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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年11月15日金曜日

2013年11月15日金曜日15:20
YUUです。

フィリピンで猛威を振るった台風30号で被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。

それにしても、2013年の気候はとても極端です。

長梅雨、その後の集中豪雨による土砂災害、河川の氾濫。猛暑の夏を乗り越えたかと思えば、今度は大型台風の襲来。

東日本大震災より2年8カ月が過ぎましたが、全国各地で起こる自然災害を報じるニュースは後を絶ちません。

冬の訪れが間近に迫っていますが、大雪に伴う雪害など自然災害には十分気を付けたいものです。

仙台市青葉区国見にあるJR仙山線の東北福祉大学駅前

大震災以降、国は南海トラフ地震の被害想定や首都直下地震対策の策定を急ぐなど、防災・減災対策はすでに官民一体の急務になっています。

防災に関する意識を高めることは、次の大規模災害に備えるために必要なばかりではなく、日々起こりうるさまざまな自然災害における被害を最小限にとどめるうえでも非常に大切なことです。

未来の減災に一人一人が備える。

こうしたニーズの高まりに企業、団体、個人、各方面から関心を集めているのが防災士の資格取得制度です。

防災士は、防災や応急手当等の救命知識・技能を持つ人に与えられる民間資格です。

近年では、20府県をはじめとして、全国では52の自治体が「防災士」の養成に参画し、中には自治体が、自主防災組織を主体とした数千名規模の防災士の資格取得を事業として支援するケースなどもあるようです。

大分県は、県民3000人の防災士資格取得を目標に県を挙げて取り組んでいます。
また、愛媛県の松山市では、84の小中学校が2人ずつ防災士の資格を持った教員を配置しているそうです。


東北で初めて防災士養成研修実施法人として認証された東北福祉大学

次世代の防災リーダーを育成することを主眼として、およそ10年前に発足したNPO法人日本防災士機構が認定する防災士制度。

平成14年以降、年を追うごとに防災士を養成する自治体や大学等の養成機関は増えています。

東北では、東北福祉大学が資格認定機関の日本防災士機構から、東北で唯一の防災士養成研修実施法人として認証されています。

同大学の防災士養成研修講座で講師を務める高橋英彦さんは、次のように話してくれました。

「震災以降、未来の減災に備えた次世代リーダーを養成する防災士の必要性、認知度は非常に高まってきています。ただ、他の地方と比べると、これまで東北の防災士の数は少なかったんです。今後は地元の教育機関が防災士の養成に取り組むことによって、これまでとは全く事情が違ってくると思います」

東北福祉大学では、防災士資格を取得した学生を中心に、積極的な防災活動行う協議会「Team Bousaisi」を学内に設立。今年5月30日に発足式を行いました。

防災士養成を行う大学は名古屋大学など全国に複数ありますが、協議会の設置は珍しいといいます。

高橋さんの説明によると、これまで実施された防災士養成研修講座では、今年10月末現在で宮城県内外から1100名あまりの学生と市民が受講、資格認定試験を受験したそうです。

「防災士の資格取得のためには普通救命講習以上、応急手当講習を受講することが必要です。いざという時、速やかに安全を確保するには、とっさの判断力と行動力が大切な鍵になるんです。普段から正しい知識を身に付けて、実践力を養っておけば、非常時にも迷わずに的確な判断ができ、被害を小さく抑えることができます」




東北福祉大学国見キャンパスで実施された防災士養成研修講座「避難所の開設と運営」高橋英彦講師
受講者たちの真剣な様子が伝わってきます

防災士資格取得のためには、年齢、学歴、国籍の線引きはありません(ただし、日本語の理解力は必要)。大学で受講した人のなかには、70代の方や中学生もいたそうです。

「現在のところ、資格取得者の約8割は学生と教員ですね。ただし、介護施設関連の方、防災組織のリーダー、会社員、家庭の主婦など、回数を重ねるごとに幅広い層の人たちが受講するようになりました。本学(東北福祉大学)においては、全ての学生が資格取得を目指すところまで視野に入れています」 

防災意識を持っている人材が欲しい。

「伊藤忠エネクスという会社のように、経営トップの考えで社長、役員を含めて会社内に600人もの防災士資格取得者がいる企業などもあります」

未曾有の大震災を経て、大学も地域も企業も防災というキーワードでつながった部分があるようです。

その意味では、防災士養成のための拠点(東北福祉大学)が東北にできた意義は非常に大きいといえるのではないでしょうか。

「震災の被害も甚大だった『本州最東端のまち』をキャッチフレーズにする岩手県の宮古市では、昨年度から400人の防災士を育てるという目標を掲げ、大学と連携し、防災士養成研修講座を開講しています」



講座では各テーブルごとにワークショップの演習も行います

防災士養成研修講座受講以前と以後では、相当に防災に関する意識が変わったと述懐している受講者がいます。

「資格は取得して終わりではなく、資格取得後、地元の自主防災組織に入って活動をしたり、さまざまなボランティア活動などを通じて、防災士が防災意識の啓蒙に努めているケースも数多く見受けられます」

何で枕元にラジオとか飲料水を備えておかなかったんだろう。

懐中電灯、携帯ラジオなど、必要なものをいつでも持ち出せる状況をつくる。

講座を受講すると、専門的な防災知識や技術を学べるだけではなく、「地震の時に物が落ちてこないような環境をつくる」、「街を歩いていても、防災の観点から危険な場所や建物に意識を向けるようになる」といった防災に関する意識改革が自然と行えるようになります。

「東日本大震災で自分自身が助けられたので、今度、大きな自然災害が起こった時は、自分自身が助けられるようになりたいと考えで受講した人もいます。被災して、どうしても資格取得したいという一般の方からの問い合わせもありました」

自分を守る、家族を守る、地域を守る。

防災士の資格者は全国で間もなく7万人に達するそうです。

震災直後のがれきの撤去なども、防災士ネットワークを通じて行ったケースが多数あったそうです。

助けられる人から助ける人へ。

東北福祉大学では来年度以降も3月、6月、10月の年3回、一般の人も受講できる防災士養成研修講座を実施する予定だといいます。


防災士養成研修講座および、防災士に関する情報は下記HPで。
東北福祉大学 防災士養成研修講座
www.tfu.ac.jp/bousaishi/

(取材日 平成25年9月20日、10月5日)