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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年2月8日金曜日

2013年2月8日金曜日14:36

皆さん、こんにちは。スーサンです。

前回に引き続き、塩竃市の被災後の市街地再開発事業について、お伝えしていきたいと思います。


2013年2月8日金曜日
「覚悟」が意味するもの① 復興市街地再開発が始動 (塩竃市)
http://kokoropress.blogspot.jp/2013/02/blog-post_1360.html



海岸通1番2番地区再開発準備組合では、まちの再開発をどのように思い描いているのでしょうか。

台風時ですら冠水していたので地盤をかさ上げすることや、保留床を広げすぎないことが基本といいます。

1番地区の再開発ビルでは、低層階に駐車場や専門店のテナント、防災センターを兼ねる集会所が、高層階には住居が入るというイメージのようです。
2番地区はビルだけで敷地を固めるのではなく、真ん中に人が集えイベントができる通りや広場を確保するとしています。門前町風なまちづくりを行い、塩釜の台所的な食文化の店舗を集積し、ホテルを建設するといいます。

鈴木理事長は「絶対に成功させ、塩竃の新たな出発点にした
い」と、力強く表明しています

1番地区の特徴は、専門店によって生き残りを図っていることです。

「量販店とは価格競争では太刀打ちできませんが、ほかにはないこだわった商材というものを全面的に出していくことで、勝機を見いだせると考えています。テナントには、地元で独自の商売をしている、いわゆる隠れた名店などを招致していきます」(準備組合理事長の鈴木さん)

住居部分を設けるというのは有望とされています。買い物や交通などが至便であるという立地条件が評価されていて、震災で郊外に離散した住民などを取り込むことが期待できるといいます。

2番地区には、ある種の悲願が込められているようです。鹽竈神社は東北では歴史、格式とも一番であるという「奥州一の宮」とされながら、その門前町の造りについては、全国の著名な神社仏閣のそれと比べると見劣りすることが指摘されてきました。

「神社に参拝する観光客がそぞろ歩きができ、食事や土産物の購入が楽しめるという施設の比率や配置を専門家に議論してもらっています」(同)

市内では、復興特区による水族館構想が、商業施設である「マリンゲート塩釜」の付近で今年後半にも具体化するといいます。ホテル建設は、相乗効果が見込める水族館見学などの幅広い観光需要に対応するもので、宿泊客の増加によって市内での購買率が高まることが予想されます。

「本塩釜駅周辺地区」で今回の市街地再開発事業が行われます
※「塩竃市震災復興計画」(平成23年12月)から引用
 
塩竈市はこの再開発事業で、道路などの公共施設のほかに、市営駐車場、防災センターの整備に関わることになります。

事業予定地内にあった市営駐車場は被災し、現在、解体工事が進められています。防災センターは、市の震災復興計画の中で整備が示されました。両施設とも再開発事業の助成対象に追加されています。保留床に相当し、準備組合からは買い取りを要請される見通しです。

「市営駐車場の再建も再開発事業に組み入れることで、国による補助率が引き上げられ、単独施工に比べると容易になります。駐車場は周辺商店街にも利便性をもたらします。港に隣接する市の中心部は犠牲者が出るような高さの浸水被害を受けていますので、中心部に一定程度の防災センター機能が必要です」(市震災復興推進局の佐藤次長)

新しいまちづくりには、周辺の商店街からも大きな関心が寄せられているようです。小売商店主が次のように語っていました。

「波及効果に期待しています。まちなかに人が集まり、商売がちゃんとできることを見せてほしい」

都市計画決定を終えると、平成25年度に事業計画決定、本組合への移行が予定されます。「事業計画」の策定は大きな山場となります。前提となるのが、平面の事業エリアから決める立体の事業規模です。事業エリアには権利者の同意の数がストレートに反映します。

「権利者のうち準備組合に参加されなかった方は、決して反対という立場にあるのではなく、態度を決めかねているという状況です」(鈴木さん)

海岸通2番地区の正面
事業計画の明確な輪郭が見える根拠は、組合への参加員数ではなく、事業そのものへの参加員数だといいます。

「事業には、個々の権利者がさまざまな立場で参加します。権利床だけなのか、権利床は手放して外に出るのか、あるいは権利床を新しく手にするのか。また、権利床だけでなく保留床を買って増やすのか、それとも権利床を減らすのかといった具合です。それらを整理したものが事業規模になってきます。その際に、もともとの参加者、後からの参加者によって、権利の組み合わせが決まります。最終的には、その人たちの話し合いになります」(市震災復興推進局の佐藤次長)

海岸通商店街は、通常は5年、10年は必要とされる市街地再開発事業を、わずか3年という期間でやり遂げようとしています。事業計画決定以降のスケジュールは、資産の置き換えを明らかにしていく権利変換計画(平成26年度)を経て、27年度に着工します。

「絶対に成功させたいと皆で話し合っています。塩竃の新たな出発点にしたいと思っています。権利者から意見をいただいた時に、これまでの再開発とは違うので、一刻も早く実行してほしいという声が大半を占めました。今回の機会を逃したら、もうないものだと思っています。最初で最後の事業になります」(鈴木さん)


1番地区、2番地区それぞれの更地に看板が立てられています。
「覚悟」という2文字が大書され、再建を願う商店主らの声を最も簡潔に雄弁に伝えています。


(取材日 平成25年1月15、23日)