header

宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

ヘッダー写真説明文

写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年9月13日金曜日

2013年9月13日金曜日14:02
こんにちは。kaiiです。
宮城県の県南に位置する山元町は自然豊かなとてもきれいな町です。
山元町産のおいしいお米と名産のサケの身とイクラを使った「はらこ飯」や地元産のホッキ貝を使った「ホッキ飯」も絶品です。イチゴの産地としても有名で優しい人の多いとても素敵な町です。

===================================

平成25年8月17日午後1時から、山元町の中央公民館大ホールを会場に、「笑顔が輝くこの町で~ピアノの音があなたと町をやさしく包む~」と題するピアノコンサートが開かれました。
主催は山元町内の有志が集まり結成した「TSUNAGU」有志の会、演奏したのは沢知恵さんです。
会場には町民など250人ほどが訪れ、ピアノと歌の生演奏を楽しみました。

会場には多くの人が来ていました
今回のコンサートは、「TSUNAGU」有志の会の横山純子さんが、平成24年12月にNHKEテレ放送でされた、ハンセン病の元患者の支援活動や東日本大震災被災地の支援活動をする沢知恵さんの活動のドキュメンタリー番組に感動し、沢さんに山元町でのコンサートをお願いしたことがきっかけで実現しました。

===================================

沢さんはコンサートの冒頭で、こう語りました。
「横山さんの故郷を思う熱い思いに感動しました。昨日、山元町に入って「TSUNAGU」有志の会の皆さんと、被災した町内を歩きました。津波に傷ついた思い出の多い学校や原っぱだったように草が生えている土地を見せていただきました。今日のコンサートを失われた命と傷ついた土地への思いを分かち合える機会にしてほしいと思います」

全国から山元町に寄せられた応援メッセージが、会場の中央公民館には飾られています

「浜辺の歌」「ふるさと」「じゃんけんの歌」など耳なじみのある曲を演奏しました。


『「TSUNAGU」』有志の会の横山さんに、コンサートで歌ってほしい曲があったら、1曲だけリクエストしてください」と聞きました。横山さんはしばらく考えてから、「浜辺の歌」とおっしゃいました。「え~?歌っていいの?」と戸惑いながらも、ひと晩考えて、歌うことにしました。よかったら、いっしょに歌ってください。きっと同じ姿ではなくても皆さんのふるさとは再生していきます。がんばりましょう」と沢さんは話しました。
会場に来た人たちと一緒に歌う沢さんの姿に涙を流す人も多くいました。

====================================

コンサート後、沢さんにお話を伺いました。

・被災各地で音楽活動をしていますが、被災地で受ける印象を教えてください。

「東北の人は優しいですね。東北に来るたびにそのことを再認識します。震災被災者には1人1人の物語があります。『被災者』とひとくくりにはできません。そのことを全国に伝えていくのが私の使命だと思っています。私が感じた潮騒の音や海が、東北の人たちにはどんな存在なのかも・・・もっと伝えていきます。今日はたくさんの方と出会えて本当によかったです。」

「大好きな宮城、母の住む宮城これからも宮城らしくずっと・・・」と沢知恵さん


「震災被災地から離れていると、『東北はもう復興したんでしょう?』と聞かれることもあります。人は自分の幸せが一番大切です。大変な出来事があったことを忘れていきます」

「復興は色々な意味でこれからです。東北の人はとても優しいからこんな状況でも他人に気を遣います。心に溜まったガスを上手に吐き出すことも大切です。たくさん泣いて笑ってほしいと思います。」とコンサート後に話しました。


=====================================

「TSUNAGU」有志の会の代表横山純子さんは、東京都在住です。発起人として地元の6人のメンバーと「TSUNAGU」有志の会を立ち上げました。
名前の「TSUNAGU」とは「今までの人のつながり」「これからの人のつながり」を意味し、町のつながりや人のつながりを大切にしていきたいという思いをこめて、メンバー皆で考えて付けました。

コンサート会場で沢知恵さんにサインを求める人たち
「ふるさと山元町を離れて生活していると震災があったことが少しずつ忘れられていくことを感じます。震災で傷ついた大切なふるさとに自分が何かできることが何かないかとふるさとへの思いが強くなりました」
と、横山さん。


「NHK・Eテレ福祉ポータルTV番組『ハートネットTV』で、沢さんが続けている香川県高松市の国立ハンセン病療養所大島青松園でのコンサートの様子を観ました。その活動に感動し、ふるさと山元町に沢さんに来てほしい。沢さんの歌で、震災で傷ついた山元町の人たちを少しでも元気づけてほしいと思いました」
と思いを話します。


そんな強い思いに突き動かされるように、横山さんは沢さんにメールで連絡しました。
沢さんは横山さんの熱い思いに共感し、山元町でのコンサートを開きました。

横山さんは毎月、休みを使って東京と山元町を行ったり来たりして今回のコンサートを実現させました。横山さんと「TSUNAGU」有志の会の人たちの準備の様子を知る多くの人たちもたくさん会場に来ていました。

====================================

来場者の一人で、町内の仮設住宅で生活をしている菊地さんは、「横山さんは、休みに東京と山元町を幾度も往復して一生懸命企画しコンサートを実現させました。横山さんの町を思う気持ちがとてもうれしい。故郷のためにがんばっている彼女の姿にとても励まされました。沢知恵さんのコンサートもとても素敵でした。いろいろな意味で涙が止まらなかったです」
と話しました。

コンサートに三世代で訪れていた菊地さん家族
コンサート終了後、コンサートに来ていた人たちが「よかったね~」と口々に話しながら、「TSUNAGU」有志の会の人たちと協力して会場の片付けを始めました。この様子にも、横山さんの思いを知る多くの人と人のつながりを感じました。

「TSUNAGU」有志の会のメンバーと発起人の横山純子さん(右端)
「それぞれのタイミングでそれぞれが満足する方向へ」
「人それぞれ進行速度やタイミング、価値観には違いがあります。自分にあった速度やタイミングで、満足のできる生き方で、自分の人生を生きることが大切」
横山さんは、こう考えています。

被災各地の復興はこれからの長い時間をかけて進んで行きます。
震災で図らずも変わってしまった人間関係。
人と人のつながりが大切にされていくことの大切さを、コンサートを通じて山元町の人たちから感じました。


沢 知恵 |Tomoe Sawa Official Site
http://www.comoesta.co.jp/


(取材日 平成25年8月17日)