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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年8月2日金曜日

2013年8月2日金曜日18:31
YUUです。


ココロプレスでは、産学官連携により東北の復興、新生を目指した事業に取り組む復興大学の活動をたびたび取り上げてきましたが、今回は柱となる4事業の1つ「災害ボランティアステーション」の事務局を務める東北学院大学の活動を紹介したいと思います。

東北学院大学が事務局を務めている大学間連携の災害ボランティアネットワークは、年々、その結びつきを強め、連携する大学数も増加しています。

災害ボランティアネットワークは、学都仙台コンソーシアム加盟大学と東北学院大学が震災後に構築したもので、被災地の外も含めて89の大学が加盟しています。今年も8~9月の期間に宮城県気仙沼市、南三陸町、山元町にそれぞれ数日間の泊りがけのボランティア活動を行う予定です。


平成24年度、大学間連携災害夏季集中ボランティア、気仙沼プロジェクトの参加者たち

今年度の夏季集中ボランティアの活動内容は、多岐にわたっています。

まず、気仙沼市と南三陸町では、被災企業で数日間の職業体験をする復興支援インターンプロジェクトが予定されています。

大学間連携の特性を生かしたこのプロジェクトでは、被災地外の大学生が、被災地の企業で数日間の職業体験を行い、被災地および被災企業の現状、復興の進捗、課題等について学びます。

その体験をもとに、参加学生が各大学へ戻った後、パネル展示やインターン報告会などを実施して、体験し、学んだ被災地のさまざまな情報を幅広く発信することを目的としています。



東北学院大学学長室事務課(ボランティアステーション担当)の其田雅美さんは、復興支援インターンプロジェクトについて、次のように話してくれました。

「被災地における他のボランティアプロジェクトについても同様のことが言えると思いますが、インターン体験では、『被災企業での職業体験』を通じて、参加した学生たちが、被災地の現状、課題等を被災地域外で幅広く情報発信することを具体的な目的としています」


気仙沼市復興支援インターンプロジェクトの活動期間は5泊6日です。
連携団体は復興庁宮城復興局、気仙沼市、気仙沼商工会議所。受入企業は(株)足利本店、(株)阿部長商店、(株)加和喜フーズ、(株)斉吉商店、(株)中華高橋水産、(株)八葉水産、(株)フジミツ岩商の7社が名を連ねます。


南三陸町復興支援インターンプロジェクトの活動期間は5泊6日です。
連携団体は復興庁宮城復興局、南三陸町。受入企業は伊藤(株)、(株)及善商店、(株)カネキ吉田商店、(株)行場商店、マルアラ(株)及川商店、(株)ヤマウチの6社です。

昨年までのプロジェクトの情報発信の具体例としては、参加大学の大学祭などで、パネル展示や報告会を実施。震災前と震災直後と現在の定点写真を比較して、被災地の復興状況や現状、被災地の経済、観光客の入込等の震災前後の変化についての周知などを行ったといいます。

「参加大学の大学祭で模擬店を出店し、被災地産品を食材とした料理を多数の来場者に提供する試みなども、すでに複数の大学で行われました。被災地産品の広報活動という側面とともに、新規需要の喚起につながるような食材の新しい調理法、新商品の開発を提案する試みなども報告されています」

新商品開発の一例ですが、参加した広島県の大学が提案、情報発信したことで、宮城名産ずんだベースの広島名産もみじまんじゅうが発売されたそうです。

「インターンプロジェクトの参加者の中には、この体験が契機となって、進路選択の幅が広がったと話す学生も増えているようです。受入れ先企業、および被災地への就職を進路選択の希望に加えるような学生も出てくることを期待して、このインターンプロジェクトを実施しています」


