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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年4月8日月曜日

2013年4月8日月曜日14:22
皆さん、こんにちは。スーサンです。

今回は、港湾に関連して開催されたシンポジウムについて、お伝えしたいと思います。

皆さんはご存じでしたか。

昨年10月に、国際拠点港湾である仙台塩釜港が石巻港(重要港湾)、松島港(地方港湾)と統合し、新たな「仙台塩釜港」が誕生しました。東北では唯一の国際拠点港湾であり、施設整備は加速するものと思われるのです。

新港は、仙台港区、塩釜港区、石巻港区、松島港区の4港区で構成されることになりました。

港湾関連企業に加え、県選出国会議員、県議会議員らも多数
出席したシンポジウム。港湾の飛躍について、県官民一丸と
なった取り組みをアピールしていました
港湾が地域の経済・産業活動を大きく支えているのは、言うまでもありません。

この統合は、一体的な計画に基づく効率・効果的な整備のほか、各港区の得意分野を生かした運営などが期待されていて、東日本大震災からの復興を力強く後押しするものとなりそうです。

港湾を管理する宮城県は港湾利用促進団体などと共催で、3月21日、「国際拠点港湾 新『仙台塩釜港』発足記念のシンポジウム」を仙台ガーデンパレスで開き、自治体、経済界の関係者ら約350人が出席しました。

この催しの副題は「三港統合で切り開く東北の復興と飛躍」です。仙台塩釜港について地元首長や経済人の3人によって講演が行われ、将来展望を探りました。

塩竃市長の佐藤氏は、港町として発展が継続
できる取り組みを要望していました
「仙台塩釜港とともに歩む 地域産業の活性化と復興推進」をテーマに、最初に登壇したのが塩竈市長の佐藤昭氏です。

佐藤氏は、4港区が相互に連携する必要性を強調しました。その具体的事例に挙げたのが、仙台港区に入港している水産物運搬の小型貨物船を、塩釜港区へ振り分けるというものです。

仙台港区は入船数が多く、沖合で待機することが頻繁にあるといいます。塩釜港区への入船振り分けでは、県が入港料、岸壁使用料を全額免除し、入港に伴い「特別とん譲与税」を財源としている市は、1t当たり50円を荷主である水産加工業者に補助しています。

こうしたことで、「グローバル港湾」である仙台港区を効率・効果的に活用できるといいます。塩釜港区を、小型貨物船に対応する「地域産業支援港湾」と位置付けているのです。

同様に、連携は「広域基幹産業拠点港湾」である石巻港区、「観光拠点港湾」の松島港区との間でも成り立つといいます。

トヨタ自動車物流管理部長の木村氏は、リードタイムを短縮す
る部品供給の新しいシステムなども紹介しました
続いて、トヨタ自動車物流管理部長の木村省二氏が講演しました。テーマは「トヨタのロジスティクスと港湾への期待」です。

同社の物流を仙台港区で見てみると、中部、九州両地域の工場で製造された完成車が搬入され、東北の工場(岩手、宮城)で製造された完成車を搬出しています。部品については、宮城向けは船舶により搬入しますが、岩手向けはJR貨物が担っています。

木村氏は、同社の国内にとどまらず海外での物流にも言及し、部品のサプライチェーン(供給網)が複雑化していることなどを説明しました。また、工場立地する上では、製造から納品までのコストとリードタイム(所要時間)が最も重視されることを示しました、特に、港湾の物流が非常に大事だとしました。

港湾に対しては、アクセス施設の整備に加え、納期に関係する通関のプロセスや荷卸しのオペレーションについて、簡素化を要望しました。合わせて、日本は諸外国と比べ、港湾物流のコストが割高であることを指摘しました。

日本製紙常務取締役の藤崎氏は、港それぞれの機能をうまく
融合させる物流を活発化させることも、今後の課題としました
最後に講演したのが、日本製紙の常務取締役で、石巻・岩沼工場長を兼務している藤崎夏夫氏です。「生産拠点と物流拠点の統合による港湾利用の効率化について」がテーマでした。

同社では、仙台港区からオーストラリア、東南アジアを仕向地として、紙製品を輸出しています。一方、輸入品は紙の原料であるパルプをつくる木材チップや自家発電用のボイラーを動かす石炭であり、原産国はオーストラリアなどです。木材チップは石巻港区、石炭は仙台、石巻両港区に搬入されています。

藤崎氏は石巻港区で期待するものとして、コンテナ施設の拡充や国際航路の開設に加え、輸出便の寄港などを挙げました。地元水産加工品などの積み合わせを模索しているといいます。

また、バルク(ばら積み荷)の大量入荷や、それに伴う大型貨物船の誘致を視野にしているといい、対応可能な水深工事を要望しました。

同社は、石巻港区の活性化のために、沖合埋立地に木質燃料などを使うバイオマス発電所の建設を検討しているといいます。

お伝えした講演内容はごく一部にすぎません。原稿では割愛した来賓のあいさつも、熱い思いがあふれていました。

県では平成25年度に、3港統合に伴う新しい港湾計画を策定するといいます。港湾によってどれだけ復興を遂げられるのか、今後の展開に大いに注目していきたいと思いました。

(取材日 平成25年3月21日)