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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年11月26日月曜日

2012年11月26日月曜日10:00
こんにちは。けいこです。

11月11日、日曜日。
この日は川崎町へ向かいました。
川崎町はとにかく自然が豊かな町。仙台市の大事な水源の1つになっている釜房湖もあります。
紅葉した山々が湖面に映る景色がとても奇麗でした。

天気のいい日には蔵王の山々まで見通せる、釜房湖の景色。

そんな釜房湖を拠点に、震災を乗り越えて頑張っている学生たちがいます。
東北大学漕艇(ボート)部の皆さんです。
男子部主将の坂田衛さん(3年生)、主務の番場工さん(3年生)にお話を伺いました。

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旧制二高端艇部から歴史を受け継ぎ、今年で118年目となる東北大学漕艇部。
過去にはオリンピックへの出場や全日本大学選手権(インカレ)で優勝するなど、実力を備えたチームです。
現在は60名を超える部員がいます。

ボート部の拠点は名取市の仙台空港近くにありました。
艇庫と合宿所を兼ねていて、部員の皆さんは週のほとんどをそこで過ごしていたといいます。

しかし、あの大津波によりその拠点は被災。
幸いにもその当時、名取の艇庫は改装工事中で部員の皆さんは埼玉県戸田市にあるもう1つの艇庫で合宿を行っていましたが、艇庫が津波に飲み込まれる瞬間をテレビで見た時は言葉にならなかったそうです。

名取は、部員の誰もが思い入れのある場所。
震災後、街に対する意識が大きく変わったといいます。
坂田さんも番場さんも、
「名取に対しては本当にありがとう、という気持ちでいっぱいです」と口を揃えます。

「あの悲惨な光景を映像で見て、自分たちにとって、名取がいかに大切な場所であるか気付きました。だからこそ、今すぐにでも名取に帰って何かできることをしたいと思いました。とても愛着のある場所で、犠牲になった方がたくさんいる…。被災の状況を見聞きするうちに、今までお世話になってきた名取に対して何か恩返しがしたいという思いが強くなっていました」(番場さん)

このまま練習を続けていいのか悩み、ボランティアを行った部員の方もいたそうです。
しかし、練習を続けることに戸惑いを感じながらも、頑張る姿を見せること、目標を達成することが自分たちのできることだと気付きます。

それは、
≪インカレに出場し、エイト(※)で優勝すること≫

目標に向かう姿を見てもらうことで、名取に元気を与えたい。
この目標がチーム全体の強く大きな軸とし、再び前に進み出すことになりました。

(※エイト…8人の漕手と1人の舵手が乗り込む花形種目。ボート競技種目の中で最大の人数で、最速のスピードが出る)


小雨が降る中、練習の準備をする部員の皆さん。
日の出とともに練習を開始する日もあるとか。










名取市の艇庫が被災した後は、戸田市の拠点や登米市にある長沼で練習を重ねます。
「名取で練習していた頃はよかったなぁ…」
そんな思いがよぎったこともあるそうです。

そして、震災から半年がたった昨年の9月、ボート部のOBやOGなどのたくさんの支援により川崎町にある釜房湖が練習場所に決まりました。

坂田さんは釜房湖についてこう言います。
「釜房湖の第一印象は、景色がとても奇麗、ということです。山から吹き降ろす西風で波が立ったり、霧が出たりする時もありますけど、『僕たちはここで戦える』という気持ちになりました」

「湖面のブイの設置や練習環境の整備など、釜房湖の管理事務所の方にはとても協力していただいてます。そして、いつも僕たちを応援してくれる川崎町の方々にも本当に支えられていると感じています」
番場さんは、感謝の気持ちを口にします。

今年の7月に行われた北海道大学との定期戦では、地元の和太鼓チームのセレモニーや出店が並ぶなど、お祭りのように町を挙げて応援してくれたといいます。
町全体で若い力を後押ししているようです。
お話を伺っている間も、何度も川崎町の支援に感謝していると話していました。


エイトの練習風景。
男子部員の方は1日に4,500キロカロリーを摂取するそうです。
女子のダブルスカル。
紅葉をバックにした姿がとても映えます。










たくさんの支援がボート部を支えています。


名取でもらったたくさんの支え。
そして、新天地、川崎町での心強い応援。
その両方を受けて、部員の皆さんが同じ目標に向かって進み続ける姿は、とてもキラキラしているように見えました。


取材をして感じたのは、部員の皆さんのインカレに懸けるまっすぐな思いと、ボートへの熱い思い、そして、何よりもボート部を支えてくれた名取市と、たくさんの応援をくれる川崎町への感謝の思いです。

ホワイトボードへのコメントにもその気持ちが表れています。

「勝つしかねえ!!」
ありがとう名取!
これからよろしくお願いします川崎町!
(男子部主将 坂田衛さん)
「負けらんねえ!!」
名取、川崎町見ていてください!
やったります!
(主務 番場工さん)

たくさんの壁を乗り越えて、目標に向かって進み続ける若い力。
たくさんの支援を追い風に、「インカレに出場しエイトで優勝する」という目標を達成されることを強く願っています。

これからの活躍がとても楽しみです。


(取材日 平成24年11月11日)