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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年9月25日水曜日

2013年9月25日水曜日11:31
こんにちは。Kaiiです。

東日本大震災から2年6カ月が過ぎました。
震災の時、心身に障がいのある人たちはどのように避難をし、避難生活を送ったのでしょうか。

高台の「福祉の里」にある障害者支援施設「第二高松園」
気仙沼市の東部、唐桑町只越の小高い場所に、社会福祉法人洗心会が運営する障害者支援施設「第二高松園(だいにたかまつえん)」があります。
施設長の熊谷眞佐亀(くまがい まさき)さんに、震災の時の様子と今後への備えについて伺いました。

障害者支援施設「第二高松園」入り口

熊谷さんは、

「障がいがある人が生きやすい社会が、私たちにも生きやすい社会だと思います。私たちは、障がいに対し無知であるが故に違和感をおぼえ、偏見や差別につながってしまうことがあります」

「共に生きる社会を実現するには障がいを理解することが大切です。私たちも年を重ねると体に不調や不自由を抱えるように、障がいを持っている方々も不自由を抱えており、支援を必要しています」

「第二高松園の利用者の多くは知的障がい(発達期に生じる障がい)を持っており、何かを判断したり、変化に適応する能力に不自由なところがあります。私たちと常識(価値観)が少し違っています。このことを『知的障がい』の特性だと理解すること大切です」

と話しました。


震災の時、利用者は大地震の発生後、職員の誘導ですぐに避難を開始しました。

普段の防災訓練では1次避難だけでも20分ほどかかっていましたが、発災の時は、施設が所有する車両を2次避難場所として、30分で避難を完了しました。
ちなみに車両を2次避難所としたのは、保温と安全確保のためです。法人全体で十分な台数を所有していたことが幸いしました。


二次避難に使った施設の車

高台にある施設からは津波は見えませんでした。
当時、働いていた職員は、町に大津波が襲来していることをラジオの情報で知りました。
施設利用者の安全の確保を優先しながらも、家族の安否や社会がどうなっているのかなど、大きなストレスと不安を感じました。

利用者はいつもと違う環境に動揺していましたが、社会が受けたダメージまでは理解していませんでした。

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施設で利用者の支援を続けるために必要なものは何か、熊谷さんにお伺いすると、「電力」「水」「食糧」「薬(向精神薬)」「オムツ」「排泄物の処理機能」「睡眠環境」と回答がありました。

①電力
人は暗闇に恐怖を感じます、照明環境が維持できることは利用者の心の安定のためには大切です。
病弱な方や体力的弱者が多い障害者施設においては、冷暖房を確保することで健康状態を良好に保つことができます。
反射式ストーブなどは火災や火傷等のリスクはありますが、電力供給が絶たれた場合は有効な機器といえます。
いずれにしても電力確保は災害時の施設運営の課題となっています。

②水
食事提供や清潔環境の維持などにも欠かせません。水がないと薬も服用できなくなります。

③食糧
食糧は震災前から地域から避難してきた人の分も含めて備蓄していましたが、全く足りませんでした。震災後は災害時における支援物資が届くまでのつなぎとして、備蓄量を増やしています。
施設はプロパンガスだったのですが、安全が確認できるまで数日間は使うことができませんでした(数日後、専門業者の支援によりガス機器が使用可能となりました)。
ガスが絶たれた場合などは竈(かまど)や薪は大変有効な熱源です。

④薬
向精神薬は同種の薬であってもメーカーにより効果が変化する場合があります。また、副作用等のリスクがあるので、利用者が服薬している薬の確保が大変でした。できれば2週間分以上備蓄できることが理想です。

⑤オムツと排泄物の処理
排泄物や汚物の処理も、断水で水洗トイレが使えない環境では難しい問題でした。震災時は総勢100名近い避難者の排泄物を、裏山に穴を掘って処理していました。
もしも裏山がなかったらと思うと…。
オムツも備蓄していたもので支援が届くまではしのぎましたが、使用済みのオムツが屋外に山積みとなってしまいました。

⑥睡眠環境の確保
安全に眠れる環境は、利用者一人一人で違います。利用者が安心して眠れる環境の確保も難しい問題でした。


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最後に、今後の施設には何が必要かを尋ねました。

「利用者に安全に生活を続けてもらうには電力は大切です。ソーラー発電の設置など再生可能エネルギーの利用などで、緊急時でも電力が確保できるようにしていきたいと思います」


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kaiiも震災当時、避難所で生活をしました。認知症の人や多動な人、奇声を発したり、独語を続ける人がいました。その人たちが自分の世界の中にいることを私は理解していませんでした。

まず、私たちがすぐに取り組み改善していきたいのは、マイノリティーと呼ばれる人たちを理解することです。
「普通」と少し違う行動をする人を理解する努力をせずに「偏見」のまなざしを向けてしまうことをやめる努力が必要です。

障がいを持つ人は、私たちと少し違う個性を持っていると理解し、彼らが生きやすい環境が整うことが私たちにも生きやすい環境になることの理解を進めていければと思います。


(取材日 平成25年6月13日)