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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年8月5日月曜日

2013年8月5日月曜日20:00
こんにちは、Chocoです。

7月30日、女川湾に千石船が寄港しました。


その姿は、貫禄があり、その空間だけ時間が止まっているような、そんな雰囲気でした。


千石船(弁財船)は、中世末期の安土桃山時代から江戸時代、明治にかけて日本での国内海運に広く使われた大型木造帆船です。
2005年、青森市の公益財団法人「みちのく北方漁船博物館財団」が千石船を現代に復元させました。
復元北前型弁財船「みちのく丸」は、全長32メートル、幅8.5メートルで、米を1000石(150トン)を積むことができます。

「千石船東廻り航路文化交流」のため、7月19日に青森を出港し、太平洋岸側を渡り、東京有明埠頭を目指す航海です。
その途中、復興と鎮魂を祈願するために、被災3県の港へ寄港しました。

青森港を出航し、岩手県では、釜石や大船渡に寄港しました。


宮城県では、女川町女川港にやってきてくれました。
30日に行われた寄港セレモニーには、多くの地元の方たちが集まりました。
オープニングを飾ったのは、女川潮騒太鼓 轟会の皆さんの演技でした。

須田善明女川町長が、みちのく丸の寄港への感謝の気持ちをお話しました。
「—私たちは、さまざまな困難がまだまだ続いている。先人たちはいろいろな努力を払って困難を乗り越えてきた。だからこそ今を生きる私たちが乗り越えられないわけがない。脈々と地域の魂、日本の魂は受け継がれてきたんだ。
「みちのく丸」の寄港は、そういうことを思い出すことができる、勇気を与えてくれた。
今回、もらった多くの勇気を力に変えて前に進んでいきたい—」


次の演技は、女川港大漁獅子舞まむし」の皆さんです。
「今回は、来ていただいた皆さんの安全のために演技します!」と、力強い挨拶で演目が始まりました。


獅子が木村透船頭(左)や乗組員のところへやってきて、一人一人の頭をかみます。
獅子にかまれた人は、無病息災でこの一年 元気で過ごせるという言い伝えがあります。
今回は航海への安全祈願も入っています。

勇ましい獅子の横に若い獅子がいました。


若い獅子も会場に集まった人たちの無病息災を願い、かみます。

須田町長もかんでもらっていました。

青森県の木村船頭や須田町長など関係者と共にテープカットが行なわれました。

その後、船内見学会が行なわれ、多くの人たちが並んでいました。
お客さんたちは、木造で作られた千石船の中をゆっくり見て回っていました。

その横には、メッセージの書けるスペースがありました。
被災地からのメッセージを東京へ送ってくれるそうです。


そこへメッセージを書いている小学生に会いました。


「みちのく丸」で寄港した方々へ女川を代表して、彼らからメッセージがあります。
「きれいなふねを見せてくれて、ありがとうございます」
新田 湊くん

「みちのく丸をみせてくれてありがとう」
岡 鈴之助くん


会場にいた多くの子どもたちは、迫力がある船を眺めていました。
その瞳はとてもキラキラしていました。


女川町は、復旧作業が進んで、日に日に風景も変わりつつあります。
その反面、まだまだ生活での不安、問題が残っています。
先代の船大工の丁寧な仕事で頑丈に作られた千石船は、長い航海に耐え、船員の的確な舵さばきでさまざまな苦難を乗り越えてきました。
その姿を想像することができる千石船「みちのく丸」を見ることができ、そして、女川町に来てくれた青森の方々の温かさに触れて、勇気をもらった人も多くいると思います。

2005年に建造した復元船「みちのく丸」は、2度ほど渡航をしたそうで、木造で老朽化が進んでいるため、今回が最後の航海になるかもしれないと、関係者の方が教えてくれました。

メッセージをくれた湊くんと鈴之助くんが言った、
「ありがとう」
これが、女川町民の皆さんからのメッセージです。

さまざまな困難を乗り越えた先人たちが私たちの歴史に多くのことを刻んできました。
現在、女川や被災地の皆さんも、困難な状況の中、元の生活に戻るために、もしくは、もっと良い町にするために・・・多くの人が人のため、町のため、地域のために一生懸命頑張っています。
そして、将来、復興した町をみて、
「先人たちは、大きな被害を受けてもこんなにすばらしい街を作り上げたんだ!!」
と、今回の船を見て思ったように人々は口にすると思います。



30日の夕方、みちのく丸は女川港を後にし、翌日には福島県のいわき市の小名浜へ寄港しました。
現在、東京の有明埠頭へ向かって渡航中です。

近代都市東京へ、ゆっくりと向かうみちのく丸。
どんなにきれいで立派な大型客船を見ても、負けないくらいの貫禄ある「みちのく丸」、ぜひ、東京近辺に住んでいる方は、8月5日は有明埠頭でみちのく丸の到着を見に行ってみてください。

歴史の重みを感じることができます。

(取材日 平成25年7月30日)