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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年9月10日火曜日

2013年9月10日火曜日11:16
こんにちは。kaiiです。
日中と朝夕の気温差が大きくなり、すっかり秋を感じるようになりました。お変わりなくお過ごしでしょうか。

ミヤギノハギが咲き始め秋の気配を感じられる様になりました

東日本大震災から2年6カ月がたとうとしています。
「東北は復興したんでしょう?」などの声が聞かれます。
ボランティアに訪れる人も減り、震災の風化が確実に進んでいることを、被災地に住んでいても感じるようになりました。

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工藤望さんは、「社会貢献共同体ユナイテッド・アース宮城登米オフィス」で4人の仲間とともに「南三陸復興学びのプログラム」を企画、運営しています。

工藤さんは、
「被災地に住む私たちが、自分たちが経験した大津波の怖さやその後の生活について話すことが、たくさんの人に自分の命を守ること、防災についてを考えるきっかけになると思い、この活動をしています。このプログラムの運営の目的は『震災の風化防止』と『防災意識の構築』です」
と話します。


南三陸町立志津川小学校からの町内の様子(平成24年10月撮影)

工藤さんは、南三陸町志津川に嫁いで1年ほどで被災しました。大地震の後、すぐ1歳の娘さんと高台に避難して、町を襲う大津波を高台から見ていました。
南三陸町立志津川小学校の体育館に設置された避難場で子どもと一緒に避難生活を送りました。その後、町内の仮設住宅で生活を始めても、高台の小学校から見える壊れた町の様子がとても悲しく思え、町の復興のために何もできない自分にもどかしさを感じました。

南三陸町志津川小学校から見た町内の様子(平成25年3月撮影)

工藤さんは、南三陸町の支援に訪れたボランティアの人たちが工藤さんに掛けてくれる言葉に励まされました。
たくさんの人と話すことで、自分が震災から「生かされた」ことに気が付きました。

生かされた命を大切に、「南三陸町の復興のためになりたい」と強く思うようになりました。
小さな子どもがいる自分にできることは震災の経験を話すことだと考え、「南三陸復興学びのプログラム」の企画運営に参加しました。

工藤さんは
「震災という大きな痛みと大変な思いをして家族の大切さ、友人の大切さ、当たり前と思っているけれど実は当たり前でない普通の生活ができることの大切さに気付きました。私たちのような思いを他の誰にもしてほしくないと思います」
と話します。

震災からの復興工事の様子

「南三陸復興学びのプログラム」は、「被災地を見て、被災地に触れて、被災地を学ぶ」現地着地型の日帰りと1泊2日の2コースで週に3日(火・木・土曜日)に行われているプログラムです。



日帰りコースは、被災した南三陸町内をバスで回り、当時の被災の状況などを語り部から聞くことができます。語り部はこのツアーを企画運営する女性たちです。

日帰りコースには南三陸さんさ商店街での買い物なども含まれています。

1泊2日のコースでは、1日目はバスでの巡回、2日目は希望のある場所のガレキの撤去や草むしり、漁業の手伝いなどの作業などのボランティア活動をします。



「残念ですが震災の風化は進んでいます。ボランティアに町を訪れる人も少なくなりました。私たちの町が元気を取り戻すためにはまだまだ外からの力を借りなければなりません。1日も早く震災前の活気のある町に戻していきたいと思います」
と工藤さん。

語り部を出張で行うプログラムもあります

「語り継ぐ想い 伝えたい想い 未来へつなぐ想い」

震災後の平成24年3月から始まった「南三陸町復興学びのプログラム」には、平成25年7月までに延べ1000人の個人と1000件ほどの企業が参加しました。
語り部の語る被災体験に「涙が止まらなかった。今日と言う日が当たり前でないことを実感し、平凡な自分の1日がとても愛おしく感じました」と感想を話す女性客もいました。


「大地震と大津波で南三陸町は壊滅的被害を受けました。
この自然の引き起こした悲劇が忘れ去られないように」と
チリ共和国から南三陸へ贈られた「モアイ像」





「ボランティアに訪れる人が多かった時は、町に人の気配が多くあり町ににぎわいを感じられたし、話し相手になってくれる人も多くいたのに、ボランティアに来る人が減ってさびしく感じている」と話す高齢者がいることも、工藤さんが教えてくれました。

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震災の風化は確実に進んでいます。
私たちの中の防災意識にも少しずつ緩みが生じてきています。
平成25年8月30日からは気象庁が「特別警報」の運用を始め、命を守る行動が強く呼び掛けられるようになります。
私たちの生活は、大雨、地震、噴火など常に自然災害と隣り合わせです。

「南三陸復興学びのプログラム」の活動にふれ、被災地で暮らす私たちが自分の経験を話し、命を守る行動について語り続けることが、防災や減災につながっていくものと感じました。


南三陸復興学びのプログラム
hhttp://united-earth.jp/minamisanriku/program/


(取材日 平成25年8月24日)