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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年2月1日金曜日

2013年2月1日金曜日21:25
皆さん、こんにちは。スーサンです。

「産学官連携フェア2013winterみやぎ」(みやぎ産業振興機構主催)、「産学官交流大会」(みやぎ工業会主催)、「東北大学イノベーションフェア」(東北大学主催)が1月17日、仙台国際センターで共同開催され、東北の学術研究機関などの研究成果が幅広く披露されることになりました。

被災地から発信されるシーズ(研究成果)が社会のニーズに見合うことで、復興は加速されます。

ここでは、「産学官連携フェア2013winterみやぎ」と「産学官交流大会」を取り上げました。「東北大学イノベーションフェア」と3者共通の特別講演会については、次回の記事をご覧ください。

学術研究機関などが最先端の技術を発表した産学官連携フェア

産学官連携フェアには大学や高等専門学校、公的研究機関など47団体が参加し、80テーマが出展されました。「産学・地域連携」「環境・エネルギー」「ものづくり」「アグリ・バイオ」「情報通信」「ナノテク・材料」「医工連携・ライフサイレンス」の7分野に、企業の産学官連携による商品開発の成果を示す「企業展示」が加わりました。

震災復興に直接関連するものも出展されていて、そのいくつかを紹介したいと思います。

後ろのレトルト袋を手前の箱状の容器に入
れ、温めるという仕組みです。非常時に機
能性成分の食事を取ることができます

科学技術振興機構のJST復興促進センターは、被災地での研究開発に助成を行っています。その中の1つが、山形大学地域教育文化学部食環境デザインコースの小酒井貴晴准教授が進めている「緊急避難時でもセルフ加温できる完全栄養レトルト食品の開発」です。

おととし3月の震災時には、避難所の多くでは栄養バランスが悪く冷たい食事が配給され、被災者の体調不良などを引き起こしたとされています。小酒井准教授はこの点を踏まえ、気仙沼市の食品メーカー「気仙沼ほてい」などと共同で、機能性成分を多く含み、水を使わない発熱材によって加温できる「ほっこり食」を開発中です。

現在のメニューは、食味にも優れるという「くり雑炊」「トマトと豚肉の和風雑炊」の2種類。今後の課題は、機能性と味のバランスや加温容器の小型化といいます。

普段は自動車の座席を覆うシートとして使い、水
没時などでは取り外し、着用します。浮力と保温
の機能を有しています

石巻専修大学理工学部機械工学科の山本憲一教授は、石巻地域産学官グループ交流会自動車関連産業集積部会と連携し、津波対策グッズを開発しています。巨大津波は自動車利用の弱さを露呈させたといいます。

津波被災者へのアンケートでは、被災時に必要なものとして、脱出する際の浮力体や、水没する車の窓を割る器具などを上位に挙げています。

平成24年5月から実用化を試みているのは、まず、浮力体です。座席に被せる形のもので、非常時に座席から取り外し、人間が着用できる自動車シートです。ウェットスーツの素材を使い、浮力と保温機能を持たせています。自動車シートとしても、クッション性に優れ、疲れにくいといいます。

車内に水が侵入しドアが開かなくなったときに必要となる、窓を割る器具は、より簡便なものを目指しています。自動車に常備される器具を利用し、その先端に装着できるものなどを開発してきました。

「つみきめっと」をブランド「AVAIN」の第1号
商品にしたいと話す梅田准教授

「つみきめっと」は幼児・児童向けの防災グッズで、今年前半の発売をメドに商品化を進めています。開発したのは、東北工業大学ライフデザイン学部クリエイティブデザイン学科の梅田弘樹准教授。宮城県産業技術総合センターの呼び掛けでスタートしたといいます。

遊ぶには安全なポリウレタン製の柔らかい積み木であり、外側パーツと内側パーツの二重構造となっています。災害時には内側パーツを抜き取り、外側パーツを裏返すことで、頭部保護具に変わるという仕組みです。内側パーツは肩掛けのミニバッグになります。両パーツとも外カバーをはがして洗うことができ、衛生的です。

形は、四角、丸、三角の3タイプ。特許を申請中です。生産企業などとつくった「みやぎスマートデザイン研究会」で、「AVAIN」(アバイン)のブランドを立ち上げています。その名は仙台弁で「Let’s go」、フィンランド語で「鍵」を意味し、「宮城から明るい未来を開く」との願いが込められているといいます。

「みやぎ優れMONO」認定式の模様
「産学官交流会」では、「みやぎ優れMONO」の認定式が行われました。これは、みやぎ工業会をはじめ、宮城県内の自治体や経済団体など16団体でつくる「みやぎ優れMONO発信事業実行委員会」が、県内で生産された優れた工業製品を認定し、県内外に発信していくものです。

認定基準は厳しく、「品質絶対」「独自技術」「安全安心」「環境経営」など10項目が設けられています。今年度は、亀山鉄工所(仙台市青葉区)の「温度成層式蓄熱システム『亀山貯蔵(かめやまためぞう)』」、アスカカンパニー東北工場(加美町)の「射出成形における超薄肉成形技術」、プラモール精工(富谷町)の「エア抜き装置『エアトース』」の3つが認定を受けました。

このほか、みやぎ産業振興機構、東北大学、みやぎ工業会をはじめ、学術研究機関、公的研究機関、産業界を横断する形で、交流懇親会が開かれました。

(取材日 平成25年1月17日)