく予定だそうです。
(「NPO法人にじいろクレヨン」http://nijiiro-kureyon.jp/)

「これからも活動し続けます」
元気で楽しいTICの雰囲気が伝わってくる取材でした

「だいすきとうほく」のシンボルマークはボランティアや復興支援目的の活動、またはウェブ上で使っていただくものに関しては、自由にダウンロードして使えます。
仙台のイラストレーターが発信するこの温かなメッセージは、多くの方が多くの場所でどんどん使っていただくことによって、震災を風化させない大きな力になることでしょう。

なお、企業が販売目的で使いたい場合は、お問い合わせの上、使用料をご検討ください。
使用料は、募金や復興支援のためにTICが責任をもって活用させていただくそうです。


「だいすきとうほくTICプロジェクト」の詳しい活動は下記のサイトで見ることができます。シンボルマークをお使いにある場合はこちらからダウンロードしてください。
オリジナルグッズもこちらから購入できます。
http://www.daisuki.illustrons.com/

お問い合わせ先/
東北イラストレーターズクラブ公式ウェブサイト内〈CONTACT〉よりお入りください。
http://www.illustrons.com/

高島屋「東北幸福パンの缶詰プロジェクト」
[高島屋オンラインストア]
http://www.takashimaya.co.jp/shopping/special/0950000112/

(取材日 平成25年12月6日)