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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年5月12日日曜日

2013年5月12日日曜日8:30

「現在のところ、参加者は43名。まだまだ足りません。皆さん、周りの人たちにも参加を呼び掛けて・・・」

フェイスブックにそんな告知が流れたのは、その1週間前のことでした。


ココロデスクです。

牡鹿半島の沖合にある離島、金華山には一昨年の暮れから何度か通ってきましたが、先日、そこで行われた「合同ボランティア作業」に参加してきました。


2012年1月1日日曜日
「是非一度お越し下さい」 (石巻市金華山)
http://kokoropress.blogspot.jp/2012/01/blog-post_2474.html

2012年10月16日火曜日
9カ月ぶりの金華山 (石巻市 鮎川)
http://kokoropress.blogspot.jp/search?q=%E9%87%91%E8%8F%AF%E5%B1%B1

2013年1月6日日曜日
震災から2度めの金華山初詣(石巻市金華山)
http://kokoropress.blogspot.jp/2013/01/2.html



今回の作業は、島の水源の復旧と参道の整備です。

金華山では、震災後に襲った台風や低気圧のために何度か土石流が発生して建物や施設に被害をもたらしました。
中でも、島内唯一の水源である沢の貯水地に大量の土砂が流れ込んでしまったことは大打撃でした。

今年は巳年で、金華山にとって12年に一度の御縁年です。3月から半年以上にわたって数々の行事がとり行われますが、何よりも5月3日の巳年例大祭にはゴールデンウィークということもあって大勢の参拝者が訪れることが予測されます。宿泊される方もいらっしゃるので、水不足が心配です。

そこで、その前に少しでも整備を進めておこうという計画です。


作業内容は、貯水地に溜まった土砂をすくって土嚢(どのう)に詰め、参道脇の崩れた箇所に運んで埋め立てに利用するというもの。
運搬には2tダンプと軽トラックが使えるものの、貯水地のある場所までは重機は入れないため、土砂のかき出しは人力です。土砂だけではなく、岩もゴロゴロしているようです。

こうした作業は、やはり大勢の人が集中して行なわなければはかどりません。
そのため、これまで金華山の復興に取り組んできたいくつかのグループが合同で呼び掛けて、参加者を募ることになったのです。

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私が参加を申し込んだのは、一昨年から関わっている「ボランティアセンター(VC)を支援する会」のグループです。
拠点はお隣・山形県最上町ですが、これまでも山形県はもちろん関東や関西方面など全国から、この「VCを支援する会」のネットワークでたくさんの参加者が集まってきました。


今回の参加者は20名。内訳は山形県が8名、宮城県6名、関東5名、関西1名と、広域から集まりました。
皆さん、「何かできることはないか?」とネット等で調べてこの活動を知り、申し込んだそうです。


震災から2年が過ぎて、被災地で活動するボランティアの方々はかなり少なくなっています。
支援してくださる個人や団体の力には限りがありますから、復興への取り組みが長引くにつれて資金難やさまざまな理由で人が少なくなるのは、やむを得ないことです。
ただ、活動団体が減っていけばそれだけ受け入れ窓口も減るわけですから、「何かしたい」とせっかく支援を思い立っても、どこでどんな活動があるのか知るす手段も少なくなります。

支援を求める地域では、今まさにこうした悪循環が起こっているのです。

ネット等で検索したり、現地の役所や社会福祉協議会に問い合わせれば、確かに情報は手に入りますが、それはとても骨が折れることです。

それを考えると、今回お集まりいただいた皆さんの熱意には頭の下がる思いです。


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鮎川港の集合時間は明朝8時。
未明に山形を出発して暗い峠道を越えて来る人もいれば、神戸から夜行バスとレンタカーで駆け付ける人もいます。

時間の都合がついて前日から入ることができるメンバーは、いつも私たちを世話してくださる石巻市沢田の阿部さん宅に前泊させていただきました。

翌朝が早いため、前夜から石巻・阿部勝子さん(中央)宅に集結。
いつもながらの美味しい手料理で英気を養いました
一夜明けて。

鮎川港は、来るたびに様子が変わっています。
この朝も、土曜日というのにパワーショベルが岸壁工事でうなりを上げていました。

今回も金華山への渡航は海上タクシーを利用しましたが、ゴールデンウィークから中型船による定期便が運航を再開する予定です。そうすれば今よりも気軽に渡ることができるので、楽しみです。

鮎川港。岸壁工事が進んでいます。
パワーショベルの向こうに見えるのは「牡鹿ホエールランド」です

この日乗ったのは「くろしお号」
金華山の港でも、整備が着々と進んでいました。
近々、ここに浮桟橋が設置されて中型船が接岸できるようになるはずです。

金華山側の港も工事が進んでいます
参道を登っていくと、桜が咲き始めていました。
仙台ではもう散り始めていたので、何だか得をした気分です。

桜と青い海。これだけでも来た甲斐があったというもの

「本当に100人も集まるのだろうか?」と心配でしたが、ふたを開けてみると参加者は全部で96名!
ほぼ、目標達成です。

集まったグループはこちら。(順不同)
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日本財団GAKUVO隊
オープンジャパン
VCを支援する会
チーム東松山市
牡鹿ボランティア
ファーストアッセントジャパン
オールとちぎ
札幌チーム
ピースボート
元RQボランティア
そして、黄金山神社の皆さん
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あいさつの後、参道の復旧と貯水地の泥かきの2隊に分かれて早速作業開始です。私は貯水地の隊へ。

