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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年5月2日木曜日

2013年5月2日木曜日14:34

ココロデスクです。

3度目の正直でようやくたどり着いた田代島。
いよいよバンブーデッキ製作の始まりです。



(前回の記事)
2013年3月29日金曜日
猫の島に集いの場を~バンブーデッキボランティア その1(石巻市田代浜)
http://kokoropress.blogspot.jp/2013/03/blog-post_958.html

※ちなみに田代島は住居表示では「石巻市田代浜」です。江戸時代初期に仙台藩が幕府に提出した地図にも「田代濱」とあり、島全体が一つの村だったことが分かります。


このバンブーデッキの製作は、去年の夏にスタートしました。

改良を何度か重ねて、その日作業を始める前はこんな状態に。


竹を麻縄で縛って組んでいますが、自然の竹は真っ直ぐではなく太さもまちまち。地面も水平ではない上にデコボコなので、なかなか設計したとおりの出来にはなっていません。


このままでは強度や耐久性の面でもちょっと心配なため、設計を一からやり直すことになりました。


最も大きな変更は、土台を古材で作ること。
これまでは、座るための部分だけでなく土台や柱の部分も全て竹で作っていました。
それを、古材で作った土台に溝を切って、そこに竹を受けて並べる設計に変更したのです。

古材は、解体された古民家のものが提供されました。
この浜で何十年も潮風に耐えてきた、立派な柱や梁(はり)です。

クリ、ケヤキ、マツ、スギなど、太くて立派な古材。
ビックリするほど重く、7人で力を合わせてようやく持ち上がりました。



柱や梁の太いものは周囲2m以上もありそうです。
これらが家を支えていた頃の、島の漁業に活気があった時代がしのばれます。

木材はどれも重く、このままでは重機がなければとても動かせません。そこで、運びやすいようにこの場でチェーンソーを使って必要な寸法に切って、軽トラックに積んで運びました。




古材にワイヤーを掛けて引きずり出そうとしましたが、
あまりの重さに車輪がスリップ。

一通り現場に古材を運びこむと、次に測量と竹の切り出しの2班に分かれて作業を続けました。
私は、竹の切り出し班です。


山道を登って行くと両側は至る所が竹林で、道路に覆いかぶさるように茂っている場所もあります。
竹は繁殖力が強いため、人手が入らなくなると途端に増えていき、手が付けられなくなるそうです。
もともと高齢化・過疎化が進んでいたところに震災が襲ってきたため、手入れをするための人出がますます足りなくなっってしまいました。

「バンブーデッキを作ろう」という発想の陰には、豊富に生えている竹を活用することだけではなく、増え過ぎて厄介な竹林を何とかしようという狙いがあるのです。

地上1m辺りの高さで切ると、竹の繁殖を抑える効果があるそうです。
竹をのこぎりで切る作業は、思った以上に爽快な気分。何本でも切りたくなりました。

切り出した竹を軽トラックいっぱいに積み込んで浜辺に降りると、測量もそろそろ終わるところでした。

水準器で正確に水平を測り、
土台の位置を決めていきます。

土台となる古材を順に並べながら竹を置くための溝を切っていきますが、これは電動のチェーンソーを駆使する作業。熟練したOさんの担当です。


「最後は握力がなくなってきた・・・」とOさん。
建築士の資格を持つHさんとSさんが1つずつ土台の位置を決める間に、残りのメンバーは、腐食を防ぐ塗料を古材に塗っていきました。

位置決めや寸法の決定は、規格品の部材のようにはいきません。


耐久性を出すために、丹念に塗料を塗っていきます。

土台の設置が半分ほど進んだところで日が暮れてきました。
今日の作業はこれまで。

暮れてゆく大泊の港。
対岸の牡鹿半島越しに金華山がかすんで見えます。

宿に戻って各自休憩と入浴、そしてお待ちかねの晩ごはんです。


カキ、ナマコ、カレイなど白身の刺身尽くし…。
夕食は田代で捕れた新鮮な海の幸がいっぱい。
研究中だという「タラコのキムチ」もおいしかったです。

「暖かくなったら何かイベントを開きたいね」
「コンサートができるようにステージの場所を空けておけば良かったかな?」
「いや、海を背景にしたステージっていうのもいいな」



今度こそ良いものができそうだという手ごたえに、話は深夜まで弾みました。

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翌朝。

まだ薄暗いうちに目が覚め、そのまま浜に散歩に行きました。

静かな波音を聞きながら歩いていると、ほどなくして、牡鹿半島の先端から日が昇りはじめました。

「来てよかったなぁ」としみじみ感じる、日の出。
その時、島の集落放送のスピーカーから臨時のアナウンスが。

「お早うございます。こちらは網地島ラインです。本日の7時46分発石巻行きブルーライナーは欠航となりました。繰り返します、本日の7時46分発石・・・・・・」


えっ?
波はこんなに静かなのに?
確かに風はちょっと冷たいけれど、それでも欠航するのかな?
まあ、われわれが乗るのは午後の便だし、大丈夫だろう・・・・・・

一抹の不安を覚えつつも、朝食を済ませて昨日の作業の続きに取り掛かりました。


(つづく)


(取材日 平成25年2月2日)