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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年6月14日金曜日

2013年6月14日金曜日20:07
この時期の気仙沼は、南東風が吹くと肌寒さを感じます。
こんにちはkaiiです。
東日本大震災から2年3カ月が過ぎようとしています。

復旧が進む水産加工施設



震災と津波で大きな被害を受けた沿岸部の町にも、少しずつ新しい建物が増え産業が息を吹き返してきています。
しかし、流通はほぼ回復したものの、中心部から少し外れた地域での生活にはまだまだ不自由も多いのが現状です。



津波と津波火災の被害を受けた気仙沼市大浦地区も、生活に不便さの残る地域の1つです。
この地区は気仙沼湾の東側に位置し、養殖漁業など沿岸漁業を生業にする人が多く住んでいました。震災前は地区の中に金融機関、商店、工場があり、住民の日々の生活はあまり不自由がありませんでした。
しかし、地域の唯一の金融機関だった簡易郵便局も商店も津波で流されました。そのため、いまだに震災前のレベルに生活環境が復旧する見通しが立ちません。

対岸から見た気仙沼市大浦地区

「郵便局がないのはひどい」
「ポストに手紙1通を出すのにわざわざまぢ(町)までいぐようなんだよ」

そんな声が、震災の直後から地域の中で聞かれていました。


平成25年5月13日、その大浦簡易郵便局が仮設郵便局として営業を再開しました。
震災前に建っていた場所の周辺は地盤沈下が起こったため、600mほど気仙沼市街地寄りの場所に移っての再開です。

局長の小野寺幸子さんは、「郵便局やんねぇ~の? 不便なんだけど」という地域住民の声に後押しされて再会を決意しましたと話します。


再開した大浦簡易郵便局

郵便局が再開する前は、切手1枚が欲しくても、郵便物を出したいと思っても、一番近くて2kmほど離れたコンビニエンスストアーまで行かなければなりませんでした。それが、郵便局の再開で大きなポストが立てられ、不自由も解消されました。



開局の日には、多くの人がお祝いに来ていました。
70代の女性は
「近くに郵便局ができて遠くまで行かなくてよくなったのがよかった。バス代かけなくても近くにポストもできたからいつでも手紙やはがきが出せるもんね」
と郵便局が近所に移ってきたことを喜びました。

                                                           




30年近く局長を務めてきた小野寺さんは開局から1カ月を振り返り、
「郵便局の業務を2年間も休んでしまって、地域の人たちには大変な不自由をおかけしました。とにかく今は頑張って、再開を望んでくださった多くのお客さんと、2年間不自由をかけた地域の人たちのために働きたいと思っています」
と意気込みを話しました。

皆様のご利用 お待ちしております。
大浦簡易郵便局 小野寺幸子 佐藤 良


利用客数について聞いてみると、
「地域の世帯数が30%ほどに激減してしまったことで少なくなりましたが、他の地域に移り住んだ人が訪ねて来たりします。平成25年4月から気仙沼市でも公共料金や税金などが、ゆうちょ銀行でも支払えるようになったことから、工事などで通りかかった人の利用も増えています。これからますます利用する人が増えていくといいです」
と話しました。

住民の生活に、あって当たり前だった機能が1つ、地域に回復しました。
1つずつ機能が回復し、町に灯りが増えていくことが地域の元気になっています。





小野寺さんは、これからの気仙沼と地域について、こんなふうに語りました。
「気仙沼市がまた活気ある町になってほしいと思います。気仙沼がまた漁業を中心とした産業で活気を取り戻し、人にも活気が戻ってほしいと思います」
「この地域にもたくさんの人に戻ってきてほしいです。地域の中で仕事を再開して、地域の人の温かさや、知っている顔に会うとどこかで安心できる自分がいます。そんな故郷に1人でも多く人が早く戻って来られるといいと思います」



気仙沼だけではなく、多くの沿岸部の被災地域では、震災前の生活環境が失われたままのところが多くあります。生活の不自由が1つ回復するだけで、住民の気持ちは元気になります。高齢化社会に進む地域で高齢者や交通弱者が生活しやすい環境が少しずつ整っていくと良いと思います。


「人がいることが心の支えになって仕事にも意欲を持って取り組むことができます。今はただ頑張るだけです」
小野寺さんの言葉がとても印象に残りました。


(取材日 平成25年5月13日・平成25年6月6日)