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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年11月6日火曜日

2012年11月6日火曜日10:28
皆さん、こんにちは。スーサンです。


地域社会が震災で無くなり、他所へ移転を余儀なくされた方々が元通りの暮らしを取り戻すのは、そう容易なことではありません。精神的な立ち直りについて考えてみただけでも、現在過ごしている各地各所で一様の歩調ではないのだろうと思うのです。


この日は、名取市小塚原の小塚原南集会所をおじゃましていました。名取交流センターが名取、仙台の両市内10カ所でそれぞれ毎月2回開催している、被災者交流会「お茶っこのみでともだち」の様子を拝見するためでした。ちょうど、芋煮会の日に当たっていました。


小塚原の3町内会から幅広い年代の20数人が参加。11時半の開始前から、料理の準備で大忙しでした。同地は震災時、津波をかぶり、一部を除き住民の流失が続きました。住民の移転先は、仮設住宅をはじめ、いわゆる「みなし仮設住宅」とされる、民間の借り上げ住宅や雇用促進住宅などです。

地域のばらばらになった人たちが再会します


傾聴やレクリエーションを取り入れています

「とても助かっています。なかなか地元の皆さんと会う機会がないので、大切な集まりになっています」


こう語るのは、小塚原南地区町内会長の遠藤直さんです。一時アパート住まいをした後に、修理して住めるようになった自宅に戻っています。

「私たちの元気を伝えたい」と、小塚原南地区の遠藤町内会長

おいしく仕上がった芋煮に舌鼓を打ちながら広がる談笑の輪に、同センターから派遣された交流と傾聴のボランティア6人と整体師1人が交じります。「みんなで食べるとおいしいね」「もっとお代わりしてね」といった会話で盛り上がっています。


センターは、住民の要望を企画につなげたいとしています

同センターは、「国際交流協会ともだちinなとり」と「仙台傾聴の会」の協働事業(宮城県新しい公共の場づくりのためのモデル事業)で、今年1月に発足しました。名取市内の津波被害に遭った広範囲の離散住民を対象に、被災者間の交流の場の提供し、時間の経過とともに増加するとされる被災者の孤独感、不安感を緩和していこうとしています。


交流会は今年1月末から開催を始め、10月末で170回を数え、参加者は5000人を超えています。同センターに登録しているボランティアスタッフは約100人。各会場に毎回、交流と傾聴のボランティアを平均して10人ほど派遣しています。


プログラムは企画によって変わるといいます。この日は芋煮会で、進行がいつもとは違っていたようでした。基本的には、参加者がお茶を飲みながらそれぞれ約1時間、さまざまな話を傾聴ボランティアに聞いてもらうものを用意し、心に寄り添う支援を行っています。これに、整体師の指導によるバランス調整体操やゲーム、歌、手芸などが加わるといいます。


「みなし仮設住宅で支援格差が生じないようにしたかった」と話すのは、同センター運営委員の飯澤寛美さん。ともだちinなとりの一員として、震災直後から被災者を支援し、復興状況を見てきました。被災者の声を聞き、外国人との交流の実績を生かした祭りなども開催しています。


「活動は、被災者の自立を後方支援していくことが目的。私たちは被災者からも企画を出してもらい、関係機関、団体につないでいきたいです」

運営委員の飯澤さん(左)は地域再生で奮闘しています。
「みなしも 仮設も 自宅も みんながんばってるね!
ともだちinなとりは応援します」

この日の参加者からは、「話すことで気持ちが楽になった」「今後も楽しみにしている」といった声を聞くことができました。


遠藤町内会長によると、建物の再建が可能にも関わらず、かつての住民のうち半数が別の土地に居を構えるということです。同センターは、内閣府と県が進める「新しい公共の場づくりのためのモデル事業」の1つ。事業は、行政に限定されてきた公共財・サービスの提供を、企業や民間非営利組織が行うものとされています。


長年にわたって形成されてきた地域の絆が、一度は消えました。住民は半分になるかもしれませんが、こうした名取交流センターのような活動が、コミュニティーを取り戻していく大きな役割を担っていくものなのではとの思いを強くしました。


(取材日 平成24年10月31日)