header

宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

ヘッダー写真説明文

写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年1月8日火曜日

2013年1月8日火曜日10:45
皆さん、こんにちは。スーサンです。

――幻想的な雰囲気です。みんな、1点を見つめています。心なしか緊張しているようです。「もっと笑いましょう」。声の後に、シャッターの音とフラッシュの閃光が続きました。

カメラマンは東北工業大学の学生が務めました
昨年(平成24年)12月9日から今年1月3日までの夜、JR岩沼駅西口のロータリーを華やかに彩ったイルミネーション。

その主役となった大きな円錐形のツリーを背景に、無料で写真を撮影してもらえるというイベント「『家族の肖像』in岩沼ライトアップドリーム」が、12月22、23の両日にわたって行われました。希望者には、無料でウェディングドレスやタキシードが貸し出されました。

9年前から始まったJR岩沼駅西口の「岩沼ライトアップ」
主催したのは、市民有志でつくる岩沼ライトアップ実行委員会。同地で、電飾によるライトアップを9年前から続けてきました。

実行委員の菊地忍さんによると、写真撮影のイベントは多くの団体の協力があったといいます。

実行委員会は、被災者を支援する地元の一般社団法人「いわぬま福興プロジェクト 結の会」から、ブライダル衣装を使ったイベントをできないかと相談を受けました。

こうした中で、昨年11月に市内で無料の写真撮影会を開催した、地元のNPO法人「がんばッと玉浦」と東北工業大学工学部建築学科の災害復興支援室に、協働を要請したといいます。また、岩沼市社会福祉協議会には申し込みの窓口となってもらうよう依頼しました。

「転勤で明日岩沼を離れる夫婦や、結婚式を挙げず写真も撮っていないという夫婦をはじめ、たくさんの方から申し込みがありました」(菊地さん)

菊地忍さん(右)ら、岩沼ライトアップ実行委員会の皆さん
イベント当日、撮影や画像処理を受け持ち、教員と学生が参加した東北工業大学工学部建築学科「災害復興支援室」。昨年5月以降、県内各地で被災者を対象に写真撮影を行う「家族の肖像」のプロジェクトを展開してきました。

プロジェクトを中心となって取り組んできた谷津憲司教授は、こう述べていました。

「多くの被災者が津波で写真を無くしています。新たに家族を撮ることで、絆を取り戻すことができるのではと考えています。また、建築学の役割は仮設住宅に新たなコミュニティをつくることでもあり、その一環ととらえています」

マイクロバスの中で画像処理を行っていました。右端が谷津教授
家族や仲間などの笑顔で満ちた写真はフォトフレームに収められ、画像データを入れたCDとともに、その日のうちに渡されていました。

撮影は当日の申し込みを含め70組に及び、ウェディングドレス、タキシードの着用は15組となりました。

婚礼衣装の撮影では、市内のショップや企業が協力を惜しみませんでした。美容室「髪工房」はセットとメイクを、生花店「花の森」はブーケを、田中土木は着替え用の仮設スペースなどを、それぞれ無償提供したといいます。

5年前のクリスマスイブに結婚式を挙げたという
ご夫婦には、2人のお子さんが加わることに
「皆さんのご協力により、おかげさまで多くの方に喜んでいただきました」と、実行委員の菊地さん。

写真は、イルミネーションがひときわ輝き、それに負けないほど明るい表情が焦点を結んで、新たな絆を生み出したに違いありません。

(取材日 平成24年12月22日)