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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2012年10月31日水曜日

2012年10月31日水曜日22:07
こんにちは。けいこです。

10月10日の記事で紹介した、名取の言葉で書かれた句集、「負げねっちゃ」。
この本を制作した「方言を語り残そう会」の皆さんが、負げねっちゃにも掲載された句や民話の朗読会を行うと聞き、その様子を伺ってきました。

お伺いしたのは仙台空港アクセス線美田園駅近くにある美田園第一仮設集会所。
会では毎月第4土曜日、この集会所で民話の朗読をはじめ、紙芝居、歌などのボランティアを行っています。
今月は各所でお祭りやイベントが多く、集会所に集まった住民の方は少なかったのですが、毎回何十名もいらっしゃるそうです。


「手ぶくろを買いに」を読む本郷さん。
懐かしい話に思わず聞き入ってしまいました。
民話「そいづぁ嘘だべ」を語る板橋さん。
住民の方の笑い声が響きます。











集会所へお邪魔すると、会の代表である金岡律子さんが一冊の本をくださいました。
前回取材した際に完成間近だった「名取ざっと昔(一)」です。
この本は、名取の民話集「なとりむかしばなし」を参照しながら名取の方言で再話したもので、収録された20話の中には会の方が新しく創作した民話もあり、今回の朗読会でも1話披露されました。



今まで標準語で書かれた民話集は数多くあったそうですが、方言で表記された民話集はあまりなかったといいます。
会の皆さんが一つ一つ手作りされたような、温かく、素朴さが伝わる1冊。
「負げねっちゃ」に続き、方言の魅力を広め後世に伝えたい、という思いがきちんと形になって広まっていることを感じました。


「名取ざっと昔(一)」から“人が鰈になったおはなし”を読む伊藤さん。
伊藤さんはこの本の挿絵も描かれています。

この日、会の皆さんは大忙しで、午前中に集会所での朗読会を終えた後、みやぎ生協名取西店で行われたカルチャー・サークル発表会に参加し、『負げねっちゃ』に掲載された句の朗読を披露していました。
金岡さんをはじめ、精力的に活動している会の皆さんの様子にはいつも感動させられます。


会場では伊藤さん自身が震災で経験した話を方言で披露。
その話を聞いて涙する方もいらっしゃいました。

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今回の取材で、朗読会が始まる前や会の皆さんが発表している間に忙しそうに作業をしているお2人が目に留まりました。
みやぎ生協仙南ボランティアセンターの大村美智子さんと森浩子さんです。
会が行っているこの集会所でのボランティアでは毎回「お茶飲み」の時間が用意されているのですが、お2人は集会所に来られた方にゆっくりと過ごす時間を提供することで会の活動もサポートしています。
会の活動を支援すると同時に、被災された方の交流の場も支えているという訳です。

お茶を飲みながら会話が盛り上がります。

(左)大村美智子さん  (右)森浩子さん
「被災した皆さんの笑顔をたくさん見せていただけるような
ボランティアを継続していきたいなぁと思います」

「1人でも多くの皆さんに笑顔になってもらいたいと思ってこの活動をしているんです」

そう教えてくれた大村さん。
コメントからもその思いが強く伝わりますね。
決して豊かとか言えない環境の中、仮設住宅で生活されている被災者の皆さんにとって大切なコミュニケーションの場を支える心強い存在です。

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朗読会は本当に賑やかで集会所内に笑い声が大きく響き、話を読み聞かせるというよりは、お互いに方言を使った会話を楽しんでいるようにも感じました。
話す人が少なくなってきているとはいえ、名取の土地に、名取に住む人の体になじんだ方言は、人と人とのコミュニケーションをより強くするものなんだな、と強く感じた1日でした。


(取材日 平成24年10月27日)