こちらが2槽のうち下流側の貯水槽。何とか使えていますが・・・

上流側の槽はこの通り

貯水地は、本殿の脇を沢伝いに300mほど登った所にあります。
沢をせき止めるように2つの槽があって、下流側の槽は何とか使えているのですが、上流側の槽には土砂だけでなく大きな岩石まで流れ込んでいます。そのため、応急処置として簡易な樋(とい)を使って下流側の槽に水を送っています。
このままでは水量が心もとないので、上流側の槽を復活させようというのが今回の活動の目的です。

貯水槽の作業隊は、ここでさらに「土砂を土嚢(どのう)袋に詰める班」と「土嚢を運び出す班」の二手に分かれました。
私は運び出す班に。

滑石は「なめらいし」と読むのだそうです

土嚢を軽トラックと2tダンプで目的の場所に運ぶためには、ちょっと問題がありました。
狭い登山道は何とか登ることができても、Uターンするためのスペースがないのです。試みにバックで下ってもらいましたが、上手くいきません。

そこで、以前積み上げていた土嚢の山をどけてスペースを作ろうとしたのですが、これまた難工事でした。




土嚢の山に登って下に下ろす人。
それをバケツリレーのように渡す人。
受け取った土嚢を別の場所に積み上げる人。

せっかく場所ができたと思ったら、そこに木の切り株が。
のこぎりやツルハシで撤去して、ようやく車両が転回できるようになりました
2台の車両でのピストン輸送。
空の車両が戻ってくるたびに、「バケツリレー」の列を作って荷台に運びます。
荷台には作業に慣れているメンバー2人くらいが立ち、重い土嚢や岩をバランスよく積んでいきます。

たっぷりの泥水を含んだ土嚢は重く、作業着はたちまち泥まみれです。
時折、飛び切り重いものも回ってきます。
そんな時は、
「重いよ~、気を付けて」
と一声掛けて順に渡していきます

1時間の昼食休憩を挟んで午後も作業は続きました。




トラックがスリップして坂を登れなくなったり、脱輪して沢に落ちかけたのを皆で持ち上げたりと、いくつかのアクシデントもあったものの、1日目の作業は何とか終了。

ホッとする夕食のひととき


夕食は、本来は「直会(なおらい。神事の後の会食)」を行うための大広間で。

参加募集当初は、「食事はご飯とみそ汁のみが提供されます。副食は各自、缶詰等を用意のこと」と伝えられていました。

それなりの覚悟(!?)はあったのですが、直前になって「チーム東松山市」というグループが炊事担当を買ってくれるることになりました。
おかげで、カレーライスやさまざまなおかずを美味しくいただくことができました。


食事を配るチーム東松山市の皆さん。「もう、ジャガイモは見たくない!」と。
カレーを作るためによほどたくさんのジャガイモの皮むきをしてくれたのでしょう。
ありがとうございました

大広間で、ざこ寝

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翌朝は雨。



帰りの船の心配があるため、作業は午前中までと変更になりました。
雨で山道の状態も良くないため、今日は運び出しは中止して、もっぱら土嚢作りに取り組むことになりました。また、参拝者の待合所の整理清掃にも何割かが当たりました。

3人一組で土嚢を作ります
土嚢つくりは、3人1組で作業をしたらうまくいきました。

1人が黄色いプラスチックの板を筒状に巻いて袋に差し込みます。
袋の口を広がったままの状態にして土砂を入れやすくするのです。
もう1人がスコップでそこに土砂を入れたら、袋の係が口を縛ります。
できた土嚢を3人目が持ち上げて、バケツリレーに渡します。

慣れてきて呼吸が合ってくると、一連の動作がリズミカルに回っていきます。
それはとても気持ちの良いものなのですが、気持ちが良すぎてついつい無理をしてしまいそうになりました(笑)


雨は途中からみぞれに変わり、やがて雪になりました。
咲き始めた桜の上に、本物の雪の吹雪が舞っていました。
そう、仙台でも4月下旬としては66年ぶりの積雪が観測された日です。
確かに気温は低かったのかもしれませんが、雨合羽を着ての作業ですから皆汗だくでした。

昨日に比べると明らかに深くなっていました

作業が終わりました。
昨日に比べて、明らかに貯水地は深くなっていました。

誰も数えた人はいませんが、1000や2000を優に超える数の土嚢が貯水池から運び出されたはずです。

少人数だったら、こんな作業はやってみようとも思えなかったかもしれません。
それが、「100人でやりましょう」という呼び掛けに対して実際に100人が集まったからこそ、参加者のそれぞれ中に力と勇気が湧いてきたのでしょうか。

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震災から2年が過ぎて、「風化」という言葉があちらこちらでささやかれるようになっています。

確かに、震災直後のようにいたるところにガレキが散乱しているわけではありません。
活動内容も、ハードなものから、心のケアや産業支援のような、ソフトで目に見えにくいものへと重点が移ってきています。

しかし、今回の金華山での活動のように、大勢の人が集まって一斉に取り組まなくてはならないような力仕事だって、まだまだ残っているということも事実です。

何よりも、大勢の人が集まって1つのことに集中して取り組むということ自体が、関わった当事者だけではなく、被災した地域全体に何か勇気のようなものを与えてくれるだろうと感じました。


最後に、2日間一緒に活動に取り組んだチームの仲間たちからのメッセージをご紹介します。

山形県新庄市から参加した早坂智佳子さん

東京造形大学の学生、塚田宏美さん

東京の田中敦子さんと海宝淳子さん。姉妹で参加です

仙台から参加の下川秀史さん

山形から参加の高橋知子さん

この人たちとは、これからもどこかで再びお会いできるだろう。
そんな気がしています。


(取材日 平成25年4月20、21日)