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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年4月16日火曜日

2013年4月16日火曜日17:43

こんにちは。ココロプレス新人の石野葉穂香です。
仙台で桜の開花宣言があった4月9日、好天に誘われて南リアスの海辺へ行ってまいりました。

春陽の下、芽吹きを待ちわびる森山を越えて南三陸町へ。
空色に映える花を探して走っていると、歌津地区、「平成の森」の仮設住宅の前に、たくさんの草花が咲いていました。
花だけではありません。ペットボトルの空き容器を利用して作ったカラフルな風車も並び、花と一緒に風に揺れています。



訪ねたときはスイセンの花が咲いていました。
そろそろチューリップも咲いているかな?
「この花はオレが育てたんたよ」
そうおっしゃるのは畠山岩夫さん(77歳)。
町内寄木地区にあった自宅が津波で被災し、2年前の6月2日、「平成の森」の仮設住宅に入居しました。奥様と二人暮らし。子どもたちは神奈川や仙台にいらっしゃるのだとか。  

もうすぐ丸二年となる仮設住宅の生活はいかがですか?
「んだナー。もう住み慣れたよ」とにっこり。「戦争当時の苦労を思えば、どうってことはないよ。友だちもたくさんできたし、買い物も移動販売の車が来てくれるし、困ることは何もないねー」
と岩夫さん。
 「そう、世界中の人たちから物資もらったり、応援もらったもの。ホントにありがだいよー」
奥さんも相づちを打ちます。  

岩夫さんは、寄木地区ではちょっと知られていた花好きのおじいさんでした。春から秋まで、岩夫さんの自宅の庭は、季節の花が絶えず咲き替わっていました。
 「スイセンだけでも13種類はあったナ。チューリップだの、マリーゴールドだの、菊だのって、全部で何種類あったかはちょっと分かんねえナ(笑)」
 「平成の森」の仮設住宅に移り住んでからも、岩夫さんは再び花を育てたいと考えました。
「仮設サ何年住むか分かんねかったがらサ、だったら花をいっぱい植えでみるべ、と。自宅跡から鉢だのプランターだのって拾ってきたんだ」  






津波をかいくぐったプランター達。
漁網をつないでいた浮き球も鉢として再利用。

岩夫さんは、漁網用の浮き球も拾ってきて、半球形に切って鉢代わりにするなどして、早速、花を育て始めます。 1年目、スイセンやチューリップの球根を人づてに集めてもらい、秋、「平成の森」の公園の一角や仮設住宅の周りにたくさん植えました。

「全部が根付くワケじゃないし、一年目は咲かないのもある。んでも翌春にはだいぶ咲いたんだよ」
2年目の昨秋も、チューリップ200個、スイセン2000個を植えました。 そして今春、岩夫さんが暮らす棟の前や駐車場入り口などに、黄色いスイセンが見事に咲き誇っています。下旬までにはチューリップもきっと、色とりどりの花を咲かせるはず。
 「『平成の森』を花公園にしたい(笑)。そう思って3年目サ」

花畑の周りでくるくる回る風車もまた岩夫さんの作品です。ペットボトルを切り開き、ビニールテープで飾った風車。花色とともに、風の中に明るい光を振りまいています。
「目標は1000個だったんだけど取り付けがたいへんでサ。まだ200個ぐらいなんダ」

岩夫さんが暮らす棟は、仮設前の駐車場に面しています。スイセン、パンジー、マーチローズ、ポピー、キンギョソウなど、いくつもの花に迎えられるみたいで、訪ねてくる人たちにも好評です。もちろん仮設住宅に住む皆さんも、「やっぱり花があるのはいいっちゃねー」と目を細めます。



岩夫さん(真ん中)と仮設のお友達の皆さん。
左から阿部喜三郎さん(91歳)、小野つや子さん(80歳)、
千葉カツヨさん(年齢内緒)。

「学校の卒業式や入学式で、子どもたちが鉢植えの花をもらってくると、『おじいちゃーん、これ植えて』ってオレんとこサ持って来んダ。子どもたちはオレのこと“花咲じいちゃん”とか“風車の弥七じいちゃん”なんて呼んでるらしい(笑)」 
“花咲爺さん”のウワサを聞きつけて、種や球根、鉢植えを届けてくれるボランティアさんや県外の支援者も増えたそうです。

震災後、かき集めたプランターの1つには「平成13年 宮城国体」と書かれたものもありました。
「そのまま持ってきて置いてたら、キンギョソウが咲いたんダ。津波の生き残りだナー」。

今日より暖かな明日を期待させる4月の午後の風の中、花葉がゆらゆら揺れています。
「『平成の森』の桜ももうすぐ咲くべ。ここは芝桜もきれいなんだよ。夏にはマリーゴールドとかヒマワリとか、またたくさん植えておくから、時々、寄って見らいん」



(おまけ)

この日は南三陸町の最高峰・ツツジの名所としても有名な田束山(たつがねさん/512m)にも立ち寄ってきました。


写真の通り、ここは南リアスの展望台と呼ぶべき佳景の地でもあります。

ツツジが満開となるのは5月下旬。でも、その前に、山頂付近には桜の花が咲き誇るはずです。
“私の予想”では、おそらく4月22日からの週が開花、そして満開は28日頃かなと?
でも、きちんと確かめたい方は、南三陸町観光協会(電話0226-47-2550)までお問い合わせください。

(取材日 2013年4月9日)