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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年6月24日月曜日

2013年6月24日月曜日13:25
えみです。


東日本大震災において津波の被害が大きかった仙台市若林区荒浜地区に足を運び取材して来ました。


この地区は、津波による塩害で土の質が変わってしまったために震災後1年は作物が収穫できず、農家の人は大変苦労したそうです。そして2年経過した現在でも農地にはたくさんのガレキが土の中に埋まっている状態です。
このような状態では当然農作物は育ちません。


今日は、若林地区の「復旧から復興へ、そして地域おこし」までをコンセプトに掲げて支援活動を行っている一般社団法人 ReRoots(リルーツ)代表の広瀬剛史さんに話を伺ってきました。


昨年の6月にもココロプレスのnabeさんがReRootsを取材しております。(こちらです。
今日は、その後の活動状況や今後の課題点なども聞いて来ました。




ReRoots(リルーツ)のボランティアハウスは、
今年1月に
仙台市若林区荒浜に拠点場所を移転し活動しています。

ReRoots(リルーツ)代表の広瀬剛史さんの話の要点をまとめました。

震災後、川内コミュニティーセンターに避難したメンバーが集まって運営ボランティアグループが結成されました。この運営ボランティアグループがReRoots(リルーツ)の母体となります。震災後、広瀬さんは避難所で支援活動を続けているうちにある1つの問題点に気づいたそうです。それは自分たちも含め、ほとんどのボランティアグループが被災者に対して、物資などの配給だけにとどまり本当の意味で被災者の気持ちに寄り添っていないのではということです。
上から目線ではなく当事者目線に立ち、被災した時に何が一番重要なのかを考えるとその人の生活の再建をサポートすることだと実感しました。同時に地域コミュニティの大切さも感じたそうです。

避難所からスタートしたボランティアグループでしたが、今後もこのメンバーで復旧、復興活動を継続していこうと決意しました。2011年4月18日、ReRoots(リルーツ)の出発地点です。

ReRoots(リルーツ)が結成された当時から掲げる被災者に対しての支援活動への考え方。
1.相手の立場になって支援すること。
2.被災された方も社会的尊厳を持っているので、被災された方の力を引き出すための支援。
3.力を引き出してこそ被災者に対しての本当の意味での支援につながっていくという考え方。




ボランティアハウスの庭には
チェンソーデザイナーが流木で作った木彫りの作品が置いてありました。

震災後は多くの地域で復旧、復興活動が求められました。

しかし、その中でもReRoots(リルーツ)が着目したのは、宮城県有数の農業地域である仙台市若林区でした。この地区に住んでいる人たちにとって生活再建とは、営農再開を整えることです。
ビニールハウスの設置、工作機械、作業場の確保、そして田畑を元通りにするまでの人材確保など、農業を再建するまでには長期的に多くの支援が必要であると考えたからです。



ReRoots(リルーツ)のミッションに賛同してくれる企業やNPOの支援も受け、今年1月には拠点施設として仙台市若林区荒浜に「ボランティアハウス」を構えました。

ここを拠点活動としてこれまでに農地の土おこし、ガレキ撤去など農地を中心とした復旧作業を行って来ました。震災後から累計で約2万人もの多くのボランティアの方たちに来ていただきました。本当に感謝でいっぱいです。(広瀬代表)


 
       県内外から応援に駆けつけたボランティアの方たち。 
       ボランティア同士でもつながりができ、リピーターが多いとのことです。
       今日は9名の方がガレキの撤去作業をしていました。
       ごくろうさまです。


土の中を掘り起こすと、まだたくさんのガレキや家財道具などが出てきます。

これまでは地元の農家の方々のご協力もあり、ReRootsファームとして遊休地を使った野菜づくりや2つの市民農園(荒浜狐塚農園、三本塚市民農園)をオープンすることができました。ここでは単に農作物を作ることだけが目的ではなく、この土地にたくさんの人が集まり地域コミュニティ再生のきっかけになればと地域に根付いた活動をしてきました。(広瀬代表)






地元の農家の要請があればReRoots(リルーツ)のボランティアの方は応援に駆けつけ、農業のお手伝いをします。若林区荒浜で農業を営む松本さん宅を取材させていただきました。

