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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年2月5日火曜日

2013年2月5日火曜日22:19
Chocoです。

石巻市船越の漁師、中里孝一さんやたくさんの漁師さんに囲まれた生活をしていますが、ここ最近、違った一面を石巻や女川で目にします。
それもこれも、今夏にイベントを開催するための実行委員会の会議に参加してからです。
というのも、実行委員会の皆さんのほとんどどがアーティストなのです。

と、言うことで、私にアートというモダンな世界を広げてくれた方々をご紹介したいと思います。

今回は第1弾!!
きぼうの鐘商店街にある
「アートギルドカンパニー」の事務所兼カフェスペース
内装も自分たちで
女川町の「きぼうの鐘商店街」にある「アートギルドカンパニー」代表、遠藤圭さん。




女川に生まれて女川で育つ、生粋の女川町民です。
震災後、何も無くなった女川町に色を付けたい、活気づけたいという想いで、地元のアーティストとアートギルドカンパニーを設立しました。
アートギルドカンパニーは、3名の女川出身のアーティストさんが運営しています。(他の方々は後日紹介します)

その中で、遠藤さんがやっているのは、レザークラフトです。


以前は趣味だったレザークラフトが、今では生涯共にする存在に・・・
その気持ちの変化は、何だったのでしょうか。

今回は、レザークラフトで女川を盛り上げようとしている遠藤さんの革への想いを聞いてみました。




革が作品になるための道具



以前は、趣味でレザークラフトを楽しんでいました。
遠藤さんは、水産加工会社を経営していたお父さんから、4年前にレザークラフトの基礎を学びました。
というのも、実は、遠藤さんのお父さんは、私たちと同年代の時に石巻市門脇でレザークラフトの専門店「amigo」を開業するほどの職人だったのです。

「父が作るのは、シンプルでワイルドな作品が多かったんです」
と、語る遠藤さん。
お父さんが若い頃、夢中でやっていたレザーの世界が、息子である圭さんに受け継がれました。
しかし、その時はまだ趣味程度だったそうです。



2年前の3月11日、いつもと変わらない生活をしていた多くの人の生活が、一変しました。
遠藤さんが住んでいた女川町清水地区も津波に呑まれました。

清水は、海沿いにある女川町の中心街に比べて、山間にあります。
津波は50年以上前にも起こりました。1960年チリ地震です。その時は、波高約4メートルだったため、清水地区は浸水を免れました。
しかし、今回の津波で、女川湾から500メートル~2キロ離れているのにもかかわらず、津波は山間地の清水地区まで押し寄せて来たのです。

遠藤さんは震災当日、実家にいましたが、すぐ高台へ避難したそうです。家にいた家族は無事だったものの、海岸から約1キロ離れている自宅が流されてしまいました。
震災後は、家族と一緒に高台にいる親戚のお宅へ避難したそうです。

遠藤さんに革職人の技術を教えてくれたお父さんは、会社で被災しました。
戸締りをしているところ、津波が襲い、帰らぬ人となりました。

それから、レザークラフトへの想いに変化が生まれました。
「これで、女川を盛り上げたい」と、昨年の2月に設立した「アートギルドカンパニー」でレザークラフト職人として、活動をしています。


「遠藤圭さんにとって、レザークラフトとは」
「人生においての師匠」 遠藤 圭さん








作業場に大きくて、色褪せている鞄がありました。


尋ねてみると、
これは、遠藤さんのお父さんが30年前位に作った物だそうです。
今回の震災で海水に浸かってしまいました。
「この鞄をもう一度使いたい・・・」そう願う依頼主のために現在、遠藤さんは修復に励んでいます。
同世代だった頃のお父さんが作った鞄。
津波の影響でダメージが酷かったのが、再び息子の圭さんの手によって再生されようとしています。


以前、私の母が誕生日に1点物の黒い革の鞄をくれました。
そして、母に、「革は使えば使うほど味が出て、愛着も湧くの。一生物」と言って聞かせられました。
実際に、30年以上も前の鞄を目の前にして、母の言葉を思い出しました。


女川を愛するレザークラフト職人、遠藤圭さん。
「小さい頃から住んでいた町で思い出の場所、たくさんある。何よりも海が好きなんです。」

1年間のオーストラリア滞在経験もあり、いろんなところの沿岸を見てきた遠藤さんは、「女川から見る海が一番好きだ」と強く言います。
大好きな故郷を、「町の人が楽しめる、住み戻れる、楽しい女川にしたい!」

それが、アートギルド、遠藤さんの想いです。

お会いできるのは、女川町にある、きぼうの鐘商店街「アートギルド」です。
おいしいコーヒーやお茶も飲めるカフェスペースもあるので、レザーに興味がある方もそうでない方も会いに行ってみてください。

今後は、バックや財布、ベルトなども作るそうです。
「後々はジャケットも作っていきたい」と、圭さんは今後の作品について語ってくれました。
これから、遠藤さんの想いが詰まったレザークラフトが、女川から広がります!!

アートギルド→http://onagawa-artguild.com/

(取材日 平成25年1月18日)