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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年6月19日水曜日

2013年6月19日水曜日19:08
石野葉穂香です

気仙沼が「星のきれいな街」だということをご存じだったでしょうか?

環境省などが主催する肉眼や双眼鏡による星空観察「全国星空継続観察」で、気仙沼市は全国2位になったこともあります。
夏には唐桑半島で「半造星まつり」、秋には市民の森で「気仙沼星まつり」といった星に関するイベントも催されています。

「夕方から晴れそう」という予報を聞いたその日、ふと思い立ち、空広く見晴らせる気仙沼の山あいに出掛けてきました。
ところが、天気予報は外れ、午後が深まるほど、雲は厚くなっていきました。

安波山は、航海の安全と大漁を祈願して
命名された、港町・気仙沼のシンボルの山。

写真は市役所の裏手、星空や夜景の好展望地である「安波山(あんばさん 239m)」からのもの。
まるでヤマセ※の霧のように、海も街も乳白色に包まれていました。

※「ヤマセ」とは、春から秋にかけて北海道、東北、関東の太平洋岸に吹く冷たく湿った季節風。濃霧や冷害をもたらすことがあります。


星空を眺めるのは諦めて「復興屋台村 気仙沼横丁」へ。
「フカヒレスープの試飲、どうぞ~」
左手入り口近くに店舗を構える「浜市水産」のご主人・村上昌直さんが声を掛けてくださいました。

フカヒレ、紅鮭、気仙沼ホルモンなど
加工品は冷凍のまま地方発送もできます

村上さんのお店は、震災前は水産物流通センターにありましたが、被災後、こちらの復興屋台村に移転。現在は、鮮魚は扱わず、冷凍モノと加工品が中心です。
「お店の大きさが4分の1になったんです。鮮魚は置きたくてもスペースがなくて」
また、鮮魚は仕入れ価格も高騰し、扱いにくくなっているのだとか。

「復興屋台村も契約は2年。今度の11月で終わり。新しい場所が見つからなきゃ廃業かな」
と、ちょっと寂しそう。
「んでも、市の方でも土地探し、してくれてるんだ。次の場所があれば、続けます」
この道37年。津波をくぐり抜けた港の男は、そう簡単にはあきらめません。

「星を見サ来た? そりゃ今日はムリだべ(笑)。でも、屋台村にも“星”がいるよ。ほれ、この人サ」
と指をさされて、奥さんの光代さんも大笑い。
お二人は、それぞれ希望を相照らし合う、きっと星のような存在なのでしょう。
お二人りのご健康とご盛業をお祈りして、記念撮影をさせていただきました。

「復興屋台村 気仙沼、がんばってます!」

私も諦めずに、一瞬、夕空が少し明るくなった気配を察して、再び安波山へ。
雲の底は少し高くなっていましたが、やっぱり星は見えず――。
見下ろすと、港町はだんだん夜景に。港に落ちて揺れる灯影もちらほらと。

真ん中の光の集まりが「復興屋台村」。
震災前と比べたら、でもやっぱり夜景は
ちょっと寂しくなりました。

真っ正面に、復興屋台村の灯りが見えます。
まるで地上にきらめく小さな星雲のように――。んっ?

思い出しました。
気仙沼には、もう1つ「星」があったことを。
山を下りて、もう一度、復興屋台村へ。
「男子厨房 海の家」さんというお店に押しかけ、お客様にお願いし、その「星」を撮らせていただきました。
こちらの写真です。

漆澤さんご一家
「モーカの星」を食べて、ますますお元気で

モデルになっていただいたのは、一関市からお越しだった漆澤昌重さんのご一家。
昌重さんの誕生日と「父の日」のお祝いを兼ねて、今日は気仙沼の海の恵み「モーカの星」で乾杯です。
「撮ったら食べでね~。いやあ、誕生日にこんな出会いがあるなんてうれしいです(笑)」
そのままご相伴となりまして……。いえいえ、こちらこそ、楽しかったです。

ちなみに「モーカの星」というのは、地元で「モーカザメ(毛鹿鮫)」と呼ばれるネズミザメの“心臓”のこと。
ネズミザメは「マフカ(真鱶)」ともいい、それが訛って「モーカ(モウカ)」。
マアジ、マダイというみたいに「マ」というのは英語の定冠詞「THE」と同じで、いわば「サメの中のサメ」なのです。

気仙沼と言えばフカヒレが有名ですが、地元では、もちろん他の部位も食べます。
カツオやマグロの心臓を「ホシ」と呼ぶ地方もあります。
ただし鮮度が命なので、海辺でしか味わえない珍味。

モーカの星(500円)は酢味噌でいただくのが定番。
レバーのように色は真っ赤でなんだか血生臭さそうですが、
臭みはなくて、さっぱり品のいい味わい。
おすすめは酢味噌ですが、
わさびやニンニク醤油、ゴマ油と塩でもおいしいです。
漢方には「同物同治」――身体の不調な部位を治すとき、それと同じ部位を食べればいい、
という考え方があります。
「モーカの星」を食べると、循環器としての機能強化のほか、
なんだか“ハート”が強くなれそうな気がします。

夜の「復興屋台村 気仙沼横丁」。
6軒の物販店と16軒の飲食店があります
なお、「安波山」は5合目まで車で行けます。

駐車場に車を置いて、夜10時まで点灯されるフットライトに沿って歩いて登って行くと、
6合目の「ひのでのてらす」や、8合目の「ほしのてらす」などがあり、
夜景と溶け合う、美しい星空が眺められます。

特にこれからの季節は、
「さそり座」の“心臓”――アンタレスの赤い光が、街の上に輝いている様子が見られるはず。

「星」と出合う港町。
ほっこりと“ハート”を温めに出掛けてみませんか?

また、今月23日は、月が地球に最接近する「スーパームーン」の満月です。
最遠の満月よりも14%も大きく 30%も明るく見えます。

海と街を照らす満月の光も楽しみ。梅雨晴れに期待したいです。

(取材日 平成25年6月15日)