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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年1月9日水曜日

2013年1月9日水曜日15:37
「あれ~、金華山のお土産センターにいたおばちゃんだよね? 元気だったの!! 良かった~」
「おかげさまで~。お客さん、明けましておめでとう」
青空の下に、明るい声が響きました。


ココロデスクです。

前回は、金華山の初詣・観光ボランティアの活動の様子を報告しました。

震災から2度めの金華山初詣(石巻市)
http://kokoropress.blogspot.jp/2013/01/2.html


金華山に行く海上タクシーに乗り込む初詣のお客さんたち

今回は、その船着き場で軽トラックに海産物を積んで販売していた、ある女性のお話です。

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金華山海産物直売所「潮風商店」を家族で営む齋藤恭子さんは、震災が発生したその瞬間、自宅脇にある作業場でワカメの加工作業をしていました。

ただならぬ大きな揺れに「津波が来る!」という思いが頭をよぎりました。「港のすぐそばとはいえ、道路1本だけ高台にあるのでここは平気だろう」

そう思いつつも念のため皆で避難をしたところ、津波は予想をはるかに超えて自宅の1階まで浸水しました。収穫したばかりのワカメも、その加工品もほとんど流れてしまったそうです。

せめてもの救いは、家族や働いていた人たちが全員無事だったこと。
海との間に倉庫や大きな建物が並んでいて、それらが津波のエネルギーを弱めてくれたのでしょうか。家の建物自体も持ちこたえてくれました。

最初はやむなく避難所で過ごした恭子さん。それでも、
「こうしてはいられない」
と、自宅の後片付けと掃除に精を出し、1週間で自宅に戻りました。
とはいえ、電気や水道のない暮らしです。



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「潮風商店」は、長年ワカメを養殖・加工し、販売してきました。それ以外にも海産加工品を仕入れて、金華山の船着き場にあった観光みやげセンターの一角で販売していました。

そのかたわら、ワカメ養殖がオフになる4月から10月には金華山の浜辺で民宿を開いていました。
家族経営の小さな宿でしたが、手に取るような近さに海を見ながら新鮮な海の幸を味わえることから、「常連さん」に愛されていました。

「常連さんは、早々と翌年の予約をとってからお帰りになるんです。金華山の御縁日にお参りするのが目的ですから、次の年のことを心配しなくてもよいようにと」

「でも、もしも震災があと1カ月後だったら……。お泊りのお客さんがいらっしゃったかと思うと、ゾッとします」


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家の中がいくらか片付くと、また、
「こうしてはいられない」
今度は、仕事をどうにかしなければという気持ちが湧いてきました。

そうは思うものの、収穫したワカメも養殖棚も流されたとあっては売る物がありません。辛うじて難を逃れた加工済みのワカメが少々ありましたが、電気が来ないために袋に封をする機械が使えず、まさに宝の持ち腐れ状態でした。

いつも気丈な恭子さんですが、手も足も出ない日々。そんな彼女を励ましてくれたのが、常連さんたちでした。

「何がほしい? 畳? 分かった、今から持って行くからね」
栃木県在住の常連さんからの電話。
「危ないからいいよ、道路もまだ危ないんだから無理して来ないで……、気持ちだけで十分だから」
そう遠慮したのに、結局は来てくれました。畳、冷蔵庫、炊飯器、テレビをトラックに積み込んで。

心配した全国各地の常連さんから食料や衣料品、日用品、燃料が、恭子さんの元に続々と届きました。
「宅配便だけでも100個以上。たくさんいただいて・・・・・・。ご近所にもおすそ分けするほど」


そうこうしているうちにようやく電力が供給されるようになり、いよいよ事業再開です。
4月27日。震災から1カ月半がたっていました。

「電気が来たのはいいんだけれど、初めのうちは電力量が少なくて。機械を動かしながら電灯をつけるとブレーカーが落ちるので、暗い中で作業をしていました」
今だからこそ笑える、そんな笑顔の恭子さんです。


