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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年3月5日火曜日

2013年3月5日火曜日19:45
皆さん、こんにちは。スーサンです。


東松島市で、今年10月の運転開始を目指し、大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設が始まっています。

野蒜海岸の西側に広がっている奥松島公園跡地の一部4.7haが、建設用地になっていました。取材で訪れた2月下旬は、地盤工事などが急ピッチで進められているようでした。

東日本大震災の津波被害が大きかった野蒜地区は、「環境
未来都市」に生まれ変わろうとしています
設置される太陽光パネルは1万4千枚に上り、全体の発電出力は約2メガ(1990kw)といいます。

具体的な数字で示しましょう。年間発電量は約210万kwと、一般家庭600世帯の年間使用電力量に相当するものです。環境効果としては、年間に、一般家庭200世帯の年間排出量に当たる約1千tの二酸化炭素を削減することになるといいます。




メガソーラ―施設自体の完成イメージは右上です。左の地形図で示されて
いるように、周辺を緑が取り囲みます
一帯は、東松島市によって、「奥松島 『絆』 ソーラーパーク」と命名されています。太陽光エネルギーの供給基地の1つになるほか、環境学習のための場としても活用されることになっています。

東松島市は、「分散型地域エネルギー自立都市プロジェクト」といったものに取り組んでいます。これは、平成23年12月に策定した「東松島市復興まちづくり計画」でリーディングプロジェクトの1つになっています。また、環境や高齢化の問題を解決するということで、同時期に国から選定された「環境未来都市構想」の計画事業として位置付けられています。

「私たちは東日本大震災を経験し、エネルギーで大変苦労しました。しばらくは、ガソリンも電気もなく、暖を取る薪すらありませんでした。半年も電気が来ない地域がたくさんありました。やはり、エネルギーを市内で独立して、しかも分散して生産していくようにならないと、こうした問題は解決しないのではと考えています」

復興政策課環境未来都市推進室長の高橋宗也さんは、こう話します。

4.7haという広大な面積に、1万4千枚の太陽光パネルが
設置される予定です
市では、持続可能な新しいまちづくりに向けて、震災に強く環境に優しいシステムを構築しようとしているのです。

それは、太陽光をはじめ、風力、バイオマスといった再生可能エネルギーを自給することや、その設備は集中ではなく、分散させるということが基本にあるようです。震災時に起こり得るエネルギー供給の途絶を防ぎ、今後生じる集団移転跡地などを有効に活用するものとして、期待は高まっています。

三井物産(東京都)を事業主とする今回のメガソーラー建設は、その第一弾であり、同プロジェクトでは初の企業誘致となりました。総工費は12.4億円で、全額を同社が負担します。市は同社に土地を賃貸しています。

同社は実業を通じた復興支援を行うといいます。地元で発電を行うということに加え、施設の固定資産税が継続的に地元に入ることになります。

同社がつくる電気は東北電力に売却することになりますが、採算性の見通しは立っているようです。事業の計画期間となる20年間は、一貫して、国の「再生可能エネルギー固定買取制度」によって売電額が固定されるからです。


一部では、太陽光パネル設置のための
基礎工事も行われていました

太陽光パネルを載せる架台です




 ソーラーパークと合わせ、同じく三井物産を事業主体とする「東松島 『絆』 カーポートソーラー」が同市内で建設中です。完成は3月中旬と、間近に迫っています。

市役所からほど近い、東松島市コミュニティセンターに移動してみました。

防災拠点となっている同センターを含む市内3カ所の公共施設には、駐車場に発電設備が設けられることになります。

その仕組みは、カーポート(車庫)の屋根に太陽光パネルを載せるというイメージです。通常時は3カ所合計で約270kwの発電と売電を行い、非常時には給電が可能な電源設備に切り替わるというものです。給電は、避難所などの運営に提供される予定です。

東松島市コミュニティセンターに設置された太陽光発電のモニュ
メント。左右両側から太陽光パネルが見えるようになっていて、
市民に再生可能エネルギーを意識してもらうといいます
駐車場では、長いカーポートの屋根に太陽光パネルが
設置されます
メガソーラーができる野蒜地区は平成24年12月に、市が復興推進計画で位置付けた「環境交流特区」のうちの1つとして、国の認定を受けました。市では、再生可能エネルギー関連産業にとどまらず、観光関連産業の集積も図りたい考えのようです。

「施設は『特別名勝松島』の景勝地にありますので、景観へ配慮した構造物になります。植栽のほか、緑地に調和した道路などが整備される予定です。まだメガソーラーを見たことがないような方々が、観光の帰りに気軽に立ち寄ってもらえることを期待しています」(環境未来都市推進室長の高橋さん)

ソーラーパークの訪問客を対象に、施設の概要を分かりやすく紹介する看板や、発電量や二酸化炭素の削減効果をリアルタイムで表示する機器が、事業者によって整備される予定です。

自立したエネルギー供給を目指す環境未来都市が動き出しています。今後の進展がとても楽しみに思えてきています。


(取材日 平成25年2月25日)