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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年4月23日火曜日

2013年4月23日火曜日16:37
石野葉穂香です。

国道45号線を行き来するドライバーは、南三陸町の伊里前地区で、カラフルなスポーツフラッグが群れはためく様子を、きっと目にしたことがあるはず。

サッカーJリーグのチームフラッグを中心に、野球、バレー、フットボール、バスケットボールなど、56ものスポーツチームの旗が、仮設商店街を明るくにぎやかに、そして華やかに目立たせています。 あれ、何だろう? と思わず立ち寄ってみた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

海明かりに映える多彩なスポーツフラッグ

旗が並んでいるところは「南三陸町歌津伊里前福幸仮設商店街」。
かつてあった伊里前商店街は津波で流失してしまいましたが、「もう一度この場所で商売を再開したい」と願った商店主の皆さんが、旧歌津公民館の駐車場に仮設店舗を設置、平成23年12月13日のオープンしました。現在、10軒の商店があります。

オープンからしばらくの間、仮設商店街には、漁業の町らしく、大漁旗がたくさん飾られていて、国道を行き来する運転手さんたちに、ここに「立ち寄れる場所があるよ」と告げていました。 ところが平成24年5月、それらの旗は、持ち主に返さなければならなくなりました。

「旗がなくなると寂しくなるね……」
今まで商店街を華やかにしていた大漁旗の代わりになる目立つ旗が欲しい。
やっぱりにぎやかな旗を飾って、国道を行き来する人たちにアピールしたい――。
話し合いの結果、Jリーグやプロ野球の球団旗、オリンピックの旗などを飾っては? という意見が出ました。

そこで商店街では、ホームページを通じて「目立つ旗がほしい」と寄贈を呼びかけたのでした。

『皆様の中で野球ファン、Jリーグファンの方がいらっしゃいましたらご協力をお願いします。大漁旗のように派手な色使いの旗を希望しています』

この呼びかけに、まずサッカーJ1・ベガルタ仙台のサポーターの方が応じてくださいました。リーグ戦で対戦する他チームのサポーターの皆さんにも声掛けをしたところ、多くの方の賛同を得て、それぞれのチームフラッグに応援メッセージを寄せ書きして、ベガルタサポーターに託してくださいました。

6月24日、ベガルタサポーターの皆さんは、J1とJ2合わせて20チーム分ものチームフラッグを福幸商店街へ持ってきてくれました。 さらに「○○チームのサポーターです。旗を贈りたいのですが」という連絡が入ったり、中には直接届けてくださるサポーターさんもいらっしゃるようになりました。

今年4月1日現在、「福幸商店街」の上空には、サッカー38チームを中心に、58チームものスポーツチームフラッグがはためいています。また、そこに寄せてあるサインの数も数千人に上ります。ひとつの商店街にこれほどたくさんのチーム数の旗が立ち並んでいる場所は、実は、日本中ではここだけなのだとか。


国道45号のオアシス的スポットでもあります

色とりどりの旗は、地域の人たちの復興のシンボルでもあり、また、誇りと自慢の1つになっています。
 「それぞれの旗にエピソードがあるんですよ」
そうおっしゃるのは福幸商店街の広報、坂下邦彦さん。

「東北楽天イーグルスの旗は、スタジアムで試合中に実際に掲げられていたものをいただきました。角が擦り切れているところがリアルでしょう? 大リーグ・テキサスレンジャースの旗は、現地在住の日本人方がチームに交渉してもらってくださったもの。だいぶ苦労されたと伺っています。J1・FC東京のあるサポーターの方は、たまたま仕事で東北に来て、たまたまここに立ち寄られた時、チームフラッグに自分のサインがあるのを見つけて大感激されていました」

こちらはコンサドーレ札幌のチームフラッグ。
サポーターのメッセージがびっしり書き込まれています

旗はまた、たくさんの効果を生み出しています。 
「スポーツチームの旗がいっぱいある!」ということは、地域の人たちの自慢でもあり、また、旗につられてふらりと立ち寄る方や、旗があるから来ましたという方もいらっしゃいます。仙台での試合のあとに足を延ばしてくれるサポーターさんもいます。
そうした新しい交流人口の増加にも、旗は大きな力を発揮しました。


旗は華やぎを演出してくれます。
商店街ではイベントも頻繁に開催中

坂下さんたちは、サポーターの皆さんからいただいた応援に対する感謝の気持ちをカタチにしたいと考え、今年2月、ギネスブックに「ひとつの商店街に掲げられているスポーツフラッグのチーム数」として登録を申請しました。


ギネスブックから回答があるのは約3カ月後。5月中には結果が報告されるでしょう。

「でも、たとえ登録がかなわなくても、全国の皆さんの気持ちや、何より楽しさを皆で共有できることが一番です。サイン入りの旗を見上げていると、『絆』が見えてくるんです」
と坂下さん。


たくさんの笑顔が集う「福幸商店街」

5月19日には、伊里前地区で、南三陸町の春の一大イベント「しろうおまつり」が開催されます。“朗報”と重なればいいなあーと願ってしまいます。そうなれば、きっと、もっと盛り上がるはず。


「しろうおまつり」は、歌津の春の風物詩である「シロウオ漁」を公開するイベントです。
伊里前川の流れの中に、石をV字に組み上げた「ざわ」という仕掛けを作ってシロウオを捕らえる伝統の漁法を、見学・体験できます。


しろうお漁が体験できる「おすくい体験」、シロウオをその場で食べる「おどり食い体験」、しろうおのお吸い物販売などが行われます。

5月にはまた、南三陸町の最高峰「田束山」の山頂付近に、ツツジの花が満開になります。
「しろうおまつり」の準備の様子や、青い海と雲の白波に映え渡る朱色の花影も、またレポートしたいと思います。

(取材日 平成25年4月9日)