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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年11月29日木曜日

2012年11月29日木曜日17:58


びゅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「・・・・った、っ・・・・・・てい・・・・・・・・・・・・いwwwwwwwww」


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ココロデスクです。


牡鹿半島の須田浜という浜にいます。
空は快晴です。
けれども真っ青な海の方から強い風が吹き寄せて、ちょっと気を抜くとよろけてしまいます。


「新宿組」ボランティア随行記、3回シリーズの最終回です。

  「新宿組」ボランティア随行記 その1 事の始まり
  「新宿組」ボランティア随行記 その2 爪あとをいたわるように


「新宿組」ボランティアの2日目は、さわやかな目覚めから始まりました。
みんなモリモリと朝ご飯をかき込んでいました。
昨夜あれだけお腹いっぱい食べ、遅くまで話し込んだのというのに、この食欲はどうしたことでしょうか・・・。



合宿させていただいた阿部勝子さん宅の裏山から眺めた朝の万石浦。
暖かい光にきらめいていました。


今日のボランティアの現場は、若い養殖家ご夫婦が乗るトラックについて30分ほど走ってきたこの浜。




行く手に何か真っ白いものが山と積み上がっていましたが、車から降りて近づいてみるとそれらは貝殻です。
さらに近づいて手に取ると、カキとホタテの2種類の貝の殻でした。


カキ殻とホタテの貝殻が混じっています。


ところで皆さん、ホヤの養殖のためにはカキの殻が、カキのためにはホタテの貝殻が使われることをご存じでしたか?
実は私は、今日ここに来て初めて知りました。


牡鹿半島の漁港を歩くと、穴を開けたホタテの貝殻を重ねてひもを通したものをよく見掛けます。カキが産んだ卵を付着させるためのものです。

同じように、ホヤの卵はカキの殻に付着させて養殖するのです。
いわば、ホヤの「ゆりかご」です。


カキは二枚貝で、殻の片方は深いスプーンのような形、もう片方は平たい形です。
ホヤの養殖に使うのは深いスプーン形の方で、しかもあまり小さ過ぎてはいけません。

今日の作業は、目の前の貝殻の山から、ホヤの養殖に適したカキ殻を選び集める仕事です。




各自バスケットを手に散らばり、しゃがみ込んで殻を選り分けます。
はいつくばって殻を探していると、強い風が砂やら貝殻のかけらやらを顔に吹き付けてきて、目も開けていられません。
それを避けようと風に背を向けると、今度は体全体がみるみる冷えてきました。


拾っていると、カキ殻にもいろいろな大きさや形があることが分かってきました。
中には、2つか3つがくっついているものもありました。
「2つまでなら、くっついていてもOK」と言われて、それらもバスケットに放り込みます。


このくらいの大きさならOK。

せっせせっせとバスケットに放り込んでいくうちに、だんだんとリズムに乗ってきました。
慣れてくると、程よい形・大きさの殻が自然に目に留まるようになってきました(気のせいかもしれませんが)。


「それにしてもずいぶんたくさんあるなぁ」と立ち上がって腰を伸ばしたらビックリ。
数m先は崖のようになっていて、その向こうにオレンジ色のショベルカーが見えたのです。
しかも、10m以上も低いところに。




そう、ここは10m以上もの高さで積み上げられた、貝殻置き場だったのです。
広さも相当なものです。たぶん、野球ができます。
いったい、何億個何十億個の貝殻が積まれているというのでしょう!

これだけの数のカキやホタテを、私たち日本人は食べてきたわけですよ。

そしてこれらは、もとはといえば水産加工に携わる人たちが身を1つ1つ手でむいてきたものです。
途方もない量の労働が重ねられてきた証拠です。


「・・・・・・日本の人口を1億2000万人として、その2割が1年間にカキを平均20個食べたとして・・・・・」
暗算をしているうちに頭がクラクラしてきて、危うく風に飛ばされそうになりました。




2時間半ほどの作業で30個ほどのバスケットはいっぱいになり、今日の作業は終わりました。


養殖家のご夫婦と記念写真

浜から引き上げる車の中で、いろいろなことを考えました。

「なぜカキとホタテの2種類の貝殻が、あんなにたくさんごちゃ混ぜに積んであったんだろうか?」

「もしも養殖家のご夫婦が2人だけでやるのだとしたら、気の遠くなるような作業だな」

「それでも、誰かを雇って賃金を払ってまで引き合う仕事ではないかもしれないな」


スーパーで1個100円からせいぜい数百円で売られるホヤ。
浜から出荷する時の単価は、おおよその見当が付きます。

種付けから1年で出荷できるカキと違って、ホヤは出荷まで3年はかかるそうです。

手間暇のかかる作業が必要なばかりか、すぐには現金収入にならないのです。

それでもこのご夫婦は、ホヤの養殖にチャレンジしています。

今日は時間がなくて詳しくお話を聞くことができませんでしたので、石巻担当のChocoに、あらためて取材してもらうことにしました。
楽しみにお待ちください。


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一行が楽しみにしていた石ノ森萬画館の訪問は、時間の都合で断念。
もっといろいろな場所をご案内したかったのですが、日和山からの石巻市街をお見せするのが精一杯でした。
でも、皆さん2日間フルに活動できて納得した様子でした。


三陸道を仙台へとひた走るマイクロバスの車中で、新宿区若松特別出張所所長の井上敦さんがおっしゃいました。井上さんは、今回の活動に「個人」として参加してくださいました。

「まちづくりは、結局は人づくりなんですよ。こうして実際に被災地に足を運んでみなければ決して分からなかったであろうことが、たくさんありました。被災地支援を体験したことによって、私たちの新宿区、そして若松地区をどうしていかなければならないかを考えるためのヒントを、皆、持ち帰ると思います。私は絶対また来ますよ!」

仙台駅東口のバスターミナルで。お疲れさまでした!

皆さん、また宮城にいらっしゃってくださいね! お待ちしています。


(取材日 平成24年11月18日)