header

宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

ヘッダー写真説明文

写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年1月8日火曜日

2013年1月8日火曜日21:04

皆さん、こんにちは。スーサンです。

仮設住宅にとどまらず、民間の借り上げ住宅などの、いわゆる「みなし仮設住宅」の、住民への日常生活の支援が本格化している岩沼市で、昨年12月22日、福島県からの避難者を対象にした交流会が初めて開催されました。

岩沼市総合福祉センターiあいプラザで開かれた「うつくしま福島交流会」がそれで、子どもからお年寄りまで、9世帯18人が参加しました。主催は、岩沼市社会福祉協議会の「岩沼市復興支援センタースマイル」です。

演壇に立つ三浦岩沼市社協会長。福島から駆け付けた
「キビタン」の右上には、福島県旗が掲げられています
同センターによると、市内に住む福島県からの避難者は平成24年12月末現在、156世帯に上り、150世帯が仮設住宅、みなし仮設住宅のいずれかに住んでいるといいます。避難者の中には、市内に在住する親族などを頼り、あるいは福島県までの通勤時間を考えて転居してきた人がいるとのことです。

出身の市町村をみると、南相馬市が約8割を占めています。避難の理由はやはり、福島第1原発の事故による放射線の影響に対する懸念であり、警戒・避難区域以外からの転居者も少なくないといいます。

2時間の交流会は、まず、岩沼市社会福祉協議会の三浦一朗会長が「安心して生活できるよう、一緒に歩いていきたい」とあいさつ。続いて、福島県のマスコットキャラクター「キビタン」とともに、駆け付けた福島県広報課の職員が、「ふるさとを思い出して過ごしてください」と励ましました。

「笑顔が出るようお手伝いしたい」とスタッフが話していたように、粋な計らいが随所に見られる催しとなりました。
 
福島を代表する「赤べこ」の絵付けに、子どもたちは
とても熱中していました
見本のようにきれいに描けたようです

「みなみそうま」(南相馬市)など、地元自治体の
広報誌が置かれました

前半は、福島県を代表する会津の民芸品で、和紙を材料にした張り子の「赤べこ」の絵付けを参加者全員で行いました。絵筆の先を立てることがコツのようで、顔や手足が描かれた見本を前にして、忠実にあるいは大胆に自己流で、白や黒の絵の具を塗っていました。

後半は、福島県の浜通り、中通り、会津の各地方の著名な菓子が用意され、三浦会長ほかスタッフ、福島県職員らも参加者の間に座り、「お茶飲み」が始まりました。故郷のことや岩沼市での暮らしぶりなどに花を咲かせ、楽しい交流のひとときを過ごしました。

借り受けた福島県旗が正面に掲示されたほか、南相馬市をはじめとした地元自治体の広報誌のラックが置かれて、会場はさながら福島県の様相を見せていました。


三浦社協会長(右)らも席に着き、会話の中へ
用意されたお菓子。浜通り「じゃんがら」、中通り
「いもくり佐太郎」、会津「ごまみそせん」
これからも、たくさん話せる機会がありそうです
交流会の開催に至るいきさつを、スタッフの1人で生活支援相談員の木川田徹(41)さんが次のように話していました。

「みなし仮設住宅への訪問活動を通して、福島県から避難されている方々から、『同じ福島県の人と話がしたい』『スーパーの駐車場で福島ナンバーの車を見て、懐かしさが込み上げてきても、声を掛けることができない』といったお話をいただきました。また、みなし仮設住宅向けの『交流会』には福島県の方々が複数参加されていて、『知り合えてよかった』という声も届きました。こうしたことから、昨年7月に、福島県の方々が集まれてお茶が飲める『うつくしまサロン』を設け、月1回のペースで開いてきました。ここから、さらにつながりの場を広げようと考え、今回の交流会のサブタイトルにもした『~つながろう福島と、つなげよう岩沼で~』を実現しようと思いました」

