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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年8月8日木曜日

2013年8月8日木曜日14:13
石野葉穂香です。

私と妻は、ともに大阪の大学出身で、知り合いには、阪神大震災を経験したという人がたくさんいます。

「明日、仙台に出張やねんけど、空港の近くで、どっか献花できるところってない?」
「東北へ旅行に行ったとき、亡くなった方にお花をあげたい思うてます。どこかそういう場所、ご存じですやろか?」

震災から2年5カ月が過ぎましたが、そんな風に尋ねる友人・知人が、まだたくさんいます。
震災直後には「わしらは震災の先輩や」「みんなで分けてや」と、物資を送ってくれたりもしました。

そして、今も、宮城のことを思ってくれている。亡くなった方々を悼んでくれている・・・。
彼らの気持ちに感謝しながら、献花台のある場所を教えてあげたりしています。

立秋も過ぎて、もう週末はお盆です。
帰省される方、家族揃ってという方、そして夏休みの旅行で宮城へ来られる方も多いのではないでしょうか?


夏雲の影の下、3.11の姿は、まだまだ濃く深く残されています。
「被災地を訪ねたい」「花を捧げたい」
県外の方が訪ねて来られたとき、ご案内できそうな仙台周辺の慰霊碑や献花台などをまとめてみました。

あらためて、あの日のこと、あれからの日々のことを、もう一度、思い出してみませんか?


仙台市立荒浜小学校の校舎周辺も
深い夏草に覆われていました(仙台市若林区)
※現在、荒浜小学校は同区内にある仙台市立東宮城小学校の校舎で
活動を行っています。

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●山元町 中浜地区慰霊碑「千年塔」

がらーんとした空間。
山元町内でも被害の大きかった地区です

慰霊碑「千年塔」が建立された場所は、津波で壊された旧中浜小学校の校舎跡のそば、以前は中浜墓地があったところです。周りには民家もたくさんありました。
今はただ、雑草に覆われて、ガレキや土砂を積んだダンプカーがほこりを舞い上げて走り過ぎていくばかりです。

御影石製の「五輪の塔」、お経が刻まれた石製の摩尼車(まにぐるま)、そして震災で犠牲になった地区の住民137名の方の名前を刻んだ「慰霊碑」が併設されています。

平成25年3月に閉校した中浜小学校。
壁の青色の看板は津波が到達した高さを示しています。
向う側はもう海です

海までは300mほど。耳を澄ませば波の音も聞こえてきます。
国道6号線からは車で約5分。旧中浜小学校を目印にお訪ねください。

荒野のような風景の中に、校舎と慰霊碑がぽつんと・・・。
数㎞先はもう福島県相馬市です

駐車スペースはありますが、お手洗いはありません。

※なお、旧中浜小学校から、さらに南へ少し行った磯地区にも、住民45名の名前を刻んだ「慰霊碑」があります。


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●亘理町 荒浜地区「鎮魂の碑」
傍らの鉄塔は太陽光発電を利用した街灯。
上部に「津波浸水ここまで」と表示されています
太平洋に面した汽水湖として知られ、野鳥の楽園でもあった亘理町の「鳥の海」。その湖岸にある荒浜漁港のすぐ近くです。

高さ約2mの御影石製の五輪の塔と、慰霊の言葉と後世への教訓を刻んだ石碑が、荒れ地となってしまった旧街区の中に建っています。

以前は商店や民家が軒をそろえ、
街並みが続いていました
周囲には町の花である
サザンカの苗木も植えられました

荒浜地区を襲った津波の高さは、一説では15m超とも。地区では住民151名の方が亡くなりました。
でも、「ほっきめし」や「はらこめし」など、美味しい郷土の味も復活しつつあります。この大地に、またにぎわいが戻ってくることを祈っています。

専用の駐車スペースや、お手洗いはありませんのでご注意ください。

※なお、吉田浜南の海蔵寺の山門にも、6つの行政区(浜吉田北・浜吉田西・浜吉田東・吉田浜北・吉田浜南・野地)で亡くなった43名の名前が刻まれた「慰霊碑」があります。


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●名取市 閖上日和山神社

標高6.3mの日和山。
津波はこれより約2m高かったと言われています


標高6.3m、海までは約700m。山頂には、震災前から祀られていた「富主姫(とみぬしひめ)神社」(祭神は海を守る弁天様)と、震災後に遷座した地域の氏神様「閖上湊(ゆりあげみなと)」の二社が鎮座しています。標高こそ高くはありませんが、地元の方にとっては昔から大切な場所でした。

2つの神社が復興を見守っています
北側の眺め。
遠くに見えるのは名取川の水門です

頂きから見晴らせば、悲しいほど何もなくなってしまった閖上地区の、がらんとした風景が広がっています。でも、今春には名物の朝市が復活したという明るいニュースもありました。
神様は、日々変わりゆく閖上を、ずーっと見守り続けてくださるはず。