次に、被災地に宿泊する夏季集中ボランティアは、職業体験のインターンプロジェクト以外にも2つのプロジェクトが予定されています。

気仙沼市・唐桑町プロジェクトは、4泊5日で気仙沼市の唐桑半島を中心に津波の被害を受けた古道・遊歩道の整備活動、海岸清掃活動、漁業支援活動、地域祭事支援活動などを行います。


県南地域では、山元町プロジェクトが予定されています。活動内容は畑の土中にあるガレキ、ごみ撤去、ビニールハウス設営の手伝い、被害に遭った家屋内外の片付け、イチゴ農園のお手伝いなどを行います。


昨年度の気仙沼漁業支援の様子

震災から3年目を迎えても、被災地におけるボランティアのニーズはいまだに高いといいます。

山元町の農地復興活動や気仙沼漁港清掃活動などは、東北学院大学災害ボランティアステーションを立ち上げた当初から定期的に行ってきている支援活動ですが、ステーションでは、大学生と教職員がともに試行錯誤することによって、多様なニーズに対応してきました。

学生たちのがれき処理活動

其田さんは、ステーション立ち上げからの歩みを次のように振り返ります。

「ステーション設立当初は、仙台市社会福祉協議会が中心となって設立した仙台市災害ボランティアセンターに協力し、大学生を中継していくことを目指しました。その後は、さまざまな組織との連携体制をとることによって、ステーションとしての独自の活動を展開することも可能となり、ステーションの役割・機能も広範囲に及ぶようになってきました」

仙台市若林区五橋の仙台福祉プラザ内にある仙台市災害ボランティアセンターと、東北学院大学土樋(つちとい)キャンパス内のステーション事務局は、徒歩で移動できる距離です。とそれぞれの活動拠点が近いこともあり、其田さんによるとステーションの設立以来、互いに「ウィン・ウィン」の関係で連携、活動の場を広げてきたそうです。

復興大学は、学都仙台コンソーシアムが基盤となっていますが、東北学院大学が事務局を務めるステーションのボランティア活動にも、全国各地に学校連携が基盤となるコンソーシアムが設立されていることによって、その加盟大学の学生達が、プロジェクトに参加しやすい環境が整えられつつある状況す。

被災地でのボランティア活動に参加するときに足かせの一つとなる交通費の経費については、参加大学から仙台までの往復交通費をステーションがサポートする(復興支援インターンプロジェクトの対応)など、東北学院大学は、さまざまなバックアップ体制を敷いています。

参加大学の中には、福岡県の大学のように、遠方からの交通費を全額サポートするケースもあったといいます。

また、仙台から活動地への移動に関しては、東北学院大学がマイクロバス等を用意。活動期間の宿泊施設も全て完備されています。

「復興支援が前提にあることは当然ですが、学生ボランティア活動の大切な側面は、参加者たちに座学だけでは学ぶ機会の少ない活動を行っていただき、学生間、社会交流を通じて成長していただくことです。そのため、各プロジェクトでは、ディスカッションができる機会も積極的に設けるようにしています」


「大学生」ならではの復興活動を側面から支える
東北学院大学ボランティアステーション担当の其田雅美さん

復興活動にはさまざまな形があると思います。

それぞれの立場でできること、継続していくこと、被災地外への必要な情報を発信し続けることが、長いスパンでの復興への取り組みを考えるうえで、大切なことではないでしょうか。


東北学院大学が事務局を務め、推進してきた大学間連携災害ボランティアネットワークによる大学生の夏期集中ボランティアは、活動そのものが被災地への有効な手助けになるだけではなく、参加者を成長させ、被災地外へのメッセンジャーとして送り出す役割を担っています。

東北学院大学ボランティアステーションでは、紹介した夏期集中ボランティア以外にも、1年を通じて、宮城県内の各地域で、さまざまなボランティア活動に取り組んでいます。


活動の案内や問い合わせは、下記ホームページで。

東北学院大学災害ボランティアステーション
www.tohoku-gakuin.ac.jp/volunteer/


(取材日 平成25年7月22日)