ボランティアの方がビニールハウスの中で、1つずつ丁寧に菊の苗を植えていました。


津波による塩害被害で土の質が変わってしまい、震災の年は田んぼが全くだめでした。
難しい面はありますが、昨年より少しずつ改善されなんとか頑張っています。
(松本さん家族)


新しい家とともに元気にやっていきます。


昨年の11月には、仙台市中心部にある仙台朝市に“若林区復興支援ショップりるまぁと”をオープンしました。若林区の復旧や復興の様子を伝えるアンテナショップとして、営農を再開した農家の野菜や仮設住宅などで製作されたグッズを販売しています。
ぜひ若林区で収穫された美味しい野菜を食べていただきたいです。

“りるまぁと”に買い物に来た人と若林区の住民がつながるきっかけになればと思います。


震災から2年経過しましたが、今後は復旧活動からさらに一歩進みこの土地、若林区での長期的な復興にむけて活動をしていかなければと考えます。
(広瀬代表)

「りるまぁと」の皆さん。別の機会に詳しくご紹介をします



《広瀬さんは若林区の津波被災地が抱える今後の問題点を話しました。》

「若林区の復旧から復興、そして地域おこしへ」というコンセプトから考えると次の4つが今後の課題になってくると思います。

1.農業の再生
2.コミュニティの再生
3.景観の再生
4.防災

今後、農業については後継者や新規就農者を増やすことが求められます。
そしてコミュニティにおいても魅力のある若林区をアピールして多くの人がこの地に足を運んでもらえるように仕組みづくりをしていくことが大切だと思います。
若林区へ若者がやって来たいと思える地域おこしが必要なのです。
 
復興に向けて共通する課題は人の定着が必要であるということが結論として言えます。

若林区は水鳥がやってきて野鳥観察もできますし、仙台市という都市でありながら星空がとてもきれいです。そして農業を基本に米、野菜など健康的な食事を基本としています。

若林区のこれらの魅力をみなさんに知ってもらい、たくさんの方が訪れるように、小•中学校の宿泊体験、企業などのインターン、中間就労支援なども視野に入れて活動の幅を広げていきたいと考えています。
しかし、あくまでも復興は地元の方々の手によるものなのでこれからの若林区の地域をどのように作っていけば良いか相談をしながら進めていきたいです。
と最後に力強く語ってくれました。


初めは被災地の役に立ちたいという軽い気持ちでしたが、農家の苦労を肌で感じて
地道に1年間通い、支援活動を続けています。
ReRoots(リルーツ)ボランティアスタッフの大学生 稲田純也さん





震災後の色彩に欠けた沿岸部に、少しでも彩を取戻したいという思いから地元の農家さんの協力のもと、荒浜地区の道路沿いに2万本のひまわりを植えました。
夏にはすばらしい景観を楽しめます。ぜひおいでください。(広瀬代表)


ReRoots(リルーツ)ひまわりプロジェクト





《取材を終えて》
ReRootsの「若林区の復旧から復興、そして地域おこしへ」という素晴らしいコンセプトの構想を聞くことができました。

ReRootsの活動は、農地を再生して農作物が収穫できるようになったら、ボランティアとしての支援活動はおしまい、という安易でその場限りで終わる与えるだけの支援活動ではありません。
津波で被災された土地、若林区に住んでいる人々の営農再開。
農業を通じた地域コミュニティの仕組みづくりを考えることにより交流人口が増え、地域の活性化、復興へと促されるというプランです。
ReRootsの農業支援はそこに住んでいる被災者の目線に立った本当の意味での支援活動であることが分りました。



日本のどの地域でも農業に関しては人手不足、後継者問題など人材確保が懸念されています。
仙台市でも有数の農業地帯である若林区においては、震災により津波被災地になってしまうという、さらに追い討ちをかけるような事態になってしまいました。
今後は「若林区の復旧から復興、そして地域おこしへ」という長期的なプロジェクトが必要となってくるでしょう。

これらを踏まえたReRootsの地域に根付いた農業支援活動によって若林区の町が人と人とのつながりができ、すてきな町に生まれ変わる日を願っています。






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次回のブログでは仙台朝市の“若林区復興支援ショップりるまぁと”の様子を
お伝えします。


☆一般社団法人 ReRoots(リルーツ)

☆若林区復興支援ショップ“りるまぁと



(取材日 平成25年4月23日)