実は、木川田さん自身が福島・富岡町からの避難者であり、みなし仮設住宅となる民間の賃貸住宅で妻と娘とともに生活しています。転居後しばらくは、以前の原発関連の仕事を続けていましたが、岩沼市社協の職員募集を知り、応募。昨年4月に採用されました。

「岩沼市復興支援センタースマイルは、ご避難されている皆
様の笑顔のために、がんばっていきます」と、木川田さん
岩沼市の仮設住宅、みなし仮設住宅の世帯数(平成24年12月末現在)はそれぞれ、362世帯、614世帯となっています。支援組織については、前者に対しては、平成23年7月に県内では初めて仮設住宅の包括支援センターとなった「里の杜サポートセンター」が管轄し、後者に対しては、岩沼市復興支援センタースマイルが交流会・サロン活動、訪問活動、被災地域へのコミュニティー再生支援活動などを担当しています。

復興支援センタースマイルの交流会活動は拡充しているようです。市全域を対象にした、遠出やレクリエーションをほぼ2カ月ごとに行う交流会は、昨年3月のスタートからすでに6回を数えています。

小学校区単位で設ける、趣味の手作業やお茶飲みができる「スマイルカフェ」は昨年7月以来、「もっと近くで、もっと手軽に、もっと楽しみたい」といった趣旨で、同様に2カ月ごとに開催されています。

福島県人による初の交流会で耳を傾けると、「スーパーや病院などが1カ所に集まっている」「福島まで車で通える」といったことなどが聞かれ、岩沼市での生活自体には満足している様子がうかがえました。

交流の場については、うつくしまサロンに参加してきた人たちは「仲の良い友達ができた」「心を許せる場になっている」と高い評価。初めて参加した人たちからは、「同じ境遇だと話しやすい」「ママ友達ができて、子どもたちも気軽に遊べる」と、期待する声が上がっていました。

男性スタッフは「岩沼戦隊スマイルレンジャー」に変身し、
子どもたちを十二分に楽しませていました
大人気の「キビタン」を真ん中にしての記念撮影となりました
交流会の終盤、同センターの自慢のキャラクター「岩沼戦隊スマイルレンジャー」にスタッフが扮(ふん)し登場し、先ほどのキビタンと同様に、子どもたちを大いに沸かせていました。

締めくくりとして、スタッフが「同じ福島の方に声を掛けてほしい」と呼び掛け、三浦会長が「岩沼の被災者と隔てることなく、支援していきたい」と強調しました。

交流会、サロンとも、案内を福島県からの避難者全世帯に通知していますが、まだまだ参加者が不足している状況のようです。地域に溶け込めず、未参加の人も少なくないとも。

もう1つの課題は、〝自主避難者〟に関してのものです。

これは原発の警戒・避難区域以外からの避難者を意味するのではなく、みなし仮設住宅についての平成23年12月の入居締め切りに間に合わず、自費で家賃を払って避難している人を指します。
行政からの被災支援では原則、対象外とされています。夫だけが勤務地である地元に残るというような二重生活の事例もあり、金銭的負担が重くのしかかっているといいます。

地元では日ごとに除染が進み、放射線量が低下しているとされていますが、本当に帰宅できるといった基準が極めて曖昧であり、悩む人は多いとのことです。

冒頭では、福島県から避難してきた156世帯のうち、6世帯がどこに居住しているかを記しませんでしたが、実はその〝自主避難者〟に該当するのです。

「6世帯というのは、私たちが支援活動などを通じてこれまで知り得た情報であり、全体の実態を反映した数字ではありません。本当は50世帯、100世帯になるのかもしれません。こうしたことを踏まえると、これからも避難者とはいろいろな接点を持っていきたいと考えています」(木川田さん)

岩沼市復興支援センタースマイルの心温まる支援とともに、避難された方々の予定が今後明らかになっていくことを、願わざるを得ませんでした。

(取材日 平成24年12月22日)