一家総出で養殖しているワカメを自分たちで加工し、販売しています。
ネット販売も手掛けていて、リピーターが多いことが自慢です。


震災後最初に「店」を開いた場所は、県庁のロビー。次は山形県米沢市でした。石巻市と米沢市は姉妹都市の協定を結んでいて、米沢市が市内中心部の公園で石巻の復興支援のために物産市を設けてくれたのです。ご主人と娘さんができたばかりの製品を持ち込み、ゴールデンウィークの1週間ここに店を構えて懸命に販売しました。手ごたえは上々だったそうです。

その後は山梨県はじめ県外と、さまざまな場に出向いて営業を続けます。
山梨では地元ラジオ局のDJ、KOUSAKUさんが「ワカメ養殖の復興支援」の音頭をとってくれました。販売するスーパーマーケットを紹介してくれたり、チャリティバザーを開いたり・・・・・・。

「いろんな方がそれぞれの形で支援してくださって、それが今でもつながっています」

そうした数えきれない支援のおかげで養殖が再開して、2シーズン目。

「常連さんにワカメできたよ、と知らせると、それじゃあ50個ちょうだい、100個送って、と注文をくださるんです。本当に、常連さんはありがたいです」




おいしいワカメを育てる事
安心・安全なものを食卓に届ける事
かんたんそうで 難しい
だから頑張れる  負けるもんか

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齋藤さんが手掛けるワカメの養殖の規模は、鮎川でも小さな方なのだそうです。
しかし量が少ない分、育てて加工してお客さまの手にお届けするまで、丁寧に手を掛けているそうです。
例えば収穫したワカメを「湯通し塩蔵ワカメ」に加工するために茹でる時の温度。
90℃以上に沸いた湯で茹でると、褐色から鮮やかな緑色に変わり、保存が利くようになります。
急いで大量に処理するために湯の温度が下がるのもかまわず茹でても、確かに見た目は緑に変わりますが、品質は劣るそうです。

「時間も燃料もたくさんかかるけれど、うちではお湯の温度を守って少しずつ加工しています。だから、味と品質には自信があるんです」
と恭子さん。



「今こうして商売しているのは、儲けるためとかそんなじゃなく、お礼です。ここまでできるようになったよ、という姿をお見せするため。元気に頑張って働いている姿を、私たちなりに見せていかなければならないと思うんです。いつまでも甘えているわけにはいかないじゃないですか。支援してくれた方々に、安心していただきたいんです。それが、私の感謝の証しです」


恭子さんのこんな姿を見たら、支援してくれた方々や常連さんもきっと「応援した甲斐があった」と喜んでくださることでしょう。
そして、支援してくれた方々にとっても、大きなエネルギーとなるに違いありません。

支援する側と、支援される側。
そこにまた新たな「輪」が生まれつつあるようです。

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私も1袋買い求めて、家で食べてみました。
肉厚でしかもシャキシャキとした歯ごたえ。海の香りが口の中いっぱいに広がりました。
いつも食べているワカメとは、たしかに一味もふた味も違いました。
次に行った時に、また買ってしまいそうです。




金華山海産物直売所「潮風商店」
http://www.shiokaze-wakame.com/


(取材日 平成25年1月1日)


※「金華山わかめ」お年玉プレゼントは、応募いただいた方が10名に達したため終了いたしました。たくさんのご応募、ありがとうございました。


追伸
齋藤さんからココロプレスの読者のためにお年玉プレゼントをお預かりしました。
齋藤さんが養殖して加工した「金華山わかめ」(湯通し塩蔵わかめ)です。
先着10名の方にお贈りします。

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◆応募方法◆ 下記の内容を良くご理解の上、ご応募ください。

1.下記に空メールを送信してください。
   (お名前、ご住所、電話番号等の個人情報は記載しないでください)

  pkokoropress@gmail.com


2.当選された方にのみ、こちらから当選通知メールをお送りします。
   それ以降の手続き方法については、当選通知メールでお伝えします。
   残念ながら選に漏れた方には返信しません。

3.応募締切 平成25年1月11日(金)


※当選の発表は、当選通知メールの発送をもって代えさせていただきます。
  お問い合わせにはお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

※応募いただいた空メールのアドレスは、当選通知とプレゼントの発送手続きにのみ利用し、その目的以外の利用、第三者への開示、及び提供はいたしません。
※選に漏れた方々の空メールは当方で責任を持って消去します。
※空メールには個人情報は記載しないでください。

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