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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年11月12日火曜日

2013年11月12日火曜日15:30
石野葉穂香です

宮城県の沿岸市町の役場には、現在、日本中から、たくさんの自治体職員の方々が「応援」に来てくださっています。

愛知県豊川市から派遣職員としてやって来られた篠原英明さんも、そのお一人。
今年4月から9カ月間、南三陸町役場環境対策課に勤務中です。

不慣れな土地で長期間滞在するのは、とてもたいへんなこと。
でも、篠原さんは、南三陸町の多くの方々と交流を深め、ボランティア活動やさまざまなイベントなどにも積極的に参画しています。
出会いは出会いを呼び、仲間、友人がたくさんできました。
今では「永住してけろっ!」とまで言われるほど、すっかり南三陸町に溶け込んでしまっています。

南三陸町役場 庁舎二階の環境対策課。
篠原さんのお仕事は「再生可能エネルギー導入に関する企画立案」です
篠原さんは、豊川市役所清掃事業課の技術職員。
震災直後、豊川市をはじめとする愛知県東三河地方の5市2町1村では、南三陸町を中心としたエリアへの支援に乗り出しました。

篠原さんも手を挙げたのですが、初年度と2年目は上司の方から許可がいただけず断念。そして3年目の今年、「行きたい人は上司のハンコなしで人事課に直接申し出てよい」というシステムに変更され、篠原さんは3度目の〝挙手〟で、南三陸町への9カ月間の派遣が決まったのでした。
「でも、上司には怒られました。『普通は相談するものだぞ』って(笑)」

地元、豊川市でも消防団活動に参加するなど、篠原さんは元々、アクティブな方。震災の報道を見るにつけて「ボランティアででもいいから東北へ行きたい」と思っていたそうです。

「ニュースの映像を見て心情的にも応援したかったし、また市役所の職員としても、いろいろな仕事に挑戦したかった。東北にたいへんな仕事があるのなら、ぜひ行きたいって思っていました」

長須賀海岸で砂浜清掃活動中のスナップ(中央)

「長須賀海岸海水浴場復活大作戦!」
http://kokoropress.blogspot.jp/2013/07/blog-post_12.html

とはいえ、単身赴任。ご家族は反対されなかったのですか?
「妻は父親(義父)に相談したみたいです。そうしたら義父は『千年に一回のことだから行ってらっしゃい』って」
お義父さんもかっこいいです。

南三陸町へ来られた当初は方言が分からず、電話に出るのが怖かったとか。また、生活用品をそろえる買い物などで、4月の休日は過ぎていきました。

そしてGWのこと。帰省していた豊川市から南三陸へ戻る途中、篠原さんは渋谷で『ガレキとラジオ』という、南三陸町の災害FMを題材にした映画を見たのでした。
 
予告編を見ていたので、いつか見たいと思っていた映画。それを見た篠原さんは、
「感動しました。今、自分がいる南三陸町の人たちのがんばりに〝すごい町なんだ〟って思った。
その日は最終の新幹線を予約していたのですが、映画のあと、『町の人たちのために何かしたい』と思って、予定を早めてすぐ新幹線に乗って帰って来ちゃいました」

5月7日、東京から帰ってきた夜、「おおもり食堂」で行われた
歌旅人・むらなが吟さんのミニライブで
私(石野)も篠原さん(左)とはじめてお会いしました

『514万歩の「歌い旅」』
http://kokoropress.blogspot.jp/2013/05/514.html
「何かしたい」――。篠原さんはGW後、SNSを通じて、「長須賀海水浴場復活大作戦!」を展開中だった「TSUNAGARI」(一般社団法人震災復興支援協会 つながり魚竜)と出会い、以後、毎週土曜日は浜の清掃活動などに参加します。
「この活動には全国からさまざまな方が来ていたので、知り合いもどんどん増えていきました。フェイスブックなどでもつながって、いろんな方たちとたくさん出会えた。それがうれしくて楽しくて……。ほんとうに『南三陸町に来てよかった』って思いました」

長須賀海岸海水浴場のオープニングの日。
安全を祈願してくださった「神様」と

『子ども海広場」OPEN! そしてさらなる〝つながり〟の予感』
http://kokoropress.blogspot.jp/2013/07/blog-post_23.html

〝仲間〟ができると、その輪はもう、広がっていく一方。
やがて周囲からも「アイツはやってくれるヤツ」と評されて、福島県南相馬市の草刈りボランティアや地区のお祭りへの応援出演など、篠原さんは、たくさんの人たちから声を掛けられる存在になっていきました。

名足小学校の引っ越しボランティアにも参加(後列右)

夏休みには、奥様と、6歳と3歳の二人のお子さんが南三陸を訪ねて来られました。
「その時、宮城や岩手の観光地へも連れて行ったのですが、あとで子どもに『どこがいちばん楽しかった?』って聞いたら『うたつのうみ! みなみさんりく大ちゅきー!』って言ってました(笑)」

  
篠原さんの派遣期間は12月まで。
今、篠原さんは、ご自身のボランティアへ参加のキッカケの一つとなった映画の、地元・南三陸町での上映会準備に携わっています。
そのイベントとは「『ガレキとラジオ』を南三陸町で再び観る会」。
12月22日、ベイサイドアリーナで開催される予定です。

「地元の人、ボランティアや派遣で来た人たちにも
ぜひ見てほしいです」(篠原さん)
https://www.facebook.com/gareraji.minasan



ここでもまた、応援の輪はつながっています。芸能事務所「ワタナベエンターテインメント」の協力も得られ、当日は、映画上映以外にも楽しいアトラクションを計画中だとか。

「南三陸町の魅力が描かれた、南三陸町を好きになる映画です。南三陸町の魅力は〝人のあたたかさ〟。町の人たち自身が、きっと気付かないでいる魅力を、映画を通じて知ってほしいですね」


篠原さんが撮影した上映会の告知写真。
町の人たちにもたくさんご登場願っています
伊里前福幸商店街の理髪店「カットクラブチバ」の千葉さん(上)と
志津川「おおもり食堂」のマスター渡辺さん

ボランティア仲間からは「永住してくれ~」と言われ、また、役場の課長さんをして「役場に来てくれたんじゃなくて、南三陸という町に来てくれた人」と言わしめた篠原さん。
そして、なによりご本人が、「南三陸町に来てよかった」とおっしゃっているのがいいです。

環境対策課の皆さんとご一緒に。
後列左から、佐藤勉係長、篠原さん、千葉晴敏課長、星力課長補佐、佐々木正彦技術主幹
前列左から、阿部碧主事、石野喜崇主事(愛知県豊橋市役所から派遣)

力を借りた人も貸した人も、心ひとつになれて、お互いに「こちらこそありがとう」と言い合える・・・・・・。

篠原さんと南三陸の仲間たちは、そんなステキな「絆」に結ばれています。

(取材日 平成25年10月30日)