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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年5月11日土曜日

2013年5月11日土曜日9:50
こんにちはkaiiです
山菜のおいしい時期を迎えました。

加藤敬一さんは、気仙沼湾の東側にあった「かもめ通り商店街」で戦後の混乱期にお父さんが始めた八百屋「やおりき」を継いで商売を続けてきました。商売を始めて約70年、地元のおなじみさんが野菜や花、惣菜などを買いに毎日来ていました。


津波警報を聞いて逃げる途中、奥さんの勝子さんが転んでケガをしました。
遠くに逃げることができず、近くの少し小高い場所に避難しました。
押し寄せる津波が町を飲み込む様子を、心の中で「これで終わりだ」そんな思いで見つめていました。
加藤さんは、津波で店舗と自宅を失いました。


店を失って目標のない生活を送る毎日はとても辛いものでした。
「今後の生活をどう再建するのか…商売を辞めてしまうのか?」と悩みました。
なじみのお客さんが地域から離れてしまい商売になるのか。不安はありましたが、奥さんと相談して、もう一度商売を再開することにしました。
平成24年3月11日、気仙沼市の東部の気仙沼鹿折復幸マルシェで「総合食品やおりき」として再開しました。




「生活に密着した商売をしてきた八百屋の私たちにとって、被災で住宅の減った地域で商売を再開するためには方向の転換が必要でした」
加藤さんはそう語ります。



「観光のお客さんの多くは、「八百屋さん?」と、外から店を覗いた第一印象だけで素通りして行きました」



「残念ですが、以前の店舗で売上の中心だった生花や野菜の売り場を縮小し、代わりにお土産の売り場を店舗の約30%に拡大して、観光のお客さんやボランティアさんを相手の商売に切り替えました。今は”気仙沼”を売っています」



「今は気仙沼を売っている」という加藤さんが、本業の八百屋さんの経験を活かした商売をするためには、防災集団移転事業などが進んで、地域に住む人が1日も早く増えることが必要だと感じます。



加藤さんのお店のある気仙沼鹿折復幸マルシェの近くには、津波で打ち上げられた大型船があります。
この船を多くの観光客が見に来ています。
気仙沼市は津波遺構として大型船を保存したいとしていますが、大型船の船主は、船を撤去する方向で検討中だと伝えられています。地元には、船が撤去されると観光のお客さんが減るのでは? と心配する人と、早く撤去してほしいと思っている人がいます。
長い間、地域の中で愛されてきた商店も、地域住民の減少や環境の変化で売上の減少に悩み、売上拡大のために試行錯誤しています。



加藤さんは、
「これからの商売は感性を大切にして新しいものへのチャレンジが必要ですね。常に感謝の心を胸に、夢と希望を大切に夫婦二人三脚でこれからも頑張っていきます。希望も夢も捨てません。情報発信だけは悩みだね」
と笑顔で話しました。

たくさんの情報が流れている今の時代。アナログな商売をしてきた人たちには情報発信の方法や更新などが難しいことだと知りました。
高齢者やパソコンの苦手な店主さんたちが商売を続けていけるように情報発信力の技術の提供などもの支援も大切だと感じました。


(取材日 平成25年5月7日)