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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年9月5日木曜日

2013年9月5日木曜日10:03
石野葉穂香です。

18年前の平成7年(1995)、阪神大震災が発生したとき、インターネットはようやく商用サービスが始まったころ。まだまだ黎明期でした。

でも、東日本大震災では、メールはもちろん、インターネットやツイッターが大活躍。安否情報はもちろん、刻々と変わる被災地の状況がいくつも発信されてたくさんの人たちに届き、情報は多くの人たちと共有することができました。
 
これも、現代ならではの『絆』なのかもしれません。

南三陸町の防災対策庁舎跡には
たくさんの花が捧げられていて
まだまだ多くの方の記憶に留められているようです


被災地には、見ず知らずの方々からも、物心両面でたくさんの支援が届けられました。
そうして結ばれた〝縁〟が、いつかリアルな出会いとなって実現したら・・・。
PCやスマホの画面の外で、実際に触れ合ったり握手することができたなら・・・。

『南三陸deお買い物』というネットショッピングサイトを運営されている伊藤孝浩さんも、そんなふうに「もっとたくさんの人と人との出会い」を願っていらっしゃる方のお一人です。


『南三陸deお買い物』は、町内で商売を再開しているお店と、取り扱う商品を紹介しながら、地元の商品を購入することができます。現在は20店舗を紹介しています。






同サイトのバナーと
夏バージョンのタイトルバックです

伊藤さんは南三陸町の歌津のご出身。
震災の当日はお仕事の関係で中国にいました。

ツイッターで情報を集めたり発信したりしているとき、埼玉県と北海道の方お二人と知り合い「信用できる情報だけをまとめて、それを発信できるサイトを作ろう」と意気投合。2011年4月「南三陸町支援情報ポータルサイト」を三人で立ち上げました。

続いて、商店などが再開し始めると「南三陸お店再開情報マップ」というサイトを仲間とともに作りました。そしてさらに、奥様が南三陸町の出身だというKさんという方が、システム構築に参加を申し出てくださいます。

そして、同年8月『南三陸deお買い物』がスタートしました。

「南三陸さんさん商店街」。
販売店、飲食店、理容店など30数店舗が軒を連ねています

伊藤さんは、2012年6月、帰国して南三陸町へ帰郷。
町内のお店を訪ねては、一人で取材・撮影・テキスト執筆などをこなしながらサイトを運営しています。

「でも、目指しているのは、モノを売るためのサイトではなくて、〝繋げるサイト〟なんです」と伊藤さん。

「もちろん売ることも大切ですが、発信したいのは物産の魅力と、それを作ったり販売している〝南三陸の人たちの魅力〟です」

伊藤さんの記事には、商品に込められた〝人の思い〟が乗せられています。
商品カタログ的ではなく、商店主の〝思い〟もまた大切に届けてくれます。
「生産者、出店者の〝思い〟が、買ってもらうことで繋がっていけたらいい。そして、いつかは実際に現地へ来てもらえたらって思っています」

人、モノ、そして地域のこと――。
今の南三陸にあふれている思いや情報を知ってほしい。


『南三陸deお買い物』を主催する伊藤孝浩さん。
「さんさん商店街」にあるお店も
何軒かはサイト上で紹介しています


サイト上の注文欄には、メッセージが書き込める欄があります。
そして注文の際に、何か一言、書き添えてくれる方は実際に多く、それらが店主の励みになっているそうです。

「以前は「買って支援しよう」という、どこか〝同情〟的な支えもあったかなと思います。でも、今は「商品がいいから」とか、店主やスタッフなど「あの人のお店だから」ということで買っていただけていると感じますね」


『南三陸deお買い物』サイト上で紹介されている
「及善蒲鉾店」さんです。
若き専務・及川善弥さんと、スタッフ阿部千史さん

お客さんとお店の人とが、情報交流しあえるページもこれからは作っていきたいと伊藤さん。
そして、人と人とが、もっと繋がって行ける〝場〟として、伊藤さんは今秋、『南三陸おらほの学園祭』という企画も準備中です。

「町を学校に見立てて、いろんな部活動をしていこうというもの。例えば小物作りをしているママさんは〝手芸部〟の部長さん、釣り体験プログラムを提供している漁師は〝釣り部〟の部長さん。
まずは町域の中で、いろいろな人たち同士を結び合い、そして域外へ全国へと繋げてきたいです。がんばっている人たちを紹介して、面白そうと思ってもらえたら、実際に会いに来てほしいなと思います」

「さんさん商店街」真ん中のフードコートに
飾られれている招きネコには寄せ書きいっぱい

『絆』という言葉が放つエネルギーも少しずつ変化しています。中には「〝絆〟っていうフレーズ、もう食傷気味」という方もいらっしゃるかも。

『絆』という〝言葉〟だけでは、日々変わりゆく被災地の現状を、まとめきれなくなってきているのかもしれません。

だからこそ、見に来てほしい、会いに来てほしい。
『絆』は、インターネットや報道の世界で「フレーズとして使われるもの」ではなく、「人と人とがリアルに結んでいかなければいけないもの」です。

秋のイベントもまた『ココロプレス』で告知させていただけたらと思います。
リアルな『絆』が深められて行きますように。


南三陸deお買い物
http://www.odette-shop.com/


(取材日 平成25年8月21日)