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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年4月15日月曜日

2013年4月15日月曜日17:26
こんにちは、Chocoです。
こちらにも春の季節がやってきました。
梅の花が咲き始め、桜はもう少しでしょうか・・・。
今回は女川からです。

昨年の12月27日に女川町清水町にオープンしたトレーラーハウス宿泊村「EL FARO」にも温かい季節がやってきました。
小山の麓にあるこのホテルは、灯台のようにひっそりと、そして温かく女川町を見守っています。
先月、初めてこのホテルへ行ってきました。
そこには、異国の地のような、別世界が広がっていました。

以前のブログで紹介したグラフィックデザイナーの遠藤ひかりさんが
デザインしたホテルの看板です。
ホテルの名前、「EL FARO(エルファロ)」とはスペイン語で「灯台」を示します。
この名前には、被災地を温かく照らす「灯台」として、女川に限らず、東日本大震災の被災地全ての一日でも早い復興が実現するよう、一生懸命、灯台の光を放ち続けるという決意と、応援した人々への恩返しとしての想いが込められています。

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震災前、町内には12軒の宿泊施設がありました。
しかし、震災の影響でほとんどの施設が津波の被害に遭いました。
高台などにあり津波の被害に遭わなかった3軒の旅館は、震災直後から施設を被災者の避難所として提供したそうです。

現在、女川町では5軒の宿泊施設が営業しています。その中の1つが去年の暮れに清水町に新しくオープンしたトレーラーハウス宿泊村「EL FARO」です。


とてもかわいいスペインタイルが所々にあり、
異国の地のような感覚になります。

チェーンソーアートがレストランの入口で
皆さんをお待ちしています。

今回お話ししてくれたのは、「EL FARO」代表の佐々木里子さんです。

「EL FARO」は、これまでは個人経営だった「奈々美や旅館」「にこにこ荘」「星光館」「鹿又屋」の4軒が、「共同経営」という形で設立し、運営しています。


2011年3月11日、東日本大震災で、女川町は80%以上が壊滅的な被害を受け、死者、行方不明者約1000人の尊い命が失われました。
自宅などが全壊、家族の死、さまざまな苦境が人々を襲いました。

佐々木さんをはじめとする4名の経営者も、長く親しまれてきた旅館が無くなり、家族や大切な人たちも犠牲になりました。

震災後、宿泊施設の不足のため、共同経営の話が持ち上がりました。
個人経営者同士が集まり、共同で事業をすることはどこも大変です。
「El FARO」を形にするまでには、話が思うように進まず、まとまらなかった時もあったそうです。
しかし、それ以上に、「旅館を再開したい」という想いは強く、力を合わせて新たな宿泊施設の運営を実現することができました。

「私は両親を亡くしてしまっているから、共同経営者の人々は父親のような存在なんです。お互い、言いたいことも言えるし、理解もしてくれる・・・家族のような存在です。」と、佐々木さんは、他の共同経営者への想いを話しました。
昔から親交の深かった経営者同士の深い絆がここにはありました。

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ホテル、旅館とさまざまな宿泊施設を目にしますが、
今回、私が見たのはトレーラーが何台も連なっているホテルでした。

そもそも、トレーラーを宿泊施設にしたのには、被災地 に内在する問題があります。
町の8割が壊滅した女川町は、中心街のほとんどに建築制限がかかり、元の場所での再建が不可能でした。さらに仮設住宅の建築などで旅館の再建のための土地の確保が困難な状況でした。
そこで、提案されたのが、建築物としてみなされないトレーラーハウスです。
現在、宿泊村のトレーラーが設置されている場所は、町営住宅跡地です。復興状況に合わせて設置場所は変更されます。そして、見る景色も復興が進むにつれて移り変わるのです。

トレーラーの色はとてもカラフルで、森に囲まれているこのホテルは、花のような存在感です。

「”ここに来れば、震災のことを一瞬でも忘れられるという、異空間を感じてくつろいでほしい”という地元の人に対しての想いがあります。また、県外からのお客さんには、たくさんの人々からいただいた支援への感謝の気持ちを伝えたいという想いが詰まっています」
と、佐々木さんは言います。

そして、50年以上も続いていた旅館のこだわりは、
「家族のようなおもてなし」。

これは、震災前から佐々木さんをはじめ、経営者の皆さんが心掛けてきたことです。

「いってらっしゃい」「おかえりなさい」
と温かく出迎え、そして、親しみのある旅館。
そんな旅館が女川にたくさんありました。
だからこそ、「EL FARO」で、同じように温かな環境を作っていきたいとお話してくれました。

女川町の老舗旅館4社が、震災後に新しいスタートを切っています。

そして、この春、
「EL FARO」には、初めての春が訪れています。


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「元気を発信!!」
女川 「EL FARO」 佐々木里子さん
代表の佐々木さんは4人の子どものお母さんです。
「家族の支えがあるから・・・」と、家族の話をする時、その顔は優しく微笑んでいました。
家族、仲間、支援者、町民、・・・。
人は人に支えられて生きていて、それが原動力になるんだな。
佐々木さんのお話を聞いて、あらためて思い返しました。


女川の新しい「灯台」は、とてもカラフルで、温かく、そして元気に皆さんを照らしています。

<現在の連絡先>
住所 牡鹿郡女川町清水町174
電話 0225-98-8703
- 料金 
シングル 6,300円〜 1泊朝食付 
ツイン  11,000円〜 1泊朝食付
※夕食希望の場合は1,500円(税込)


(取材日 平成25年3月15日)