駐車スペース、簡易トイレ、売店、東屋、臨時の社務所などがあります。


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●名取市 閖上中学校献花台

津波はこの辺りで約2mだったそうです。
亡くなった方は、校舎にたどり着く前に、波に遭遇してしまいました

県道10号から閖上港方面へ入ってすぐ右側です。閖上地区では800名近くの方が津波の犠牲となり、閖上中学校の生徒も14名が亡くなりました。
当日は卒業式でした。地震発生時には、式はもう終わっていましたが、卒業生48名中3名の方が、周辺で津波に飲み込まれてしまいました。
「いつも一緒だよ」
誰しも心の中に、ずっと生き続けている大切な人がいるはず・・・
一年生4名、二年生7名、
三年生3名が亡くなりました


あの日、市の指定避難所だった「閖上公民館」に避難した人たちは別の指定避難所である「閖上中学校」に移動する途中に津波に襲われました。


中学校は、窓ガラスも割れ、校舎正面の時計は2時46分で止まったまま。
建物は、今もがっちりと建っています。避難さえ間に合っていれば・・・と、つい、思ってしまいます。

学校の前に震災時の資料を展示するプレハブの施設があり、駐車スペースとトイレもあります。


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●仙台市若林区荒浜 観音像「慰霊の塔」と慰霊碑

観音像の後ろ、砂浜まではもう50mほど。
以前は美しい松原が左右に続いていました

仙台市内から東へ一直線。仙台では昔から「海水浴ったら深沼だべ」と、昔から市民に愛されてきた荒浜の深沼海水浴場。その後背地、今ではまばらな松林の中に、高さ9mの観音立像「荒浜慈聖観音」と、黒御影石製の「慰霊碑」、そして高さ2.5mの木製の「慰霊之塔」があります。

 慰霊碑には、荒浜を含む七郷地区の犠牲者189名のお名前と、交通誘導中に津波にのまれて殉職した仙台南署荒井交番の渡辺武彦巡査部長の名前が刻まれています。

内陸側の眺め。真ん中の建物は旧荒浜小学校。
よく晴れていれば仙台市内の高層ビルも見えます
私や私の子どもと同い年の方もいらっしゃいました・・・

将来計画では、荒浜には海岸公園が整備される予定とか。慰霊碑がその計画に支障をきたさなければ、ここに永く残されるものと思われます。

波音を背に聞いて、荒浜の空き地を見つめる観音様。
またいつか、海遊びの歓声が、浜に戻ってくるといいなあと思いました。

数台の駐車スペースと仮設トイレが2基あります。


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●仙台市宮城野区 蒲生地蔵様と震災慰霊の塔

右手は七北田川の堤防。河口もすぐ先。
そして彼方の松の木のあたりはもう蒲生干潟です


 七北田川河口近くの左岸。中野小学校の校舎があった場所のすぐそばに、昔から地域の人たちの信仰を集めていた「蒲生地蔵様」があり、その傍らに「慰霊の塔」が建っています。

 あの日、中野小学校へ避難してきたのは児童約150名、住民約450名の合計約600人。津波は2階の床まで押し寄せました。幸い校舎内で亡くなった方はいませんでしたが、地区全体では151名の方が犠牲になりました。

お地蔵様も首がもげ落ち、台座も向きを変えてしまったそうですが、今では修復され、屋根もかけられています。
お地蔵様のほか、馬頭観音碑など
民間信仰碑も立っています


「慰霊の塔」の向こうは、野鳥の楽園だった「蒲生干潟」です
津波で壊滅的な打撃を受けて復元は絶望と言われた蒲生干潟ですが、貝類などが戻ってきて、今では驚くほどの回復ぶりを見せているのだとか。

「再生――」。
干潟は、自らの傷を、自らの力でゆっくりと癒やし始めているようです。

駐車スペースは数台分。トイレはありません。

※なお、かつて漁師が干潟近くに盛土で作った「日和山」は、津波で流されてしまいましたが、山の跡地には、慰霊の際に石を積み上げに来る方もいて、そのケルンは日ごとに高さを増しています。


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■献花に行かれる方へ。
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現地では、以下の点にご留意いただきますようお願いいたします。

◆ご紹介をした被災地域は、工事関係の大型車両の通行量がたいへん多くなっています。道が狭い箇所も多いので、運転には十分ご注意ください。

◆駐車スペースには限りがあります。やむを得ず路上に止める場合は、道幅や交通量、歩道、標識など周囲の状況に十分ご注意ください。

◆お手洗いのないところがほとんどです。事前にお済ませください。

◆お花や供物はとても傷みやすい時期です。鳥や野生動物や虫なども多いです。お参りが終わりましたらお持ち帰りください。
 後片付けは地元の方々の負担となりますのでご配慮とご協力をお願いいたします。

◆付近には立ち入り禁止の場所も多いので、そうした場所へは立ち入らないようにしてください。


(取材日 平成25年8月7日)